恐らく「ソーラー・ビークル」の略称だと思われる。いわば、ソーラー(太陽光)で走るビークル(乗り物)である。厳密には、バスの天井にあるソーラーパネルで発電する電力だけでは不安定で走行できないため、併用の「ハイブリッドシステム」である。
今のところ実証実験的のためか1台だけのようだ。岡山駅と西大寺バスターミナル間を、約30分で結んでいる。
車内がまたかわいらしい。白が基調で、座席も西洋のおしゃれな家具を連想させるものだ。なぜか、クマのぬいぐるみが乗っている。この近くに「日本のエーゲ海」といわれる「牛窓」があるためだろうかと勝手に想像している。
両備グループは、交通問題には積極的に取り組んでいて、廃止されそうになっていた旧・南海電鉄の貴志川線を買い取り、今では全国区的に有名になった「タマ駅長」を演出した。この路線には、私も乗ったが、「おもちゃ電車」や「いちご電車」などが走っていて、わずか30分程度の路線だが、楽しく乗ることができる。
また、最近交通体系というか政策に関する提言も出している。
人口減少期に入った日本では、同時に高齢化が進み、「移動手段」も変貌が要請されている。いろんな面から研究してみたい。
市街地を走っている「セントラム」は、乗客が多く撮影行為が迷惑になるためあまり適切な写真がありません。代わりに、セントラムの兄貴分としてもう少し前から活躍している「ポートラム」の車内写真をアップします。
基本的には、どちらもほぼ同じです。こちらは、昔の非電化ローカル線であった「富山港線」というあまり儲かっていなかった路線を改造し、駅も倍程度に増やし、車両もディーゼルから低床LRTに変更したものだ。料金も、それまでの距離制から200円均一となり、ICカード(この辺では、ICOCAとかPiTAPa)を使えば、実質15%ほど割り引かれたり、フィーダーバスといって沿線の駅から先をバスに乗り換えることができる工夫がなされている。富山市の統計では、この富山港線がLRTに変更された後に、沿線の人口密度が確実に上昇しているということです。
車内の写真を見ていただければ分かりますが、ホームの高さとドア(写真では中央付近=連結部の向こう側)の高さは同一で、車内の段差もありません。おまけに、写真には映っていませんが、運転席の後ろに「貸し傘」が数本あり。駅から自宅まで使うことができます。基本的には乗客を信頼しているようで、使い終わったらまた返却されるらしいです。
また、大都市部では路面電車廃止のきっかけとなった「自動車との共存の可否」という問題ですが、現地を見ている限りでは、電車の進路妨害や割り込みなどあまりなく、ドライバーも協力的でした。富山は、地方都市といえども共働きや自家用車保有率が高いので、車はたくさん走っていますが・・・
富山市のもう1つの取り組みを紹介する。それは、要するに「レンタサイクル」だ。名古屋市でも似たような社会実験が行われていたた。結果はまだ検証していません。
登録制だが、写真自転車の横にある「自動改札機」のようなところにタッチして、30分?だったか借りられるもの。市内の数か所に、このようなターミナルが設置されている。「ちょっとコンビニに」「郵便物を出しに行く」「取引先に書類を届ける」などの用務の際、あるいては遠いしかといって車を使うと駐車スペースに困ったり排気ガスをばら撒くことにつながることへの対応である。写真でも、数台の自転車が貸出し中であることが分かる。
ここでは、新品の自転車だが、全国には「放置自転車」がかなりの数あり、取りに来ないケースもある。廃棄するなら、このような使い方を考えてもいいのではないか。現実に、東の学研都市「つくば」では、「つくばセンター」駅近くにある1日400円程度のレンタサイクルは、この放置自転車の再利用と思われるものが使われている。
