金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

写真VSPhotograph

2006年02月05日 | 写真

最近写真に関する本を良く読む様になった。これはある本で読んだことの受け売りだが、日本人は写真について「写真」という一種の誤訳に縛られているという。というのは写真は英語ではPhotographフォトグラフである。その意味は光Photoの絵Graphでどこにも真を写すという言葉は入っていない。しかしフォトグラフを写真と訳した時以降日本人は写真は対象を正確に写すものでなくてはならないという架空のドグマに陥ってしまった様である。

そもそも対象を正確に写すとはどういうことなのだろうか?見えるままに写すということであれば、花の撮影などで使われるボカシ(レンズを開放して被写界深度を浅くし背景をぼかす撮影方法)は真実を写していないのではないか?デジカメのレタッチ(撮影した画像のパソコンによる修正)はどこまで許されるのだろうか?等色々な疑問が出てくる。

次の二つの写真は今日昭和記念公園から富士山を撮ったものだ。

Fujisann2

Aohuji

上の写真はホワイトバランスを色温度6000k(曇天用)にして撮ったものでほぼ昼時の光景に近い。下の写真はホワイトバランスを色温度3600k(電球用)にして撮ったものである。色温度は低くすれば青みがかり高くすると赤みがかる。つまりホワイトバランスを積極的に使って情景を強調することができる。上の写真の方が昼時の富士としては事実に近い。しかし富士の清澄な雰囲気を伝えたいというのであれば下の写真のような色調(例示した写真は極端だが)を使うこともあるだろう。

スナップ写真の様な単なる記録は別として風景写真と呼ばれるものは撮影者がその写真で何を表現したいのか?というテーマが重要だと言われる。そのテーマを強調するために無駄なものを省き(つまり写さない)、主題に焦点を当て、時には色の強調を行うといったことが風景写真では行われる。つまり単に眼に見える風景を写しているのではなく自分が人に伝えたい情景を大きな風景から切り出すのが風景写真というものなのだろう。

今我々はデジタル一眼レフという極めて業が多彩で描写力に富む道具を手に入れた。事実を伝えるだけなら撮影に失敗することも稀だろうし業を使えば色々な画像を生み出すことが可能になった。それ故かえって何を伝えたいのか?というテーマが問われる時なのかもしれない。写真の真という言葉は事実を意味するのではなく、その背景にあり我々に感動を与える自然の命とでも言えば真を写すという言葉が生きてくるのかもしれない。そして光=自然の命とすれば写真はあながちphotographの誤訳ではないかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和記念公園の冬

2006年02月05日 | まち歩き

日曜日の午前中昭和記念公園に蝋梅と福寿草を見に行くことにした。ワイフは昼前後スポットで仕事に出るというので一人で写真機材を担いでいく。車が昭和記念公園に近づくと富士山が真近に見えた。下の写真は公園のみんなの広場あたりから撮ったものだ。

Fujisan 左手の稜線に雪煙が上がっている。風が強くてもの凄く寒そうだ。

福寿草と蝋梅は「小鳥の池」から「みんなの広場」に向かう途中にある。福寿草と蝋梅の看板が出ているので割に簡単に見つかるだろう。因みに昭和記念公園の地図はこちらへhttp://www.showapark.jp/map/index.htm

蝋梅より細かい品種名で言えば素心蝋梅(ソシンロウバイ)の黄色い花はまるで蝋細工のようにつやつやしている。

Sosinroubai

蝋梅に下には福寿草が咲いている。

Hukujyusou

福寿草は落ち葉を割って咲いているので背景(落ち葉)が冴えない。雪を背景にすると綺麗なのだがタイミングが合わない様だ。

ところで先週会社の人達の間で何故冬には福寿草や蝋梅あるいはマンサクなど黄色い花が多いか?ということが話題になった。これについてはまだ調査中なのだが、現時点で僕はカロチノイド(黄色い色素)と寒さの関係があるのではないか?と考えている。例えばイチョウの葉は夏の間は緑だが秋になると黄色くなる。イチョウの葉はクロロフィルとカロチノイドを含んでいるが、緑の色素であるクロロフィルは寒くなると急速に分解され残ったカロチノイドのため黄色い色になるという。つまりカロチノイドは寒さに強い色素ではないか?というのが現段階での僕の推論である。

さてみんなの広場を歩いているとハクセキレイに出会う。

Sekirei2

セキレイは余り人を警戒しないのか近寄りやすい鳥なのでアップで写真を撮り易い。

さて目を西の方、奥多摩の山に向けると顕著に山頂部を突出させた山が見える。大岳山だ。Oodakesan

山頂部の突起が目立つ山なので奥多摩の山を見る時指標にし易い山だ。因みに江戸時代は江戸湾を航行する船がこの山を航路の指標にしていたという。

公園内の日本庭園まで来ると早咲きの梅が咲いていた。

Ume

日本庭園から野鳥の池に向かうところに赤い実がなっている。木の幹を見ればイイギリという札が下がっていた。

Iigiri 冬の昭和記念公園は余り見るべきものはないということで来園者も少ない。しかしカメラをぶら下げて2,3時間歩いてみるとそれなりに面白いものを見ることが出来る。やや強くなった日差しは春が近いことを予告している。そういえば昨日立春だったなどと思いながら僕は公園を後にした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする