金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「500円でわかる」はいい本だ

2007年12月15日 | デジタル・インターネット

私のブログに時々「インターネットにつながらない」という検索からアクセスがある。無線LANについてエントリーしたことがあるので、その記事が閲覧されているのだ。多少ネタかぶりながら、家庭内無線LANのテキストブックとして再度「500円でわかるLAN」(学習研究社)をご紹介しよう。

500lan

最近会社で古くなったWindows2000対応のラップトップパソコンを更新することにして時価で希望する社員に販売することにした。当事者として応募者が多い場合は申し込まない予定だったが、応募者が少なかったので1台購入した。使用目的はメールとブログを中心としたインターネットへのアクセスである。書斎にはデスクトップを置いているが、これは写真現像・整理などに使っているのでやたらと立ち上がりや動きが遅くなっている。そこで8千円で購入したこのパソコンには必要最小限のアプリケーションしかインストールしないことにした。

今日PCデポでBuffaloのLANカードを3千円弱で購入して、無線LANに接続した。LANへの接続は5分位で終了したが、新しい(といっても中古なのだが)パソコンをネットワークの中に取り込み、ファイルやプリンターを共有するにはパソコンに名前を付けたり、再起動を繰り返したりで少し時間がかかった。この時役に立ったのが「500円でわかるLAN」である。この本は以前別のパソコンで無線LANネットワークを構築した時買ったものだが、今回も役に立ったので再度ご紹介する次第だ。

ところで一世代前のパソコンでもサクサクとネットサーフィンが出来る。古いパソコンも使い方次第ではお値打ちかもしれない。もっともどう活用するかは明日以降の課題なのだが。

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サブプライムと日本のバブル

2007年12月15日 | 金融

エコノミスト誌は現在のサブプライム問題による信用収縮と日本のバブル崩壊の
共通点と相違点を論じていた。日本では商業用不動産、米国では住宅関連という違いはあるが、共通点はどちらも不動産関連のバブルという点だ。
また三菱UFJの内田チーフエコノミストによると「両方のバブルは金融の実験と安易な信用供与により膨らんだ」という。日本のバブルは米国から金融自由化の促進をとデリバティブの普及がバブル拡大に油を注ぎ、アメリカの場合は住宅ローンの証券化とSIVの普及に連銀の安い資金を供給したことで火が着いたということだ。

私はバブルを「モノの燃焼」に例えて考えている。モノが燃えるためには熱・支燃物・酸素の3要素が必要だ。これをバブルに置き換えるならば熱は「投資家の熱狂と過信」、支燃物は「不動産などの投資対象」、酸素は安価で豊富な信用供与だ。

アメリカは日本の銀行が担保価値を信じて土地融資を行ったことを批判したが、十分な収入のない人に住宅ローンを融資したサブプライム問題は同根である。

次に違いを考えよう。エコノミスト誌は米国は日本に比べてはるかに迅速に対応策をとっているという。
この対応の違いがあるので、共通点の比較など意味が無いとまでいう人がいる位だ。少なくとも1994年まで日本の当局は銀行と示し合わせて問題債権の大きさを隠そうとした。日本の銀行が真剣に不良債権の処理を行ったのはバブル崩壊後
12年経過してからである。
というようにエコノミスト誌は日本の不良債権処理プロセスに手厳しいが、日本の銀行が総て不良債権隠しをやっていた訳ではない。
不良債権の償却制度などが、思い切った損失の実現を認めなかった点まで言及して欲しいものだと思う。

これはエコノミスト誌は述べていないことだが、もう一つに違いをあげるならばサブプライムローンで大きな 損失を被る銀行が続出する中で数は少ないが、健闘した金融機関があるということだ。それはゴールドマンとリーマンブラザースである。もっとも日本のバブル期でも損失が少ない銀行はあった。東京三菱、現在の三菱UFJである。ただ彼等はスキルや予見能力でバブルを避けたのではない。彼等は幸運にもバブルに乗り遅れたから被害が少なかったのである。

これに比べてゴールドマンやリーマンブラザースは、サブプライムの積極的なプレーヤーだったが、ヘッジを効かせたことや他の収入源でサブプライムの痛手を緩和した。昨日リーマンブラザースが投資銀行の先頭を切って第4四半期の業績を
発表していた。利益は886百万ドルで前年同期の10億ドルは下回るものの、市場予想は上回っていた。サブプライムに関する損失は35億ドルあったもののヘッジで20億ドル、レバレッジドローンの販売で320百万ドル、会計上の利益320百万ドルで相殺を行っている。

サブプライム問題が何時終息するかは分からない。幸いなことに比較的短期間で終息する時があれば海外のメディアは「日本のバブルとの最大の違いは後始末に要した時間だ」と書くだろう。ただし今の時点では楽観視はできないと私は思っている。



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