しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「傷だらけのカミーユ」  ピエール・ルメートル 

2017年03月11日 | 読書
「傷だらけのカミーユ」  ピエール・ルメートル    文春文庫   
 SACRIFICES             橘明美・訳

パリ警視庁犯罪捜査部班長、カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下だったアルマンの葬儀に出掛ける前に警察から電話を受ける。
アンヌ・フォレスティエが武装強盗に巻き込まれ怪我をして病院に搬送されたと言う。
身元が分かる物がなく、携帯電話の使用頻度トップにあった番号に掛けたと言う。
アンヌはカミーユの恋人だったが、秘密にしていた。
電話を掛けて来た警察の係官は新人らしくカミーユを知らなかった。
カミーユは身分を偽り、その事件を自分で担当するように手を回す。
しかし、その夜アンヌの入院する病院にショットガンを持った男が侵入する。
アンヌは男が自分を殺しがっていると怯える。

「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」に続く3部作完結編。








強盗の、謎の男から見て書かれる章もある。
見た目の事件とは違う事は分かるが、かなり複雑な展開。
3部作の完結と言う事で、順番に読んだ方がベスト。
少なくとも「悲しみのイレーヌ」は先に読みたい。
いつになく、あたふたしつつも腹の座ったカミーユ。
カミーユも気持ちもしっかり書かれているので、心の動きを追うのも興味深い。
複雑な事件も、しっかりと意外な結末に。
こんな事になるなんて、始めに読んだ時は思いもしなかった。
それにしても、まずアルマンが死んでしまった事に驚いた。
ケチなアルマン、好きだったのに。
4人いたカミーユもチームも、ルイ・マリアーニだけになってしまったという話も感慨深い。
ルイは今までと同じスタンスで、いつにも増して頼りになる存在にはなっているが。

3部作完結だが、またカミーユ警部と会えるといい。

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