Some college?「ある大学」?文脈によってはそんな意味で使われるかもしれない。だが次のように並べられた場合はどうだろう。
High school or less, some college, college graduate 高卒またはそれ以下、?、大卒
ご推察のとおりsome collegeは「大学中退」という意味である。調査機関ギャラップは、2010年1月から11年1月の1年間の学歴別失業率の変化を発表しているが、その中にsome collegeという表現が出ていた。それによると、「高卒またはそれ以下」の完全失業率は15.4%(10年)から13.6%(11年)と1.8%改善。「大学中退」は10.9%で変わらず。大卒は6.4%から5.8%に0.6%改善。大学院卒は5.0%から3.8%に1.2%改善。
また不完全失業率(フルタイム雇用を希望しながらパートタイムに従事している人などを失業者に加えた失業率)を見ると、「高卒またはそれ以下」は26.7%から24.7%に2%改善。「大学中退」は20.9%から21.9%へ1.0%悪化。大卒は12.2%から11.5%に0.7%改善し、大学院卒は10.2%から8.8%に1.4%改善している。
この調査結果について、ギャラップは「高卒以下の失業率が改善しているのは、輸出・工業振興策がある程度成功していることを示唆している。しかし絶対的な失業率の水準で較べると、米国においては教育レベルが高い程失業率は低くなっている。金銭的な理由で大学を中退する人に何らかの支援が必要だ」と述べている。少なくともこの調査を見る限り米国では、就職面から教育にお金をかける意味があるということになる。
日本についてはどうかというと総務省の労働力調査(2009年)から引出した数値を見ると、「15歳から24歳」の階層では、「高卒以下」の失業率は14.2%、「短大・高専」が5.9%、「大卒以上」が8.0%となっている。「労働力調査」は大卒と大学院卒の区別をしていないが、巷の噂では大学院を卒業しても就職面で有利となることは少ないようだ(学部によって違うだろうが)。
なおSome collegeはdropout(中退)よりもずっと響きが良いし、不本意ながら学業を中断した人への思いやりがある。またleave college without a diplomaのようなくどくどしさがない。気の利いた表現だと思った。
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