しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「お料理名人の事件簿③ クッキー交換会の隣人たち」  リヴィア・J・ウォッシュバーン

2015年09月18日 | 読書
「お料理名人の事件簿③ クッキー交換会の隣人たち」  リヴィア・J・ウォッシュバーン  ランダムハウス講談社   
 The Christmas Cookie Killer        赤尾秀子・訳

フィリス・ニューサムは毎年クリスマス前、近所の人を自宅に招いてクッキー交換会を行う。
その日、隣人のアグネス・シモンズは欠席だった。
アグネスとは30年以上の付き合いで、それなりに親しいが親密と言う程ではない。
1か月前に、アグネスが転倒して腰の骨を折り、出来る限り力を貸してきた。
集まったクッキーを届けた時、アグネスから家族とクッキーを作りたいからクッキー・カッターを貸して欲しいと頼まれる。
家で用意して、アグネスの家に戻ると、そこには着ていたガウン紐で首を絞めらて死んでいるアグネスがいた。
その直後にフィリスは何者かに頭を殴られ気絶する。
誰が80代後半の老女を殺したのか。
フィリスはそれとなく近所の人たちに話しを聞いて行く。
そして思いがけず、それぞれの人が持つ秘密を知って行くことになる。







フィリスは定年を迎えた元教師で、夫に先立たれ下宿屋を営む。
同じ境遇の元教師、キャロリン・ウィルバーガーとイヴ・ターナー、そして1番新しく加わった下宿人がサム・フレッチャー。

素人探偵が犯人を見つける推理物。
下宿人として同居している3人とも力を合わせて、勘よく事件を解決していく。
3作目なので、その状況に何となく慣れた感じが見られる。
隣人たちと言えども、知らないことだらけ。
それはそうだろう。
家族の在り方も色々。
特に家族の事は、表面だけではなにも分からないと、見せつけられる感じ。
フィリスは真っ直ぐに、向かい合って、出来る事は手助けして行く。
そんな態度も清々しくていい。
隣人たちの秘密も沢山発掘しつつ、小さな事に気が付いて事件を解決。
殺人事件を言う大きな事件だけれど、それが近所の人たちの中で特に大袈裟になる事もなく、普通はそうだろうと思わせる展開。
日常の中で、生活に馴染みながらの物語はすんなり受け入れられる。
息子のマイクが警察官なのも、多少力になる。
しかしフィリスの家族だけ、模範的ないい家族なのだが。
このままで行くのかと言う火種が登場したのが気になる。

クッキーの話しを読んでいると食べたくなる。
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