本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

ちょっと気になるアーティスト

2006年03月30日 | 

非日常を見せてくれるアーティストが好きです。
現実が、嫌いなわけではないけれど。
いつもこことはちがうどこかに、
憧れる部分があるのかもしれません。
常識が裏切られる快感も楽しいものです。
正解がひとつしかない世界は、わたしにとって息苦しいのです。

例えば明和電機。その製品の数々には意表を突かれます。
どんなに自分の頭を振っても、そんな発想は出てこないから、
素直にすごいと思います。
ライヴに行きたいけど遠すぎるので、
地道にTV出演をチェックするばかりですが。
パチモクとマリンカが好き!魚コード買いたい!
誰かとこの気持ちを分かち合いたいものです。
(実家にいた時は母もファンだったので。
二人でいいよねーっ!と盛りあがっておりました)
この間、図書館で本を借りたのですが。
『明和電機 ナンセンス=マシーンズ』土佐信道著 NTT出版 2004
製品がもれなくカタログになっていて、各々のテーマが書いてあり、
深い、という印象でしたが、やっぱりいいな、とも思いました。
ま、かたいこと言わずに、お茶の間にもアートですよねっ。

それから、桑原弘明氏のスコープ。
雑誌『MOE』で紹介されており、
その不思議な箱に瞠目いたしました。
手のひらに乗るような小さな箱の中に築かれた、
遠い記憶の中にあるような、懐かしい世界。
綺麗だけど、切なくもあり。
実際に展覧会で見たことは無いんですけど、
大変好みだと思いました。
こちらも本を探しましたよ。
『スコープ少年の不思議な旅』巖谷國士文 桑原弘明作品 パロル舎 2005
箱に付いている顕微鏡のようなレンズを通して見るスコープ内の世界を、
写真という形で覗くことができます。
絶対に足を踏み入れることのできない部屋。
手の届かない神秘的な光景。
光を入れる角度が違うだけで、見える姿も変わり、
物語が秘められた情景に時を忘れてしまいそうです。

ムットーニ。
昔、北原照久氏の連載コラムか何かで、
現代的な自動人形(オートマタ)の存在を知って、
感心しつつ、それきり忘れていたんですが、
『MOE』の特集を読み、はっ!と思い出しました。
こういうの好きだったんだよね~。
「たけしの誰でもピカソ」がリアルタイムで放送されない地域だったので、
そこで見た覚えはないのです。残念。
もっと早く出会っていれば…という後悔は往々にしてありますよね。
この場合も、見逃した代わりに、
ちょっとでもその作品世界に触れられるかしら、と本を読んでみました。
『ムットーニの不思議人形館』武藤政彦 工作舎 1993
『ムットーニ おはなしの小部屋』武藤政彦 平凡社 2002
『ムットーニ・カフェ』武藤政彦 工作舎 2000
写真だから、オルゴールの音は聞こえないし、
リアルな動きも分からないけど、
作品世界や登場人物の設定などが書いてあり、
一層この目で作品を鑑賞したくなりました。

映画『耳をすませば』で雫が思い描いた物語の背景、と言えば、
ご存知の方も多いでしょう。
イバラードの井上直久さん。
図書館で画集を見かけて以来、ずっと気になっていたのですが、
紀伊国屋に行った時、
そんなに欲しいなら買えばいいのに~と夫が勧めてくれたのです。
(彼は『耳をすませば』&『天空の城ラピュタ』ファンです)
『ここが、その街』井上直久 架空社 2003
淋しいけどぐっと引き込まれる、ブルーの色使い。
時々眠る前に眺めます。
夢の中にこの街が現れないかなぁ、と期待して。
幻想的な浮島、ラピュタが素敵なんですよね。
めげゾウには何となく共感。わたしの心の中にも一頭いるのかも。。。

クラフト・エヴィング商會も、大人に夢を抱かせてくれますよね。
本当に細かいところにまでこだわって作品を制作しているから、
愉快なくらいリアリティがあります。
クラシカルでお洒落だけど、ごく普通のお店に入って、
何気なく奥の扉を開いたら、
あら別世界じゃないの!というような。
日常のすぐ隣にある不思議空間、なのです。
『らくだこぶ書房21世紀古書目録』クラフト・エヴィング商會 筑摩書房 2000
本好きにはたまらない書物です。
この世のどこかにひそんでいる謎めいた奇書を探しに、
古本屋めぐりがしたくなります。
『どこかにいってしまったものたち』クラフト・エヴィング商會 筑摩書房 1997
唯一持っている本です。
熟読と言うより、たまに取り出してはビジュアルを楽しみ、
文章をさらりと読んで遠くを見る、という感じです。
『じつは、わたくしこういうものです』クラフト・エヴィング商會 平凡社 2002
これは一番好きですね。
本の中で架空のお仕事が紹介されていますが、
その職業従事者の談話が面白くて、
あるかもしれない、あったらいいな♪とわくわくしてしまいます。
“シチュー当番”を読んで以来、
真夜中の図書館への憧憬を深めるわたしです。
大金持ちの読書家が、ある日私財を投げ打って、
夜型人間のために図書館を作ろうという気になったら、
わたしのことを思い出してくださいね。
コーヒー当番でもシチュー当番でも致します。
深夜の書架整理が、天職だと思うのですよ。ええ、本当に。

   ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 

わりとメジャーな作家さん好みだと自分では考えているのですが、
どうも夫とは共有しきれないところであります。
理屈っぽい彼は、感覚的に物事を捉えることが苦手らしく、
想像してみて、と言うと目が泳ぐのです。
論理的思考の持ち主なので、感性の生きものである妻とは、
まるで土星人と火星人の結婚。
このアーティストが好き♪と本を抱えてほくほくしていると、
とても不思議そうな顔をされます。
お互いの嗜好には干渉しないので気楽ですが、
たまには夫の考えていることも理解したい。
そう思って、
「普段ボーっとする時、何に思いをはせているの?」
と聞いたら、
「別に、なーんにも考えてない」との返事でした。
むむ。



ランキング参加してます。
よろしければ1日1回ぽちっと押してください♪