株式投資を行っている個人投資家の方の多くは、年初来続いてきた株高が一服する時期が近いと感じられているのではないだろうか?
米国には「サマーラリー」というアノマリー(経験則)があり、7月初めから9月初めにかけて株価が上昇すると言われているが、今年についていえば、サマーラリーが始まる前に株価はすでに相当高いところに達している。
昨日の米国株は日中トランプジュニアのロシア関与メール問題が報道された時に一時100ポイントほど下げたが、その後値を戻し、ほぼ前日並みの水準で引けた。
市場は今日行われるイエレン連銀議長の下院金融サービス委員会と明日行われる上院銀行委員会での証言と質疑に注目している。
民主党議員は雇用回復がマイノリティに行き渡っていないとして、早期の利上げに反対の姿勢を示しているが、統計的にはヒスパニックなどマイノリティの効果改善は著しく、民主党の意見が連銀に届くかどうかは分からない。
共和党は前から連銀の債券購入は削減するべしという意見なので、債券購入削減プログラム削減の具体策の提示を要求しそうだ。
ところで来年早々に任期を迎えるイエレン議長については、トランプ大統領が再任しない方向で動き始めているという観測も出始めている。
イエレン議長の証言内容によっては、連銀の金融緩和からの転換姿勢は明確と市場が判断して、長期金利が上昇して株が売られるという局面が予想される。
私は若干ながら米国のインデックス投資(ETF)を現金化してキャッシュポジションに移した。長期的に米国のIT銘柄やグローバルに展開している消費関連銘柄が成長を続けるという見方は変えていないが、株式全体では少し値を下げる局面が近いと感じている。ただし大きなコレクションは起きないと楽観的に考え大幅なアローケーションの見直しは行っていないが、キャッシュポジションを高めるということは、大きな下げ相場では買いに入る余力を高めることができると考えている。なお日本株については米国株よりボラティリティは高いと思っているので、狙いを定めた銘柄以外は引き続きエクスポージャーを下げる方針である。