アメリカのマスコミだけでなく、世界のマスコミが注目しているのが今日フロリダ州ボカラトンで行われる予定のオバマとロムニーの最終テレビ討論だ。今回の討論では外交問題が中心になると言われているが、米国人の外交問題に対する関心度は、経済問題や財政赤字問題に較べるとはるかに低い。従って投票者は具体的な外交政策の違いで、大統領を選ぶというよりは、どちらが大統領にふさわしいか?という点で二人の直接対決を見るだろうという思われる。
もっとも外交問題については現職のオバマに分があると判断されているようで、CNNの調査によると今日の討論は6割がオバマの勝ちと見ていて、ロムニーが勝つと判断している人は2割だ。
ついでにいうと将来の出来事は何でも賭けの対象になるようで、大統領選挙の結果も賭けの対象である。
Intrade prediction marketという将来の出来事に対する予想を賭ける市場によると、オバマの勝率は60%、ロムニーの勝率は18.5%となっている。この数字は両候補が拮抗しているという世論調査の数字と随分かけ離れて見えるが、州別の選挙人の数を積み上げた調査結果とは整合しているようだ。
ニューヨーク・タイムズはFive Thirty eight (538は選挙人の数)Forecastという調査を発表しているが、それによるとオバマは過半数を上回る289.7名の選挙人を確保し、ロムニーが獲得する選挙人は248.3名に留まるということだ。
ロムニーの選挙戦略は「この選挙は過去4年間のオバマ大統領のパフォーマンスに対する国民の信任投票だ」というスタンスだった。ギャラップの「米国で行われていることに対する満足度調査」では、満足している人が3割で不満を持っている人が2/3もいる。満足度の過去の平均値は37%だから、過去の傾向からみるとオバマ政権に対する評価は高いとはいえない。とはいうものの現職が負けた二つの選挙~ジミー・カーターの時は満足度19%、父ブッシュの時は22%~の時よりは高い。ギャラップは現状に対する満足度から選挙結果を予想するのは難しいと述べている。