話題の映画『今度は愛妻家』を観に行った。
世話焼き女房を薬師丸ひろ子さんが、自堕落なダメ夫を豊川悦司さんが好演し、なかなかの評判である。
あらすじはさておき、残念ながら私には、この夫婦がまったく理解できなかった。
何で妻は、あんな男の面倒をみるのかしら。
たとえば、妻のさくらが夫の健康を気遣い、バランスのよい食事を用意するのに、ヤツはわがままを言って肝心の野菜を食べない場面がある。さくらは何とか食べさせようと頑張るのだが、結局残されてしまう。それなのに、彼女はそのあと夫に、「お茶飲む?」とやさしく尋ねるのだ。「はぁ?」と聞き返したくなるような、信じがたいセリフであった。
そう感じるのは、私が専業主婦ではないからかもしれない。しかし、おそらく私には、成人の面倒をみるという機能がついていないのだ。もちろん、体が不自由になったお年寄りは別だが、一人前として扱われる社会人である以上、自分の面倒は自分でみるべきだと思う。男女を問わず、必要以上に頼られたり、よりかかられたりしたら迷惑だし、何よりもうっとうしい。
もし、私がさくらだったら、次の食事から夫の野菜を用意しないだろう。夫を変える努力よりも、夫の行動に見合った対応をするほうが合理的だ。
だが、世の中には、わざわざ好きこのんで夫の世話をする妻もいる。
結婚式を挙げたとき、友人代表で祝辞を引き受けてくれた弓子は、おそらくそのタイプであろう。高校を卒業した翌年、一番に結婚した弓子は、マイクの前でこう言った。
「先輩ぶって言わせてもらえば、砂希さんは、ご主人となる龍一さんに、少しは自分の身の回りのことをしてもらったほうがいいと思います。好きな相手には、あれもこれもしてあげたいものですが、その気持ちを抑えて……」
そんな発想はまったくなかったので、私はギョッとした。隣を見ると、夫も納得のいかない顔をしている。そういえば、彼も人に干渉されることを嫌うタイプだ。自分のことは、自分の好きなようにやりたいと思うから、私の出る幕はない。今から思うと、ちょうどいい組み合わせだったのかもしれない。
でも、たまにだったら、人に何かをしてあげたり、してもらったりするのはいいと思う。
私はビュッフェスタイルの食事が好きではない。お料理は、誰かに取り分けてもらったほうが美味しい。料金は高くてもいいから、お店の人に、すぐ食べられる状態になっているものを持ってきてほしい。
鍋料理も中華の大皿料理も、自分でよそうのではなく、仲間がよそってくれると嬉しいものだ。いつもではないからこそ、ありがたみがわかる。
だから私も、ときどきは人様の役に立ちたいと思う。その繰り返しだ。
車間距離のように、他人と適正な距離を空けておかないと、私は気疲れしてしまう性質らしい。
車間距離なしのベッタリした関係が必要な相手もいる。
それは子供やペットである。損得計算や利害関係なしに、純粋な愛情を受けたり与えたりできる相手はそうそういない。
私は子供の頃、犬を飼ってみたかった。心を許した相手に尻尾を振り、飛びついてきて、全身で喜びを表すところが可愛いと思った。しかし、死んだときがイヤだと母に反対され、それは叶わなかった。
退職したら、自由な時間ができるから、犬を飼うチャンスがあるかもしれない。ひそかにそんな計画を練っている。
隣の家のコーギーが、救急車のサイレンに反応して遠吠えを始めた。うるさいけれど、微笑ましい。
すると、私の計画を知らないはずの夫も、真似をして同じように「バオ~~」と鳴き出した。そういえば、夫は戌年生まれである。
でも、人間の犬はいらないな……。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
世話焼き女房を薬師丸ひろ子さんが、自堕落なダメ夫を豊川悦司さんが好演し、なかなかの評判である。
あらすじはさておき、残念ながら私には、この夫婦がまったく理解できなかった。
何で妻は、あんな男の面倒をみるのかしら。
たとえば、妻のさくらが夫の健康を気遣い、バランスのよい食事を用意するのに、ヤツはわがままを言って肝心の野菜を食べない場面がある。さくらは何とか食べさせようと頑張るのだが、結局残されてしまう。それなのに、彼女はそのあと夫に、「お茶飲む?」とやさしく尋ねるのだ。「はぁ?」と聞き返したくなるような、信じがたいセリフであった。
そう感じるのは、私が専業主婦ではないからかもしれない。しかし、おそらく私には、成人の面倒をみるという機能がついていないのだ。もちろん、体が不自由になったお年寄りは別だが、一人前として扱われる社会人である以上、自分の面倒は自分でみるべきだと思う。男女を問わず、必要以上に頼られたり、よりかかられたりしたら迷惑だし、何よりもうっとうしい。
もし、私がさくらだったら、次の食事から夫の野菜を用意しないだろう。夫を変える努力よりも、夫の行動に見合った対応をするほうが合理的だ。
だが、世の中には、わざわざ好きこのんで夫の世話をする妻もいる。
結婚式を挙げたとき、友人代表で祝辞を引き受けてくれた弓子は、おそらくそのタイプであろう。高校を卒業した翌年、一番に結婚した弓子は、マイクの前でこう言った。
「先輩ぶって言わせてもらえば、砂希さんは、ご主人となる龍一さんに、少しは自分の身の回りのことをしてもらったほうがいいと思います。好きな相手には、あれもこれもしてあげたいものですが、その気持ちを抑えて……」
