追憶の彼方。

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日本の民主主義…(6)マスメデイアの問題点

2016年11月10日 | 文化・文明
日本のマスメデイアの問題点
太平洋戦争は日本が世界で孤立して踏み切らざる得ない戦争だったが、軍の言論統制があったとは言え、寧ろ積極的に政府の弱腰を叩き強硬論で軍や国民を戦争に向かって煽ったのは朝日、毎日、読売,NHK等のマスメデイアであった。
彼等は言論統制を言い立て止むを得なかったと言い訳をするが、検閲の元締めであった情報局は戦争後期、緒方竹虎や下村宏など朝日新聞やNHKの元幹部が総裁を務めていたことを忘れてはならない。

社会的影響力の大きいマスメデイアは、表現の自由が保障されて居り、その報道が常に正しいと信じ込んでいる人間の多い日本に於いては民主主義の健全な発展の為に国家権力に屈することなく公正・公平・中立な報道を心掛け立法・司法・行政の3権分立が適正に機能しているかどうかを監視する第4の権力としての重大な使命を担っている事を肝に銘じて置くべきである。
(マスメデイアに対する国民の信頼度;日本は70%超、イギリス国民14%、米国民のマスメディアの信頼性は26%、カナダ36%、イタリア34%、フランス35%、ドイツ36%、ロシア29%である。日本(70%)に近い国は、中国が64%、インド60%、フィリピン70%、ナイジェリア63%と、いずれも発展途上国。端的に言えば日本国民は先進国の中で新聞、テレビなどマスメディアの情報を「自分の頭で考えず最も無批判に信頼し、世界一マスメディアを鵜呑みにする国民」ということになる。)

しかしながらマスメデイアは第4の権力としての使命、社会の木鐸としての役割を放棄しているどころか、最低限要求される事実情報の伝達でさえまともに出来無いほど深刻な状況になっている。
このマスメデイアの劣化こそが日本を似非民主主義国家にしている元凶の一つである。

1945年9月朝日新聞が米国の原爆投下は「国際法違反、戦争犯罪である」と批判した鳩山一郎の談話と共に、駐留米兵の犯罪を批判した記事を掲載した為連合国軍総司令部(GHQ)の逆鱗に触れ発行停止処分を受けた。
この事件を契機に日本のマスメデイアの態度は激変しGHQの下僕・代弁者となったのだが、主人がGHQか去った後もGHQが政権や行政に成り代わっただけで本来の役割の多くを放棄し現在に至っている。

彼らをそうさせている大きな理由の一つが記者クラブの存在がある。行政から無償で部屋を与えられ、マスメデイア以外は入会させない排他的な組織として政府の取材を独占している。
彼等はこの既得権に胡坐をかき競争原理が働かない為、独自の取材能力を失い、政府の流す情報を無批判に垂れ流す政府の宣伝部門、代弁者に成り下がってしまっているのが現状である。

司法記者クラブの場合さらに深刻である。日本のマスメデイアが最も恐れるのは他社が報道する特ダネを逃がす「特落ち」である。
他の行政官僚も似たり寄ったりだが、とりわけ検察はメデイア操縦術を心得ていて、意に反する報道した所にはわざと情報を流さないようにし、メデイア全体をコントロールしているのである。
検察は彼らの全国ネットをを使って被疑者に不利な情報を流し続け犯人像を意識的に作り上げていく。本来このような情報リークは公務員の守秘義務違反であるが、メデイアは情報源を明かさないので被疑者は言葉の暴力を受け続け、回りの人間や本人もその苦痛に耐えかねてありもしないことを検面調書で自白してしまう。
多くの場合冤罪発生にメデイアが大きな役割を演じているのである。

日本のマスメデイアの問題点ー(2)に続く

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