金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

高山に秋近し

2005年09月25日 | まち歩き

9月の3連休の中日は高山にいた。前日乗鞍山麓五色ケ原を歩き、この日は高山を散策して帰京した。私にとって高山の町は約30年振りである。正確に言うと前回高山に来た時宿屋でモハメッド・アリとジョージ・フォアマンのボクシングの試合を見ていたことを今でも覚えている。調べてみると試合があったのは1974年10月のこと。実は私はこの時手強い岩壁を連ねる滝谷を遡行するため新穂高に向かうところだった。滝谷の記憶は遠くなってしまったが、高山のことはアリの記念すべき試合とともに心に残っていた。高山の街並みが昔と変わらないたたずまいを保っていることがすぐ分かり僕は本当に嬉しかった。

jinnyanoasagao 高山で目に付くものの一つは朝顔である。家の軒先を飾る朝顔はどれも立派で美しい。高山陣屋の脇に咲く朝顔も美しいので一枚写真に収めた。

秋はそこまで近づいているが満開の朝顔は晩夏を惜しむかの様に鮮やかだ。

sugidama 高山の街並みは美しい。その美しさの原因の一つは僕は幾何学的なバランスの良さにあると思う。造り酒屋の軒先にぶら下がった杉玉の円と古い門構えの四角の好対照もある種の緊張した美観を生んでいる。玄関前を流れるきれいで勢いのある水流も凛としていて良い。

高山の古い街並を歩くと余り買い物好きではない僕でも1,2時間はウインドーショッピングで過ごせそうだ。店先を覗いて歩くのが好きな娘や家内を帯同すれば大変なことになってしまうだろう。

ところで昼飯はある人のアレンジで料亭「須さき」http://www.ryoutei-susaki.com/index.htmlで頂いた。この「須さき」は第二代高山藩主金森可重の長男、金森宗和が始めた茶道宗和流の流れをくむ料理を出すとのこと。詳しいことは分からないがとにかく吟味され尽くした材料と手のこんだ調理方法には感心するほかない。

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昼食後列車までの僅かな時間を利用して日下部民藝館に行く。古くてしっかりした建物や立派な什器備品には飛騨の豊かさを象徴している。

この民藝館の入り口に近いところで秋の高山祭のため屋台の準備がされていた。町の名前からすると、屋台は豊明台か鳳凰台だろうと思うのだが確かなことはわからない。

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秋の高山祭は10月9,10日である。秋はもうそこまで来ていると思いながら短い高山の旅を終え僕らは名古屋に向かう列車に乗った。

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乗鞍山麓<big>五色ケ原を歩く

2005年09月25日 | 

9月後半の3連休に乗鞍山麓の五色ケ原http://www.hida.jp/goshiki/index.shtmlに行った。この地域は自然環境の保護のため入山が制限されており、専属のインストラクターの同行が入山条件である。また一日の入山人口も制限されている。現在の散策コースは滝を巡るカモシカコースと池を巡るシラビソコースがあり前者を終了した人だけが後者のコースに入ることができる仕組みになっている。

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さて滝を巡るカモシカコースの最初の滝が左の写真の久手御越滝(クテミコシダキ)である。落差は58mで滝の手前から全貌を見ることができる。コースのスタート点(国道158号横)からここまでは約1.7km・標高差は160m弱の道のり。この道のりを1時間15分程度で歩いてくる。メインインストラクターの方は上平さんという方だったが、実に動植物に詳しく話も上手なので余り疲れを感じず歩いてきた。

ところで今回の滝巡りの私の目的の一つは滝のきれいな写真を撮ることにある。そのために3つの準備をした。まずレンズは広角レンズ(ズイコーデジタル11-22mm f2.8-3.5)。次に滝の水の柔らかにつながる感じを写すためシャッター速度を落とす小道具としてNDフィルター(減光)。最後に手ブレ防止のために一脚+自由雲台を準備した。本当は三脚の方がより安定した写真が撮れるが移動性を考えて一脚とした。

上の写真はシャッター速度を1/15秒で撮影した。水の連綿と落ちる様子をとらえて美しいと思う。

ikenomatamikoshi2 次の滝が池之俣御輿滝。この滝は数段に重なっているが全貌を撮ることは難しい。この写真は登山道の丸太橋を渡ったところから撮ったもので最下部の写真である。深い森の中で滝の冷気を浴びると昨日のお酒を流す汗も引き本当に気持ちが良い。

aodareodaki2 池之俣御輿滝からは少し登って木の香りがする烏帽子小屋へ着く。新しい小屋(登山道自体昨年オープンとのこと)はエコトイレで総てがきれいだ。 ここでおにぎり3個の昼食。空気がおいしいせいか食欲が進む。

烏帽子小屋からはブナの林やサワグルミの林を通っていく。ブナの林は暗いがサワグルミの林は明るい。これはサワグルミに陽樹の性格があり、洪水に襲われた後の谷筋などに生育するからだ。一方ブナは陰樹であり、暗いところでも生育できる。このためサワグルミの林も表土が安定してくるとブナに駆逐されることがあるという。そんな大きな時間の流れの中の植物相の変遷に思いを巡らせながら歩くことも楽しい。

さて「ネズ壁」というところから急斜面の下降が始まる。急坂の中ほどまで降りると左手に青垂滝の雄滝、右手に雌滝が見える。左の写真は雄滝だ。雄滝は大きく2つに分かれていて下段は柱状摂理が順層に積み重なっているので、登ろうと思うと登れないことはない。しかし上部はオーバーハング気味で空中から水のしぶきが降ってくる様に見える。

aodaremedaki 上の写真は青垂滝の雌滝である。雌滝の方が落ち口の標高が雄滝よりやや高い様な気がする。また滝の幅も広い様だ。ただしまとまりのよさという点から私は雄滝に軍配を上げたい。

これでこのコースの滝は総て終わり、その後富士山麓の青木が原樹海の中に似た地形~地元ではゴスワラと呼ぶそうだ~の中を歩く。

その後平凡な道を少し歩くと出会い小屋(バス乗降所)は直ぐである。

なおついでに池巡りコース中の最大の滝、というか五色ケ原を代表する名瀑布・布引滝の写真を掲載しよう。

nunobiki1 インストラクターの方によればこの滝の中央部分の岩が円空仏に見えるという。

いわれてみればなる程そのとおり。そういえば青垂滝・雄滝の下部にも円空仏が浮かんでいた様な気がする。

この写真の他何枚か写真をフォトアルバムに掲載したのでご関心のある方はお立ち寄りください。

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