そんな発想はまったくなかったので、私はギョッとした。隣を見ると、夫も納得のいかない顔をしている。そういえば、彼も人に干渉されることを嫌うタイプだ。自分のことは、自分の好きなようにやりたいと思うから、私の出る幕はない。今から思うと、ちょうどいい組み合わせだったのかもしれない。
でも、たまにだったら、人に何かをしてあげたり、してもらったりするのはいいと思う。
私はビュッフェスタイルの食事が好きではない。お料理は、誰かに取り分けてもらったほうが美味しい。料金は高くてもいいから、お店の人に、すぐ食べられる状態になっているものを持ってきてほしい。
鍋料理も中華の大皿料理も、自分でよそうのではなく、仲間がよそってくれると嬉しいものだ。いつもではないからこそ、ありがたみがわかる。
だから私も、ときどきは人様の役に立ちたいと思う。その繰り返しだ。
車間距離のように、他人と適正な距離を空けておかないと、私は気疲れしてしまう性質らしい。
車間距離なしのベッタリした関係が必要な相手もいる。
それは子供やペットである。損得計算や利害関係なしに、純粋な愛情を受けたり与えたりできる相手はそうそういない。
私は子供の頃、犬を飼ってみたかった。心を許した相手に尻尾を振り、飛びついてきて、全身で喜びを表すところが可愛いと思った。しかし、死んだときがイヤだと母に反対され、それは叶わなかった。
退職したら、自由な時間ができるから、犬を飼うチャンスがあるかもしれない。ひそかにそんな計画を練っている。
隣の家のコーギーが、救急車のサイレンに反応して遠吠えを始めた。うるさいけれど、微笑ましい。
すると、私の計画を知らないはずの夫も、真似をして同じように「バオ~~」と鳴き出した。そういえば、夫は戌年生まれである。
でも、人間の犬はいらないな……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
他にもよく「何であの人はあんな男と結婚したんだろう?」とか「何で別れないんだろう?」なんて思う例がいっぱいあるけど、その映画での例もそんな一例に過ぎないんじゃないのかな?そのあたりが世話好き女房の所以かも知れないしね。
まぁ、「靴下を履かせてくれ!」なんて言い出す旦那なら話は別だけどね。(笑)
専業主婦なのに夫の世話ってあんまりしたことなくて、
ちょっと申し訳なくもあるんだけど(汗)
でもねぇ。ベタベタするのはお互い好きじゃないんで。
砂希さんとお仲間で~す。
仕事してるから尚更。
ていうか、フルタイムで働いて、家事もほとんどやっていたら、身体壊したので
それから、自分の事は自分でやって!状態です(笑)
私もベタベタするは嫌いだし、ほどよい距離間は大事かも。
あ、でも娘とわんこは別で~す♪
すべての人間が「割り切り」で動ければいいけど、それがかなわないから人間は協調性を持って社会を創りだしているのも事実。
砂希納言さんの生徒の中には「はっ?」と思うような言動をする子も多いはず。そんな子には何を言っても多分聞く耳ありゃしない。
そんな子供も、ミキちゃんのような玲瓏聡明な子もいて浮世。
自分サイズで考えると・・・う~んやめとこ。
墓穴を掘りそうやへへ
とかくこの世はおもろい。
本当は夫は感謝してるんですよ
上手く反応できないだけ(笑)
最近、妻の料理にも
感謝感激するようになりました
共働きだからいいのにね
映画の、生まれ変わったら
愛妻家になるというのは
もっと素直になるということだと思うよ
たしか、小林旭がそうだったんじゃないかしら。
美空ひばりと結婚していたとき、靴下を履かせる娘の姿を見て、母親は悲しくなったと手記に書いてあったよ。
ってか、人に靴下をはかせるのは難しくない??
私は基本的な設定に引っ掛かってしまい、思ったより楽しめなかったよ~、くすん…。
Yanoさん、野菜はちゃんと食べたほうがいいよ(笑)
やっぱり基本は「自分のことは自分で」ですよね。
若い世代でも、自分のことができない男性がいるでしょうね。
何でも母親がやってあげる家庭とか。
両親の世代は、妻があれこれ世話を焼くのが当然だったようで…。
気の利かない母が、父の世話を不器用にしています。
お互いに歳をとると遠慮がなくなり、「こうしてほしいんだ」とケンカになっていますが(笑)
sariさんは「すでに愛犬家」ですものね。
「愛馬家」でもいいかも(笑)
黒シバの可愛いことといったらないです♪
白シバのブログを書いているアメンバーさんもいて、やはり犬はシバが一番かと思いました。
私も、家事はそれなりにやりますよ。
でも、夫の世話は家事じゃないもの。
娘と犬の世話は育児だからいいけど(笑)
うんうん、結局似た者夫婦なのかもしれないわぁ。
正直いうと、もっと家事のできる人かと思ったんですよ。
でも、それほど経験値が高くなかった…。
今は専業主夫になって、いろいろ吸収してますよ。
人との関係は、相手を変えようとしても難しいですね。
自分が適応しちゃったほうが話が早いこともあるし、自分が変わることで相手も変わったりします。
感情は理屈じゃないからねぇ。
本筋の基礎で引っ掛かりを感じてしまい、何とも奇妙な思いで鑑賞してまいりました。
やっぱり館内には夫婦が多かったわぁ。
ウチは夫と休みが合わず、一人で下見のつもりで行ったのですが…。
もういいか、という感じ。
凝った構成でしたね。
シャマラン監督の2番煎じという気もするけど…。
城田優の役はなしでもよかったような…。