遠交近攻策とは遠方の国家と同盟して、近隣諸国と対決する外交戦略で、その出典は中国の古典「戦国策」である。遊説の士・范雎(ハンショ)が、秦の昭王(前306-前251、始皇帝(前246-)の三代前)に説いた言葉で、秦はこの外交戦略を国是として採用し、天下統一を成功させた。
さてここで「遠交近攻策」の話を出したのは、今こそ日本がインドとの関係を改善して、中国に対し強い姿勢が取れる~対立すると言うわけではない~足元を固めるべきだからだ。
中国とインドは長く政冷経熱状態が続いていたが、先日温家宝首相がインドを訪問し、経済協力や国境問題解決に向けて広範な合意を行った。
今や中国は南方の憂いをある程度減らし~つまり中印関係が一直線に改善するとまでは思わないので~、日本に高圧的態度を取る態勢を整えつつあるということだ。
日本もこれに対抗するためには、インドとの関係を強化する必要があるだろう。
さて日印関係である。日本からは3月に安倍幹事長代理が先月インドを訪問し、天然ガス開発についてインドのシン首相と大筋の合意を見ている。これは今月末に予定されている小泉首相のインド訪問の先駆けをなすものだ。
東京財団のホームページにインドの新聞などでは日中関係の現在を紹介し、経済発展する中国は日本をアメリカの戦略のなかに閉じ込め、日本独自の活動を押さえ込もうと意図している、と論じている。鋭い見方である。ロシア、インドと国境策定を確立していく中国が、唯一、日本とは尖閣列島などで対立を深めている。日本への囲い込みが意図されていることは明らかなのである。
日印が強力な関係を結ぶことは、必ずしも平坦ではない中国との未来への大きな圧力になることを日本人は理解すべきである。
ホームページはこちら ↓
http://www.tkfd.or.jp/news/india/36_20050330_1.shtml
という一文が出ている。
今こそ日本はインドとの関係を強化する遠交近攻策を取るべきだろう。
インドのAsian Age紙などでは、「米国が形を表しつつある中国-ロシア-インドの同盟に対抗するため、米国-日本-インドの戦略的同盟を促進しようとしていると信じられている一方で、日本は日印関係の促進と、一般に言われている米国の日本に対する影響との間の関連を打ち消そうと躍起である。」などと書いていました。
旧英国領だけに、鋭い見方をしていますね。