しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ホロコーストの仔羊」 ジャック・クーパー  

2006年01月07日 | 読書
作者の体験に基づく物語。
1932年、ポーランドに生まれたユダヤ人のヤンケル・クーパーブラム。
ヤンケルの母はユダヤ人の隔離。強制収容が始まる前にヤンケルをポーランド人の農家に
預けたので、ヤンケルは収容所に入らずに済む。
しかし、日々ユダヤ人を捕らえる動きが活発になり、匿っていると銃殺され事を心配した農家はヤンケルを追い出す。
ヤンケルは名前を偽り、キリスト教の振りをしながら、農村地帯を転々としながら生き延びる。
ヤンケルはポーランド語を流暢に話し、ユダヤ人らしくない顔だちをしていたのも幸いした。
現在、ヤンケルはジャック・クーパーとして活躍している。

9歳の少年が命の危険にさらされる。自分がユダヤ人と言うだけで。
周りの人達がユダヤ人の悪口を言うのを聞き、ユダヤ人に対する嫌悪が生まれたり、その反対に家族の事を思うと、間違ったとらえ方をされているとも考える。自分がユダヤ人である事を隠している事にも悩む。
戦争で考え方が一方的になっている中で、ヤンケル少年は素直な優しい心で事実を見詰めている。
生きる為だが、正直であろうとして自分がユダヤ人である事を隠している事のも悩む。
ユダヤの神が自分達を助けてくれなかった事を恨み、キリスト教徒になろうともする。
混乱の中で生きている心の動きが書かれている。

これは事実。地球上では、想像を絶する事が行われ、今現在も行われているかも知れない。
事実を知り、少しでも繰り返さない様に、悲しい悲惨な事が起こらない様にしていかなければならない。
みんなが、感心を持っていく事が大事なのだと思う。


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