これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

雪の富士急ハイランド

2017年03月27日 22時24分27秒 | エッセイ
 春休みを利用して、20歳の娘と富士急ハイランドに行った。目当てはもちろん絶叫マシーン。ドドンパは動いていないけれど、フジヤマ、ええじゃないかには何度も乗りたい。せっかくだから、高飛車にも乗ってやるか。高速バス、フリーパス、宿泊がセットになったお得なプランに申し込んでみたが、直前になって、天気予報では「山梨県は雪」などと言っている。
「雪? 嘘でしょ。3月も終わるっていうときに」
 天気予報は外れるときもある。家にいても暇だし、キャンセルの手続きも面倒だし、ひとまず行ってみることにした。
 高速バスは楽だ。乗り換えもなく、ただ座っていればいいのだから、いつの間にやら眠っていた。停留所のアナウンスで目覚め、窓の外を見て驚いた。



「うわ……。本当に雪だ」
 目的地に到着した。思った通り、乗りたかったフジヤマやええじゃないかは運行していない。客はまばらで活気はないが、ひとまずホテルでフリーパスを受け取った。



「ははっ、なんだこれ。『超大大吉。人生最高日だよ!』って書いてある」
 富士急特有のおふざけは好きだ。絶叫系が全滅でも、ここで遊んでいこうという気になるから不思議である。
「お母さん、スケートができるみたいだよ。やったことないから行ってみよう」
 そういえば、娘を連れてスケートリンクということはなかった。私は何度かやったことがあるが、転ばずに滑れる程度のレベルだ。久々に練習するのもいいだろう。



 雪は遠慮なく降り続き、髪もマフラーもコートも濡れてしまった。加えて、リンクにも雪が積もり、予期せぬ場所でブレーキがかかる。でも、滑り方の基本は忘れないものらしい。膝を軽く曲げる、右に左に体重移動させて進むなどの動作が、自然に思い出せた。
「ひいい~、先に行かないでよ」
 一方、娘はときどきドテッと転んで雪だらけになっている。手袋もびしょ濡れだ。それでも、1時間もすればそれなりに上達し、形にはなってきた。真央ちゃんや、高橋大輔の偉大さがわかったらしい。
「さて、お昼にしよう」
 富士宮やきそばと



 FUJIYAMAカレーをいただく。



 これはライスボールになっており、山肌の部分がカリカリでイケた。
 食後は観覧車である。
 明らかに親子連れなのに、私たちはカップル用に案内された。ハートの電飾と、並んで座るシートに苦笑いする。悪天候のせいか、フジヤマのレールが霞んで見えた。



 スケートリンクの人口は徐々に増えている。考えることは皆同じだ。
 ホテルのチェックインが始まる15時には上がり、温泉に直行した。富士急ハイランドリゾートホテル&スパは、温泉やレストランが充実しているし、館内にカラオケやボウリングも楽しめるところがいい。
 翌朝。
 12階で朝食をとる。ここから見える景色はなかなかのものだ。





 また絶叫系は運休だろうと高をくくっていたら、高飛車だけは動いたらしい。偉い!
 パークの反対側には富士山が見えるはず……。



 ……いませんね。



 ちなみに、部屋から見えるバスステーションはこんな感じ。雪に埋もれた車は、どうやって脱出するのだろうか。



 宿泊者には、隣接している美術館「フジヤマミュージアム」の入場券がもらえる。ここで、たくさんの富士山の絵に出会えた。フラッシュを使わなければ撮影も可能だ。
 私が、一番素晴らしいと思ったのは、草間彌生さんの「七色の富士」である。



 絶叫マシーンがなくても、富士山が見えなくても、何とかなっちゃう富士急ハイランドでした。


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コメント (10)
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