精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

不思議な民生環境委員会

2011年04月05日 23時59分45秒 | 議会・地方自治

 ある議員がブログに書いているのと似たようなタイトルだが、内容は異なる。
 精華町議会には、分野別の常任委員会として3つある。その1つが「民生環境常任委員会」だ。
 この委員会は、この間不思議なことを繰り返してきた。その極みが、3月定例会の委員長報告である。
 委員長報告とは、委員会で議案がどのように審議され、どのような結果になったのかを委員長が本会議に報告することを指す。委員長報告に対しては、質疑ができる。

 ある障害者団体から出された要望書
 これに対して、委員会の審議は迷走したというか、支離滅裂である。委員長報告は「不採択」、要するに否決である。
 ここでおさらい。小学校から学級会などで何度となく経験しているので、おさらいは必要ないかもしれないが・・・否決とは「その案を否定し、実行しないこと」を意味する。こんなことに異議のある人はいないだろう。
 結論が「不採択(否決)」なのに、委員会の意見というところでは「いくつかが前進している」と評価している。委員会の中では「(要望事項に対し)行政も頑張って努力している」旨の発言もあったとのこと。
 この2つを組み合わせると、「行政は頑張ろうとしているが、必要ない。すべきでない」という解釈をするのがごく自然である。なぜなら、委員会の意見より委員会全体の採決結果の方が重みがあるからである。
 「不採択」は、要望していることに行政が前向きに応えようとすることにブレーキをかけるという政治的な意味がある。
 ところが、この要望に沿って行政が一部2011年度予算に計上しているのだ。予算書を読んでいないならともかく(予算議会で予算書を読まない議員がもしいたら、それこそ論外である。読みこなせていない議員はいるかもしれないが)、要望内容をきちんと理解していれば、予算計上されていることはすぐ分かることだ。
 委員会として、少なくとも民生環境委員会で、この要望を不採択にすべきと判断した議員は、その一部でも計上されている予算に無条件賛成できるはずがない。ところが、本会議では全員賛成で予算は可決されている。
 委員会はすべての会派で構成されているので、予算委員会にも同一会派の議員が1人はいる。しかし、この問題で、質疑や反対意見は一切なかった。修正案すら出なかった。

 ということは、民生環境委員会で、この要望を不採択と判断した議員は、同一会期で矛盾する態度を示したことになる。このことは、どう言い訳しようが、説明がつかない。


 そして、私がもっと疑問に感じているのは、委員長報告に対する質疑に「だんまり」を決めこんでいることだ。委員長報告は、原則委員長が行う。その質疑に対しては、委員会に参加していたたの議員が答弁してもいい。なぜなら、委員会であった事実を説明するにとどまるのだから、政治的中立性は保たれるからである。
 だが、自分たちの委員会運営や結論の矛盾を指摘され質疑されているにもかかわらず、答弁は委員長1人に任せきりだ。何も言わなければ、「指摘されていることはもっともです」ということを意味し、自分たちの委員会での態度がおかしかった、ということを認めることになる。
 通常、委員長が答弁に窮している時、副委員長などが助け船を出すのが通常だ。これは、会派や政治的立場が異なっていも、自分たちの委員会での議論や経過が間違っていないという自信があるからである。
 だが、前述のように委員長以外誰も説明しようとしない。いわば、「説明責任」を放棄しているといえる。

 議会制民主主義というのは、最後は多数決で決めるというものだが、そのプロセスが重要だ。
 どのような議論があり、どのような問題点が指摘され、どのような注文をつけて、そのような結論になったのか、可決であれ否決であれ、その議論に参加していた議員は、きちんと説明すべきである。
 時々いるが、本会議など公的な場では「沈黙」や「方便」、非公式の場(個人のブログやメールなど)ではいろいろありもしないことを言っている議員だ。
 場外乱闘は、紳士的でない。だけでなく、議会制民主主義の精神から言っても(少なくとも当事者である議員は)とるべき態度ではない。

コメント
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