これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

パンダたずねて三千里

2019年09月01日 20時58分55秒 | エッセイ
 和歌山・アドベンチャーワールドのパンダたちが、可愛いと評判になっている。何としても見に行きたくて、家族で休みを合わせ出かけてきた。
「もー、お母さんと一緒だと、こんな天気ばっかだよね」



 娘に冷たい目で見られる私は雨女。しかし、最近は、カラッと晴れた日にお目にかかれないほど天候不順である。決して、私のせいではないと思う。
「さあ、ランチランチ」
 入園後、最初に飛び込んだ場所はレストランだった。夫には熊野牛のハンバーグランチを与えておいたが、私はちゃっかりパンダカツカレーなるものを注文する。



「えっ、これ? パンダっぽくないなぁ」
 太ったキツネかアライグマといっても通じそうな気がしたが、味はよかったからよしとしよう。
「ミキはお腹すいてないから、パンダプレートのハーフにする」
 娘の料理の方がパンダらしくできていた。



 このプレートのエライところは目玉焼きだ。ハーフサイズだと、鶏卵ではなくウズラ玉子を使っているのか、ちっちゃな目玉焼きになっていた。芸が細かくてグー。
 昼食後は、いよいよパンダに会いに行く。
 ここで、タクシーの運ちゃんにもらった家系図から、パンダたちの家族構成を解説しよう。



 現在は6人(頭?)家族らしい。お父さんの永明(えいめい)、お母さんの良浜(らうひん)、子どもは女の子ばかりで、4歳の桜浜(おうひん)と桃浜(とうひん)、2歳の結浜(ゆいひん)、そして1歳の誕生日を迎えたばかりの人気者、彩浜(さいひん)だ。
 永明は前妻との間に6頭の子どもをもうけたけれど、みんな中国に移送されている。良浜との間にも9頭の子どもが生まれているが、うち5頭は中国に行ってしまったから、4頭だけが残っているというわけだ。
 最初に見たのは、お姉さんの桃浜であった。



 ニコニコしながら笹をバリバリ食らう姿は、どこか人間っぽく、「着ぐるみみたい」と感じるのも無理はない。
 桜浜は展示されていなかったけれど、隣には結浜がいた。



 ガラスの仕切りに近づき、体を寄せ合う様子には胸がキュンとした。



 同じ部屋で、一緒に遊べればいいのにと切なくなった。
 2頭を見たあとは、移動して彩浜に会いに行く。
 ここにはお父さんの永明もいた。あいにく昼寝中であった。



「こんなポーズで寝るんだね」
「クスクス」
 意表をつく寝相に、来館者たちもふき出していた。
 やっと、お母さんの良浜と、小さな彩浜にたどり着いた。



 一緒に遊んでいる。
 まだまだ、お母さんが恋しい年頃なのだろう。
 笹を使って、重量挙げのような動きもしていた。



 よいしょ~!

 すみっこにトコトコ。



 何かもらってモグモグ。



 幸せそうな笑顔がまぶしい。



 上野と違って長い行列はできていなかったが、それなりに混んでいる。移動しながら5分ほど眺めて、建物をあとにした。
「ああ、可愛かったね! 次はペンギンを見よう」
「いいね~」
 ペンギンもまた、長い話になりそうなので、また今度。
 ところで、昨日の朝刊に、こんな記事が載っていた。
「ワシントン パンダ消える?」
 米中貿易摩擦の影響で、米首都ワシントンの国立動物園で飼育されているパンダが、中国に返還されるのではという内容だった。現在、国立動物園には中国から2頭のパンダが貸し出されているそうだ。子どもも生まれたが、1頭は4歳に達したため、近々中国に移送される予定らしい。親の2頭は来年12月に貸し出し期限を迎えるというのに、期限延長に向けた協議が始まっていないのだとか。
 おそらく、ワシントンにもパンダが大好きという人はいるはずだ。先の展開をすごくすご~く心配しているに違いない。
 遠くから、丸く収まることを祈っています。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)

コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 入力ミス過剰エッセイ | トップ | ペンギンは語る »
最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パンダ (ヤッギー)
2019-09-02 06:44:35
パンダは愛らしいから可愛いですね。

レストランのメニューはパンダがらみのものが多いんですか。

パンダも中国に帰っちゃうんですね。残念。
返信する
懐かしくも羨ましくもある (ZUYA)
2019-09-02 08:41:53
私は子供の頃大阪に住んでいて、ずうっと行ってみたかったのが、『南紀白浜ワールドサファリ』。そう砂希先生ご一家が訪れたアドベンチャーワールドのことです~

まぁうちの両親は家族旅行をあまりしない人達で、泊まりで家族旅行なんて母の実家以外全く無かったですからね。日帰りも大阪に隣接する都道府県のみ...寂しい子供時代を思い出しました~

しかしこれだけ一度に大量のパンダを観れるのは白浜だけだと思いますので、楽しい思い出になったのではないでしょうか?

