これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

いいことあったよ(2)

2014年03月23日 17時40分20秒 | エッセイ
 今日から、さかのぼってみること9日、3月14日はホワイトデーだった。
 朝、出勤すると、机にプレゼントの山ができている。何人かの職場の男性陣から、バレンタインデーのお返しが届いていたのだ。
「いつもお世話になっています」
 中でもうれしかったのが、事務室の男性がつけてくれたメッセージカード。女性は、こういうひと言に弱いので、意中の相手がいたらぜひ試してもらいたい。
「さきほどは、ありがとうございました」
 なるべく早く、プレゼントをくれた男性、一人ひとりにお礼を言って回る。今年は、バレンタインのチョコを渡した相手が多かったので、お返しもたくさんあった。いくつかは、おやつ用にとデスクに入れ、残りは家に持ち帰った。
「ただいまぁ」
「おかえり」
「おみやげ持ってきたよ」



「おお~」
 中には、フォークが突き刺さったマフィンもある。



 きっと、ユニークな商品が好きな人なのだろう。「こんなもの、あるんだね」と笑った。
 ところで、夫からのお返しが出てくる気配はない。定年退職を機に、引きこもりに近い状態となっているから、買いに行くのが面倒なのかもしれない。
 おそらく、そんなことだろうと予想していたが……
「ここに置いておくから、食べていいよ」
「うん」
 夫は何も用意していないのに、声をかけると他の男性がくれた、クッキーやらチョコレートやらに手を伸ばす。
 バリバリと食べる様子を見て、ガッカリした。若いときは、私を喜ばせようとして、あれこれ企画してくれる人だったのに。歳を取り、彼はすっかり変わってしまった。
 そんなこんなで、夫に何かを期待するのは間違いだと思い込んでいた。
 昨日は、夫が珍しく出かけ、大きな紙袋を持って帰ってきた。
「ママ、これ、おみやげ」
「え?」
 袋には、ゴディバと書いてある。まさかまさか。
 中には、カラフルな箱が2つ入っていた。



 小さな箱はチョコレート。



 大きい箱には「ビスケット」と書いてあるが、フィルムがなかなかはがれない。



「くううう~!」
 娘と2人がかりで、どうにか開けられた。粘着力が強すぎるようだ。



 ビスケットとチョコレートの相性が実に素晴らしい。ビターで香ばしいチョコレートと、サクサクして歯ごたえのあるビスケットが組み合わされると、ついつい止まらなくなる。
「おいしいよ♪」
「うん」
 ほめられ、夫もまんざらではないようだ。
 プレゼントそのものよりも、自分を気にかけてくれたことがうれしい。スルーされるのは淋しいのだ。

 ここで一句。
 お返しは 忘れたころに やってくる


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コメント (10)
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