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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【イディオム】Digital natives デジタル社会がインフレを抑制する

2016年09月15日 | 英語・経済

Nativeとは「生まれつきの」「その国に生まれた」という意味でNative speaker というと母国語を話す人という意味だ。

Digital nativesとはインターネットやパソコンのある世界で育ってきた若者を指す言葉で、概ね1980年代後半から2000年くらいに生まれた世代を指している。CNBCのインタビューにHSBCのエコノミストは次のように答えている。

「IT技術に熟達したデジタル・ネイティブ世代の台頭によって、さらにインフレ率は低下する可能性がある。現在この世代の構成割合は8.6%だが、2050年には全世界の5割に達するだろう。タクシーの配車サービスのウーバーがタクシー料金を下げ、アマゾンが本の価格を下げる。そして人々がもっともっとIT技術を消費に活用するようになると物価をさらに押し下げるだろう。もしIT技術革新が低インフレの原因であるなら、中央銀行がインフレ退治のために低金利政策を取るというのは正しい答でない可能性がある」

IT技術やインターネットを利用して、少しでも安いものを手に入れようとするのは若者だけではない。おじさん世代も旅行する時はExpediaやBooking.comを使って少しでも安い航空便やホテル料金を探すようになっている。

私が見たところでは、同じホテルの室料でも利用する旅行代理店(オンライン)によって違うことが多い。Booking.comは各旅行代理店の提示料金を一度に示すサイトだから最安値を簡単に見つけることができる。

おじさん・おばさん世代になってから、IT技術やインターネットを利用するようになった人のことをDigital Immigrant(デジタル移民)というそうだ。

実社会の移民については色々な議論があるが、デジタル移民に関しては反論する人はいないだろう。おじさん・おばさん達も積極的に移民になろう。

ところで身の回りの友人・知人などを見ながら、デジタル移民化する人と移民化しない人の違いについて考えてみた。私の年代(60代半ば)の人で会社勤めを経験した人はほぼ最低限のデジタル化はできている。つまり会社で電子メールや交通費等のネット請求が普及する時代に会社生活を送ったからデジタル化の基礎技術は持っている。

しかしSNSの利用あたりになるとかなり差が出てくる。その差は何に起因するのだろうか?

まずデジタル移民する人は「新しもの好き」だ。好奇心がある。次に「多少目立ちたがり屋」だ。自分がどこに行った、どこで美味しいものを食べている、ニュースについてこんな風に感じたということを発表したがる。

そして概ね「活動的」だ。旅行好きの人は少しでも安いホテルを探すため、インターネットサイトを活用する。非デジタル移民が総て非活動的だとは思わないが、私の周りを見るとデジタル移民の方が総じて活動的である。

「新しもの好き」(好奇心が強い)「多少目立ちたがり屋」(自己主張がある)「活動的」といった行動特性は概ね人生を楽しくする特性と考えてよいだろう。

そしてそれらの特性は概ね企業社会や非営利的な社会活動において求められる特性なのである。もっとも過度の目立ちたがり屋は目障りだが。

 

 

 

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