英国のウイリアム王子の妻キャサリンさんが男の子を出産した。日本でも関心が高まっていた話題だ。関心が高まるといえば、これを機会に少し英国のことを勉強して学ぶべきことは学ぶチャンスではないか?などと考えている。と偉そうに書き出したが、私は英国については全くの門外漢。30代中頃は仕事で年に4,5回出張していたが、それ以来すっかりご無沙汰である。
「英国に関心を払ってはどうか?」といった背景は二つある。一つは昨日テレビのニュースを観ていたら、町の人から「男の赤ちゃん、女の赤ちゃんどちらを期待していますか?」と声をかけられたエリザベス女王が「どちらでも良いわよ」と答えたシーン。
英国では2011年に王位継承法が改正され男女にかかわらず長子が承継することに改正された。もちろん長子承継に変わったから女王が「どちらでも良いわよ」と言った訳ではないだろうが(子供はすべて可愛いから)、女王はじめ英国の人が新しい承継者の誕生にホッとしたことは間違いないだろう。出産の高齢化や少子化が進む中で男女を問わない長子承継を決めた英国の知恵に学ぶところはあるのではないだろうか?
もう一つの背景は7月6日付のダイヤモンドで読んだ櫻井よしこさんの話。櫻井さんは英国公使のジュリア・ロングボトム氏から「(歴史認識問題について)中国の印象が正しいという印象が母国でも強かったのは事実です。しかしそれは微妙に変わりつつあります」という話を聞いている。
そして櫻井さんは「英国の微妙な変化は、情報の死活的重要性に気づいて発信し始めた安倍政権の世界戦略を奨励するものとみてよいだろう。そもそも日英両国には多くの共通点がある。島国、誇り高い文明、倫理観と慎み深さ。日本の主張に少し、耳を傾け始めた英国との絆を深めていく好機である」と結んでいる。
情報発信といえば、参院選の自公勝利の後、中国と韓国のメディアから安倍政権で日本の軍国主義化が強まるといった発言が流れているが、英国のBBCはさすがに冷静な見方を示していた。
BBCは「中国、韓国は安倍内閣が第二次大戦の戦争責任の見直し、憲法改正を推進し、島嶼問題でもっと好戦的になるのではないか?と懸念を示しているが、現実はもっと平凡でドラマチックなものではないだろう」と述べている。BBCは安倍内閣がまず国内の経済問題に集中すると予想しているからだ。
英国の一つの強みは世界的に影響力を持つクオリティの高いメディアを持っていることだ。そのメディアの共感を得られるような、論理的で明快だけれど慎み深い主張を続けていくことが必要だろう。