「ドキュメンタリー 海の怪物 プラスチック 」という映像をご覧になったことがおありだろうか。
生協の学習会でプラスチックが人体に与える害を学び、知らなかったとはいえ、これまで何の疑問も持たずにペット飲料を買い、個包装された菓子を選んでいた自分を恥じた。
「なにそれ?」という方には、ぜひご覧になっていただきたい。今や、カリフォルニア州では小売店でレジ袋の提供が禁止され、サンフランシスコ市ではペットボトル入り飲料の販売を禁止するなど、海外では熱心にプラスチックを削減しようという動きがある。その理由を理解してほしい。
プラスチックはなぜ悪なのか。理由は2つある。
1つ目は永遠に自然分解されないこと。缶でさえ、450年経てば自然分解されるというが、プラスチックにはそれがない。劣化すれば細かく砕けるけれど、決してなくなることはない。洗顔料に含まれるマイクロビーズ(スクラブ)もプラスチックである。石油産出量の8%に相当する、年間3億トンのプラスチックが世界各地で生産され、どんどんどんどん増え続けている。
2つ目は毒性が強いこと。素材や添加物にノニルフェノールやビスフェノールAなどの環境ホルモンが含まれることはもちろん、海に漂う有害化学物質を吸い寄せるという性質を持っている。たとえば、使用禁止となったDDTやHCHなどの農薬、殺虫剤は、この世から消えたわけでなく、ごくごく薄い濃度で海洋中を漂っている。ところが、プラスチックはこれらの有害物質を粘着テープのように拾い集めてしまう性質があるのだ。波間に揺られてあっちへこっちへ流れるうちに、人体に危害を及ぼす物質がベタベタとへばり付けばどうなるか。海水中の濃度に比べて、プラスチックに付着するDDTやHCHなどの濃度は、実に10万倍から100万倍に達する数値に上ることが判明している。
今、地球規模で問題になっているのは、5mm以下のサイズの「マイクロプラスチック」である。どんなに小さくなっても、プラスチックは自然分解されないため、有害化学物質の衣を何重にもまといながら、海中を浮遊している。魚はプランクトンと一緒に、このプラスチック片を食べてしまうのだ。発がん性があり、造血障害を引き起こし、肝腫瘍を作り出す恐れのある、毒入りの破片を。
魚にも食物連鎖がある。小さな魚は大きな魚、大きな魚はさらに大きな魚に食べられ、汚染物質が濃縮されていく。そして、連鎖の頂点に立つのは人間だ。人間は汚染された魚を食べている。自らの手で作り出し、放棄したはずの毒を食べている。
魚だけではない。海鳥、貝、ウミガメ、クジラの体内からもマイクロプラスチックが検出され、環境ホルモンのダメージとともに、有害化学物質からの打撃を受けている。人類がプラスチックを生み出した罪は、こんなにも大きいのだと気づき、苦しくて何も言えなくなった。
生協の学習会で、講師の東京農工大学教授、高田秀重教授がおっしゃった言葉が浮かんでくる。
「マイクロプラスチックは、主にポイ捨てされたゴミが原因です。レジ袋などが路上に落ちていますよね」
「ペットボトル、レジ袋など、使い捨てプラスチックを減らしましょう」
「プラスチックのリサイクル費用は自治体の負担となっています。私たちの税金をもっと有効に使うには、はじめから使わないのが一番です」
「我々は地球という惑星に住む場所を借りているだけなので、キレイにして返すのが普通です」
絶望感に打ちのめされている場合ではない。
私たちができるのは、まずプラスチック製品を買わないこと。
ブログで危機的状況を発信すること。
教員という立場を生かし、生徒たちにプラスチックの脅威を伝えること。
できることから、脱プラスチック生活を始めていこう。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
生協の学習会でプラスチックが人体に与える害を学び、知らなかったとはいえ、これまで何の疑問も持たずにペット飲料を買い、個包装された菓子を選んでいた自分を恥じた。
「なにそれ?」という方には、ぜひご覧になっていただきたい。今や、カリフォルニア州では小売店でレジ袋の提供が禁止され、サンフランシスコ市ではペットボトル入り飲料の販売を禁止するなど、海外では熱心にプラスチックを削減しようという動きがある。その理由を理解してほしい。
プラスチックはなぜ悪なのか。理由は2つある。
1つ目は永遠に自然分解されないこと。缶でさえ、450年経てば自然分解されるというが、プラスチックにはそれがない。劣化すれば細かく砕けるけれど、決してなくなることはない。洗顔料に含まれるマイクロビーズ(スクラブ)もプラスチックである。石油産出量の8%に相当する、年間3億トンのプラスチックが世界各地で生産され、どんどんどんどん増え続けている。
2つ目は毒性が強いこと。素材や添加物にノニルフェノールやビスフェノールAなどの環境ホルモンが含まれることはもちろん、海に漂う有害化学物質を吸い寄せるという性質を持っている。たとえば、使用禁止となったDDTやHCHなどの農薬、殺虫剤は、この世から消えたわけでなく、ごくごく薄い濃度で海洋中を漂っている。ところが、プラスチックはこれらの有害物質を粘着テープのように拾い集めてしまう性質があるのだ。波間に揺られてあっちへこっちへ流れるうちに、人体に危害を及ぼす物質がベタベタとへばり付けばどうなるか。海水中の濃度に比べて、プラスチックに付着するDDTやHCHなどの濃度は、実に10万倍から100万倍に達する数値に上ることが判明している。
今、地球規模で問題になっているのは、5mm以下のサイズの「マイクロプラスチック」である。どんなに小さくなっても、プラスチックは自然分解されないため、有害化学物質の衣を何重にもまといながら、海中を浮遊している。魚はプランクトンと一緒に、このプラスチック片を食べてしまうのだ。発がん性があり、造血障害を引き起こし、肝腫瘍を作り出す恐れのある、毒入りの破片を。
魚にも食物連鎖がある。小さな魚は大きな魚、大きな魚はさらに大きな魚に食べられ、汚染物質が濃縮されていく。そして、連鎖の頂点に立つのは人間だ。人間は汚染された魚を食べている。自らの手で作り出し、放棄したはずの毒を食べている。
魚だけではない。海鳥、貝、ウミガメ、クジラの体内からもマイクロプラスチックが検出され、環境ホルモンのダメージとともに、有害化学物質からの打撃を受けている。人類がプラスチックを生み出した罪は、こんなにも大きいのだと気づき、苦しくて何も言えなくなった。
生協の学習会で、講師の東京農工大学教授、高田秀重教授がおっしゃった言葉が浮かんでくる。
「マイクロプラスチックは、主にポイ捨てされたゴミが原因です。レジ袋などが路上に落ちていますよね」
「ペットボトル、レジ袋など、使い捨てプラスチックを減らしましょう」
「プラスチックのリサイクル費用は自治体の負担となっています。私たちの税金をもっと有効に使うには、はじめから使わないのが一番です」
「我々は地球という惑星に住む場所を借りているだけなので、キレイにして返すのが普通です」
絶望感に打ちのめされている場合ではない。
私たちができるのは、まずプラスチック製品を買わないこと。
ブログで危機的状況を発信すること。
教員という立場を生かし、生徒たちにプラスチックの脅威を伝えること。
できることから、脱プラスチック生活を始めていこう。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)