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北朝鮮潜水艦のミサイル発射、まだ恐れる必要はないが日米韓の対潜哨戒能力の強化を

2016年08月25日 | ニュース

昨日(8月24日)北朝鮮が潜水艦から約500kmのミサイル発射実験を行ったことは、各方面にショックを与えている。昨年行われたミサイル発射実験が事実上失敗に終わったのに比べてかなり進歩したと考えられるからだ。

だが潜水艦からのミサイル発射については、発射技術のみならず潜水艦の能力についても見ておく必要がある。保有している潜水艦の数では北朝鮮は約70と日本の26を大きく上回っている。ただしその大部分は旧ソビエト時代の時代遅れのもので、弾道ミサイルの発射には使えないと考えられている。今回のミサイル発射実験につかわれたのはCorae(朝鮮語でクジラ)型と呼ばれる2千トン級の潜水艦(旧ユーゴスラビア型)だろうといわれている。

北朝鮮の潜水艦艦載ミサイルが軍事的に見て「真に恐るべきものであるかどうか」はこのCorae型潜水艦の質と保有数にかかわっている。Corae型はデーゼル・エレクトリック型エンジンで潜航時間に限りがあり、追跡は容易であるといわれている。つまり北朝鮮が本格的な非大気依存推進型の潜水艦(典型的には原子力潜水艦)を実装しない限り、軍事的な脅威はそれほど高くないのではないか?と私は判断している。

ただ日韓が協力して北朝鮮の潜水艦の動きを把握しておく必要は高まる。北朝鮮の潜水艦ミサイル発射実験は結果的に日米韓の防衛面の連携を強めることになるだろう。体制哨戒の経験と能力では日本が優れているから日本に対する期待は高まるはずだ。このことは日本が更に軍事予算を増やさざるを得ないことを意味する。必要以上に恐れることはないが、頭の痛い問題であることは間違いない。

 

 

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