しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「エンプティー・チェア」 ジェフリー・ディーヴァー 

2008年03月07日 | 読書
リンカーン・ライムは脊髄再生の手術を受けるために、ノースカロライナ州エイブリーまでやって来た。
付き添いは介護士のトムとアメリア・サックス。
そこへ、誘拐事件の捜査協力をパケノーク郡保安官のジム・ベルが持ち込む。
ジムはローランド・ベルの従兄弟で、リンカーンの噂と訪れることを聞いていたのだ。
犯人は16歳の少年、ギャレット・ハンロンだという。
ギャレットは昆虫少年と呼ばれ、これまでも殺人の容疑が掛けられていた問題児だった。
女子大生、メアリー・ベス誘拐の時に、止めに入った少年ビリー・ステイルを殺害した容疑もあった。
慣れない土地での鑑識は陸に上がった魚という言葉を思い出しつつ、リンカーンは誘拐された女性の監禁場所を探る。
ついに逮捕されたギャレットだったがすべてを否定。メアリー・ベスは安全な所に隠していると言いその場所は言わない。
ギャレットを信じたサックスは、ギャレットを留置所から脱出させ一緒に、メアリー・ベスのもとに向う。
その後を追う、保安官たち。
リンカーンはサックスの向う先を推理する。



リンカーン・ライム、シリーズ第3弾。
今回も面白かった。
ニューヨークから離れ、自然の中の追跡劇。
今までよりも銃撃戦が多く、ハードボイルドな要素が前作より多かった感じがするが、サックスが銃の名手だから。
しかし、「ここは誰も信じられない」というライムの言葉通り、最後までドンデン返しが待っている。
ちょっと遊びすぎでは、と思うくらい。
それまででも充分色々あったのだから、もうちょっとすんなり終わってもいいのでは、と反対に思ってしまった。
というくらい最後までどたばたと意外なことが起こる。
昆虫少年のギャレットの存在が魅力的。
途中の展開で、ギャレットを信じていいのかということが、サックスと一緒で、考えてドキドキさせられた。
世の中、昆虫嫌いな人は結構いるようだが、嫌いだからそれに係わる人も嫌悪してしまうというのは、悲しい感情だ。
自分は昆虫も好きだから、ギャレットに対しても好感がもてたのかも。
今回は大変な目にあいながらも、自分で決断して大活躍のサックスが主人公の物語。

タイトルの「エンプティ・チェア」は空っぽの椅子。
心理学で、目の前に空っぽの椅子を置き、誰か特定の人が座っていると思ってその人に語りかける、ということをするそうだ。

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