串本とか他の観光地も行かれたのですか?
返信する
パンダ愛で放題 (白玉)
2019-09-02 15:01:07
パンダメニュー、どちらもかわいいですね。
パンダを見るには、オプションのコースがあるのでしょうか。
5頭も見られたら、夢に出てきてくれそう♪
お父さんの寝相が、一番ツボでした。
返信する
返還 (砂希)
2019-09-02 21:14:14
>ヤッギーさん

そうですね~。
スイーツにもパンダ、メインディッシュにもパンダのデザインが並んでいました。
お土産屋さんに行ったら、さらにパンダだらけです(笑)
でも、大きくなったら、中国に戻るのが何とも残念で……。
親パンダは日本で永眠することが多いようで、どちらがパンダにとってはいいのかしら。
とにかく、あらゆる仕草が可愛いですよね。
返信する
白浜オンリー (砂希)
2019-09-02 21:19:05
>ZUYAさん

そうそう、新大阪から特急くろしおに乗りました。
割に近いんですね。
昭和の家庭は、めったに旅行できなかったのが普通ですよ。
父は休みもとらずモーレツに働き、母は貯蓄に余念がない。
お盆に行くのは父か母の実家ばかり。
これが平均的な家庭だったんじゃないかしら。
同級生にグアムに行った子がいました。
「すごいすごい」の洪水で、拝まれていましたよ。
今は豊かになりましたね。
返信する
ネット予約 (砂希)
2019-09-02 21:21:56
>白玉さん

パンダを至近距離から見られるツアーがあるようです。
しかし、お一人様1万円ですって。
しかも、定員15名と書いてあったような。
JALだとパックになっているツアーが売られているようでした。
これにチャレンジするには、早く日程を決めないと無理でしょうね。
一番苦手な分野です。
返信する
Unknown (Hikari)
2019-09-04 06:39:06
月曜から10回くらい読みました。
彩浜を5分見て満足というくだりが、どーしても理解できない私。
夫に、ブロ友さんがね…と話すと、ええっΣ(゜Д゜)と叫んでいました。
永明がぐったりしているのは、当時ほぼ竹を食べていないから。
夏の竹は不味くてお口に合わないそうです。
昨日辺りはモリモリ召し上がっていましたが。
丸まってるのはたぶん寝てることよりお腹すいてめげていたのかもですね。
そして。
最初のパンダ写真は桃浜でなく、結浜です。
次のが結浜じゃなくて桃浜ですね。
結浜は頭のてっぺんの骨が盛り上がっていて、三角のとんがり毛がチャームポイントだから、そこで見分けられます。
チャンチャンコ着たみたいな赤ちゃんペンギン見ました?
次も楽しみにしています。
返信する
Unknown (Hikari)
2019-09-05 06:42:32
今日もお写真を凝視。
昨日結浜と桃浜が逆かも?と書いたけど、桃浜もちょっぴり頭が盛り上がっているし、アングルなのかな?と。
失礼なことを書いてごめんなさい‼️
返信する
おいでませ (砂希)
2019-09-05 21:49:30
>Hikariさん

そんなに来てくださるとは感激です!!
ご指摘を受け、結浜の写真を検索してみました。
「結浜 とんがり」というワードが表示されるほど、頭のチャームポイントが有名なんですね。
ラムちゃんのツノみたいな形でした。
一方の桃浜は、ベッカムのトサカが超短くなったみたいなプチとんがりをしています。
ひとまず、初対面なもので、名前が表示された通りに撮りました。
写真に間違いはないかと思います。
うちの場合、73歳の夫が一緒ですから、もともと長居はできないんですよ。
いくら彩浜が可愛くても、割り切って行動しないと、夫が動けなくなってしまいます(笑)
永明はぐったりしていても、人前に出されちゃうんですね……。
今は元気とはいえ、いいのかな~と首をかしげてしまいます。
赤ちゃんペンギン?
見ませんでしたが、いたのかしら。
明日は午後に休みをもらいましたので、ペンギンさんの話が書けそうです。
滞在時間は短かったけれど、充実したひとときでしたよ。
返信する

コメントを投稿

エッセイ」カテゴリの最新記事