しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「その鏡は嘘をつく」  薬丸岳

2014年07月03日 | 読書
「その鏡は嘘をつく」  薬丸岳   講談社    

京北医科大学病院の外科医、須賀邦治が、鏡が張り巡らされた部屋で死体で発見される。
須賀は痴漢容疑で逮捕されたが、嫌疑不十分で釈放された。
その8日後の事だった。
検事の志藤清正は、須賀の取り調べを担当していたが、現場の状況と須賀と取り調べた時の印象から、それを他殺と判断する。
警察に再捜査を要求し、その中に夏目信人刑事がいた。
夏目はその時、失踪した大学生、浅川幹夫を探していた。
やがて、浅川と須賀に繋がりが見えて来る。








『刑事のまなざし』の夏目刑事、登場。
シリーズとなると夏目刑事が主人公になる訳だが、これは須賀検事が主人公の様相。
事件だけ考えると、そのままメインは須賀検事でもよかったようだが。
最後まで行くと、やはり夏目刑事の優しさが表に出て来てそうなのだと納得。
同じ物を見ても、感じ方が違う2人を対称として見せた感じ。
夏目刑事の、人に優しい性格がよく表されている。
登場人物それぞれの性格を見せる為だろう、かなり極端な状況も見られる。
そんな事、本当にあるだろうかと。
そして、医師の素質とは。
技術もあるが、人としての性格も大事な要素だと思うが。
技術は無ければ困るが、ただそれだけの人間でも不安も感じる。
浅川が倫理的に許せないと思う気持ちも分かる。
しかし、それに伴う行動はあまり支持できないし、峰岸の行動も同じ。
もっと違う解決方法、自分の気持ちを整理するための行動があったのではないかと思う。
どうもすっきりしない、嫌な後味の物語。

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