粟国の塩工場に見学に行ったときの事です。
「粟国の塩」は全国でよく見かける人気の塩だ。
ここに訪れるまで全国にあれだけあるのだから、機械化された工場なのだろうと思っていた。
工場は粟国島の北海岸にあり、コンクリートタワーの流下式塩田が二つと大きな薪の釜が三つある。社長の小渡さんに丁寧に説明してもらい工場を案内していただいた。自分の想像とは違い、工程すべてが手作業だった。
一つ一つの作業に手間隙かかっていて職人さん技が光っていました。
小渡さんに塩についてのお話を聞かせていただきました。
小渡さんは20年以上塩の研究をされている。
粟国の塩の掲げる「いのちは海から」というのは46億年前にこの星が生まれ、やがて海ができ、微生物からスタートし、進化を続け人は誕生した。
人の体を元素まで分けるとその成分は海の成分とよく似ている。つまり海のミネラルは人の体にとって欠かせないものなのだ。
海の成分を凝縮した塩がいかに大事で必要なものなのかわかりました。
しかしただ海水を煮詰めれば塩は出来るけれど、それでは体に必要でない成分も塩に含まてしまう。それを取り除くために技術が必要なのだ。やはり職人の世界ですね。単純なもの程深いです。
そうして作られた塩はほどよいにがりを含み、体にちょうどいいものになっているそうだ。
小渡さんは最後にこう言われました。
「本物は食べた人が健康になれるものです。食に携わる者として人を思いやる心があれば自然とそういうものを作るように努力できますよね。本物は長続きします。お互いに本物を目指してがんばりましょう」と。
以前お世話になったトマト農家の識名さんも言われた
「うちのトマトはおいしいかどうかは食べた人の好みだからおいしいとは断言できないけど、体にいいことは間違いないよ」という言葉を思い出した。
うどんを食べた人に元気に、健康になってもらえるものを(そしてもちろんおいしく)目指していこうと心に誓ったのでした…