今朝(5月23日)の読売新聞はフィッチによる日本国債の格下を一面で取り上げていた。一方日経新聞は5面で小さく取り上げていた。この違いを考えると面白い。日経の取り上げが小さいのは、格下が国債市場等金融市場に与える目先の影響がほとんどないという判断からだ。FTは野村證券のチーフストラテジストの「国債に関する限り、格下は雑音、しかも比較的低レベルの雑音にすぎない」という言葉を紹介している。
実際午前の市場を見ていても影響はほとんどないようだ。
一方読売が一面で取り上げたのは、消費税の引き上げを後押ししよう、少なくとも消費税の問題にフォーカスしようという発想だ。日本の国債発行残高のGDPに占める割合はこのまま行くと今年年末には239%に達すると予想される。これはOECD諸国の中では飛び抜けて悪い。当該比率は2008年以降61%も悪化している。リーマンショック以降OECD諸国軒並み悪化しているが平均は39%だから、日本の悪化振りは際立っている。
財政再建に直ぐに取り組まないと大変なことになる、というのは格付機関でなくても、健全な市民であれば大いに懸念するところだ。だが国会議員の中には消費税引き上げに反対を唱える人がいる。彼等に対する僕の率直な疑問は「消費税を引き上げないで財政健全化を図る具体的な筋道を示して欲しい」ということだ。
財政破綻という狼は今年中には来ないかもしれない。あるいは来年も。だがこのまま放置しておくと必ず来ることは間違いない。
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