しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「日時計」  シャーリイ・ジャクスン 

2017年03月14日 | 読書
「日時計」  シャーリイ・ジャクスン   文遊社   
 The Sundial      渡辺庸子・訳

小高い場所に建てられたハロラン家のお家屋敷。
初代ハロライン氏は突然にして巨万の富を手に入れ、この屋敷を建てた。
屋敷の目の前には、白鳥が浮かぶ鑑賞用の美しい池、仏塔、迷路にバラ園、四阿、そして日時計。
屋内も庭園も豪華に彩った。
現在の当主、2代目のリチャード・ハロラン氏は車椅子生活で、ハロラン夫人が屋敷を取り仕切る。
屋敷に暮らすのは、2人の息子、ライオネルの妻のメリージェーンと10歳の娘のファンシー。
リチャード・ハロランの妹のフランシス・ハロラン(ファニーおばさま)。
ファンシーの家庭教師のミス・オグルビーと図書係のエセックス。
ライオネルの葬儀の日。
ファンシーは「おばあちゃんがパパを階段から突き落として殺した」と言う。
メリージェーンは、ハロラン夫人がこの屋敷が他の人間に渡るのが許せなかったからと言う。
ハロラン夫人は、他の人間を屋敷から追い出そうとする。
そんな日の夜。
ファニーおばさまは、庭で亡き父親の声を聞く。
それは‟危険がやって来るが屋敷の中にいれば安全だ“というものだった。
それはノアの箱舟の時のような世界の終末を告げる予言なのか。
ハロラン家の人々は終末の時に向けて準備を始める。










ブラックファンタジーのような、ちょっと変わった物語。
同じ人間とは思えない行動もあれば、とても人間臭くなったり。
ユーモアもある。
人が死んでも、それがどうしたと言う感じ。
自分が1番大事な人たちの集団。
それでも、その自分が助かる為には協力し、裏切り、守りを固めて行く。
最後はどうなるのかと思ったら。
思わぬ所で終わってしまった。
この先はどうなっていたのだろう。
ただの嵐だったりして。
日時計に刻まれた〈この世はなんなのだろう?〉(『カンタベリー物語』)、の世界なのかな。
何だかよく分からないけど面白かった、と言う感じ。


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