先日の一般質問で、「学研都市にもLRTを」という趣旨で質問した。LRTとは、ライトレールトランジェットの略で、近鉄などの本格的な設備ではなく、昔の路面電車的なものだ。といっても、路面電車と同一ではない。主な特徴としては、低床でバリアフリー車体・安価な運賃・揺れなども少ない・郊外路線では鉄道並みの速度が出せるなどである。場所にもよるが、定時・中量の公共交通として、特に地方都市で注目されている。ヨーロッパ諸国では、すでに多くの都市で導入されているし、それがまちづくりや活性化、しいてはCO2削減に大きく貢献している。
さて、日本国内でも既に路面電車網があったところを中心に、LRT化が進められているし、豊橋・富山などでは路線を新設・延長しているところもある。写真は、富山市の「セントラム」と呼ばれるLRTで、既存の市内電車路線を街の中心部を結ぶ路線を新設し、環状運行している。1周約20分で、10分おきに走っており、乗客もまあまあ多い。写真を見てもらえれば分かるが、その周辺の歩道・車道間もほぼフラットになっていて、バリアフリー化されている。
もちろん、精華町と同一の環境でもなく、路線の設定によって利用者は異なるが、前述の特徴から、精華町内交通というだけでなく、クラスター間の移動手段としても想定できる。ハードだけではなく、フリー切符などのソフト面でも工夫すれば、そこそこの乗客を獲得できるだろう。
「今すぐ」とは言わないが、10年20年スパンでは具体化すべきテーマだと思う。
電車のホームなのにそこに立ってはならないという何とも不思議なことである。
今春のダイヤ改正で、従来4両編成で運行していた区間を7両化した。それ自体はいいのだが、ホーム延伸の際に十分なスペースが確保できなかったのか、下狛駅ホームの1両分くらいは幅が150cmしかない。他の駅にもある点字ブロックまでが安全距離と考えていると思われる。ホーム先端から点字ブロックまでが80cm、点字ブロックの幅が30cmなので残りは40cmとなる。極めて危険な幅なのだ。祝園駅の一番狭いところで幅200cmだが、これでも安全ゾーンに大人が2人立てば、それより奥に行こうとすると、線路側を迂回することになる。そのタイミングで電車が進入すれば接触事故の危険性が高い。
JR西日本は、尼崎事故の後、「安全を最優先にする」ということで、その他の改善要求は後回しにしてきた。それ自体を悪とはいえないものの、今回の7両化延伸工事の際の対応と違いが大きすぎないか?東京や大阪などの大都市だからとかすぐ横が河川や移動困難な建物があるという理由で「スペース確保が困難」というならまだしも、下狛駅も祝園駅も工夫次第でスペースの確保は十分可能な場所である。
事故が発生する前に、対応策を講じるべきではないかと思う。
高速バスと鉄道を乗り継ぐというものだ。
私も経験あるが、東京周辺の高速バスは、特に鉄道のない・少ない地域にはダイレクトでアクセスできるし運賃も安目だ。ただ、「東京発」の場合はいいのだが、「東京行き」の場合は、都心に近付くにつれて走行速度が落ち渋滞に巻き込まれ、到着時間が読めないことが多い。
今回の社会実験は、東名高速を走る高速バス(主に静岡県内発と名古屋発、夜行便は除く)の東京行き・新宿行きが都心部に入る手前の用賀パーキングエリアで途中下車し、徒歩5分の東京急行線「用賀」駅から都心に向かうというものだ。運転手が高速道路の渋滞状況をアナウンスして、乗客の判断で申し出て「乗り継ぎ券」が発行され、本来190円の渋谷駅までの電車代が100円になるというもの。
我慢してバスに乗り続ければ、そのままの乗車券で目的地に着くことはできるが、従来の渋滞状況に比べると渋谷駅のみならず、その他の都心部の駅へも早く到着できるとのこと。
たまたまパーキングエリアと鉄道駅が徒歩圏内で近かったので、このようなことができる。関西でも、千里中央や緑地公園、京都では名神深草と京阪藤森・近鉄竹田の関係も似ている。
半年程度実験を続けるとのことだが、どのような結果になるのか関心がある。この場合高速バスと鉄道という関係だが、異なる会社間の「鉄道・鉄道」「鉄道・バス」「バス・バス」乗り換えなどの際の、「乗り継ぎ割引」のような発想になれば、利便性と運賃面で公共交通が復権できるのではないか?