金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

金正恩は合理的行為者~CIAの見解

2017年12月06日 | ニュース

WSJはWhy the U.S.consider North Korea's Kim a 'Rational Actor'というタイトルの記事で、現在米国の情報機関や軍部が北朝鮮の金正恩が「合理的行為者」であると位置づけたと報じている。

この記事の中には現在北朝鮮を訪問中のフェルトマン国連事務次官の件は言及されていない。しかし同じ文脈の中で理解するべき話だろう。

つまり米国の安全保障問題の中枢部の連中が「金正恩は合理的な行為者なので、対話の余地があり~今年の9月に北朝鮮から政治対話をしたいという提案があった~国務省出身のフェルトマン氏が北朝鮮に出向いた」という文脈だ。

うがった見方をすると「金正恩は合理的行為者」というのは一種のおだてで、我々はあんたを合理的な行為者と考えているから、暴挙にでないで話し合いに応じてちょうだい、という誘いともいえる。

米国の情報中枢部が金正恩を合理的と判断する理由は「トランプ大統領の訪中時にミサイル発射実験を見合わせていたこと」や最近軍備増強に動いていないことにある。

記事はある米高官の「核兵器実験のために北朝鮮人民を飢餓に陥れることは合理的とはいえない」「しかし核兵器が金政権の生き残りのために極めて重要なものだと信じるとすれば、ミサイル・核実験もそれ程非合理な行為ではない」という言葉を引用してた。

金正恩が合理的行為者であるかどうかの当面のリトマス試験は、国連事務次官への対応なのだろうか?

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銀行で自動化が進まない理由

2017年12月06日 | 金融

昨日から日経新聞が「もう『メガ』じゃない」というタイトルで銀行の過剰な従業員や店舗数の問題について連載を始めた。

今日の記事では「訪問する企業の信用情報、プレスリリース、過去の新聞記事の収集はRPA(ロボテクス・プロセス・オートメーション)が手作業を代替してくれる」と書き、テクノロジーがムダの棚卸しを迫ると結論付けていた。

そのとおりなのだが、銀行側から見ると「情報の自動収集」などの実践には中々難しい面があるのではないか?と私は推測している。

RPAなどという難しい言葉は別として、私も「情報の自動収集」を行っている。手段の一つは「グーグルアラート」にウエッブサイトで知りたい情報(たとえば相続など)を登録しておく方法だ。また日経新聞のMyニュースも活用している。そしてこれらの情報を多少整理して、エバーノートに保存している。そのエバーノートを仲間と「共有設定」すると簡単に情報が共有できる訳だ。

この程度のことは銀行員であれば、百も承知のはずだが、組織として実行するのにはハードルがある。それは「銀行内部からウエッブサイトにアクセスしたり、取り込んだ情報を共有するにはかなり制限がある」ということだ。

つまり銀行は膨大な顧客の情報(預金残高や借入残高というのもコンピュータ上情報である)を閉鎖システムの中に保有しているので、オープン系の情報網が併存すると流出してしまう可能性が高いからだ。

たとえばエバーノートのデータ取り込み力はかなり強いので、コピー&ペーストで他のシステム上のデータを簡単に取り込むことができる(銀行システムで試したことはないが)。

強固に構築された銀行のオンラインシステムという仕組みは、オープン系の情報システムと馴染み難い面を持っているのだ。

この辺りの問題をどう解決していくか?ということが、銀行が情報化社会にキャッチアップできるかどうかの一つのポイントだろう。

話は変わるが昨日私が庶務を担当している某団体の用事であるメガバンクの窓口を訪ねた。それは某会館の使用料を払い込むという用事なのだが、某会館は自分専用の振込用紙を紙で交付していて、そこに銀行の収納印を押して返送を求めている。

こんな用事がないと銀行の窓口に行くことはないのだが、久しぶりに行くと行員(といってもアルバイトまたはテンポスタッフ)が他の顧客の対応に手間取りかなり待たされた。

ここで思うことは、銀行ユーザ側も変わっていく必要があるということだ。専用の振込用紙を窓口に持って行くなんて時代遅れも甚だしい。

そのために私のようなユーザや他の顧客、行員が多くの時間を無駄にしている。

顧客側も積極的に銀行の事務処理の自動化に協力するべきなのだ。そして銀行は自動化に協力的な顧客にもっと優遇策(手数料を割り引くとかポイントを付与するなど)を取るべきなのだ。そこに力強く踏み込めるかという本気度に銀行が自動化を進めることができるかどうかがかかっている。

 

 

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