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米下院トランプ大統領非難決議、与党議員の一部も賛成投票

2019年07月17日 | 国際・政治

昨日(7月17日)米下院は、トランプ大統領が白人でない女性議員を念頭に、「アメリカが気に入らないなら出ていけばよい」という趣旨の発言をしたことに対し、「人種差別発言だ」とヒートアップして、大統領非難を決議した。下院は野党民主党が優勢だが、上院は与党共和党が優勢なので、上院では非難決議は否決される見込みだ。

非難決議賛成者は240名で反対者は187名。240名の賛成者の内235名は野党民主党で4名は与党共和党で1名は独立系議員だった。

ニュース自体は日本語でも流れているので詳述しないが、私が注目したのは与党議員4名が共和党下院のリーダーに反旗を翻し、トランプ発言を人種差別発言と非難した点だ。

現時点で4名の議員がいかなるバックグラウンドでトランプ非難に回ったのかは知らないが、米国の議員は個人の是々非々の判断で投票する一例を見たようで興味深かった。なお「個人の是々非々の判断」といったが、より正確には自分を選んでくれた選挙民の判断を尊重して投票するという方がより正確だろう。選挙民の意向を尊重しない議員は選挙で痛い目に合うからだ。

日本では各党の党議拘束が強く、議員が個人の判断で投票するケースは少ない。

日本ではまもなく参院選挙投票となる。選挙公報や政見演説の公約をベースに投票することになるが、6年間の議員任期の間には当然選挙時点では、想定されていなかった問題がでてくるはずだ。しかしその時に議員が自分を選んでくれた人の意見を聞き、それを代弁するという動きを取ることは少ないのではないか?

日本でも党議拘束を緩めて、議員がもっと選挙民の意向を尊重しながら自由な投票を行うように変わると政治に対する関心がもう少し高まるのではないか?と感じた次第。

もっとも仮に党議拘束を緩めても、政治や政治家に対する信頼が大幅に改善することはないだろう。日本より自由な投票を行っているアメリカでも政治家への信頼は決して高くないからだ。

 

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