しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「神秘の短剣 ライラの冒険シリ-ズⅡ」 

2009年02月13日 | 読書
「神秘の短剣 ライラの冒険シリ-ズⅡ」 フィリップ・プルマン   新潮社
  The Subtle Knife    大久保寛・訳  

アスリエル卿が作った橋を渡り、別の世界チッタガーゼに来たライラ。
チッタガーゼは子どもしかいない町だった。
ライラはそこで、また別の世界から空間の裂け目を通って来た12歳の少年ウィルを出会う。
ウィルは自分の世界から逃げるようにチッタガーゼに来た。
ウィルは1歳の時、探検に出て行方不明になった父親ジョン・パリーがいた。
そして父親を探している男たちが家に押しかけ、母親を不安にさせたのが原因で、その男を一人階段から突き落として殺してしまったからだ。
ウィルは父親を探し出そうとしていた。
ライラはダストのことを知るために、ウィルの世界の物理学者に会いに行き、ダストと同じシャドーの存在を知る。

ある日、ライラは博物館で出会ったチャールズ・ラトラム卿に真理計を盗まれる。
ラトラム卿は真理計を返して欲しければ、チッタガーゼにある「神秘の短剣」を持ってくるように言う。
チッタガーゼには大人の魂を喰うスペスターがいるので、大人は入れなかったのだ。
「神秘の短剣」を格闘の末手にれたウィルは新しい守り手として剣に認められる。
「神秘の短剣」は別の世界を切り開くことが出来る剣だった。
それを使い、真理計を取り戻しに行ったラトラム卿の屋敷で、コールター夫人を見る。




違う世界に移り、もうひとりの主人公ウィルが登場。
それに伴い、新たな「神秘の短剣」というアイテムも登場してくる。
第3巻が「琥珀の望遠鏡」なので、三種の神器のように3つのアイテムが登場するのかも。
ウィルの世界がメインの話なので、ライラも真理計もあまり活躍しない感じがする。
馴染みのない世界でもライラの元気の良さは変わらないのだが。
しかし、たくさんの世界があるのに、ライラとウィルの世界は行き来がしやすかったのか、何人もの人物が両方の世界で重要な役を果たしている。
その途中にあるのがチッタガーゼ。
大人を襲うスペクターはハリー・ポッターのディメンターを連想させるのだが。
ここは、子どもは善良という、ライラの世界を真っ向から否定するような子どもたちがいるのが何となく皮肉。
天使の登場と、戦う相手がオーソリティー(権威)という神のような存在かも知れないというのは、サイボーグ009を連想させる。
天使は結構料理しやすいキャラクターのようだ。
しかし、人類創造を失敗したら、そこからやり直すのではなく、ゼロにして新しく始めようと思うのは、キリスト教の思考なのだろうか。ノアの箱舟のように。

物語は避けられない戦争に向って進んで行き、重要な親しみのある人物が死んで行く。
しかし、その戦争がなんの為なのか、あまりはっきりしないのだが。
善と悪もはっきりとある訳ではない。



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