これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

食わず嫌い

2013年02月03日 20時53分09秒 | エッセイ
 今日は節分だ。
 数年前から、恵方巻なる商品が登場し、このイベントには不可欠であるかのようにまくし立てる。
「子どものときには、そんなもん、なかったぞ!」と反感をおぼえ、私は一度も買ったことがない。しかし、ブログネタが切れたこともあり、今年は「食べてみるか」と低姿勢になった。
 デパ地下、コンビニ、スーパー……。恵方巻は、あらゆる食品店で取り扱っているようだ。
 同僚はフライングして、1日にコンビニの恵方巻を食べていた。「これ、美味しい」とつぶやきながら、彼女が頬張っていたのは海鮮恵方巻であった。京都の清水寺で、厄除開運のご祈祷を受けた海苔を使用しているらしい。
 だが、大きな口を開けて、太巻きにかぶりつく場面は美しくない。今年の恵方・南南東を向き、阿呆な姿をさらすのは自宅のみにしたい。

 海鮮だったら、手作りにしたほうが美味しいんじゃないかな?

 幸い、手巻きずしのネタは、スーパーなどで売っている。ちょっと奮発して、デパートの鮮魚コーナーで、よさそうなものを調達してきた。



 まきすに海苔を敷き、ご飯とネタを載せる。本を見ると中央に置くようだが、端を使ったほうが上手く丸められるのは、私だけだろうか……。



 ネタの上にご飯を広げる。こうすると、ネタの位置が片寄らないのだ。



 クルッと巻いてでき上がり。



 恵方を向き、願い事をしながら口に頬張る。このとき、おしゃべりをしてはいけないらしい。
 しかし、予想を遥かに超えた恵方巻の味に驚き、心の中で叫んだ。

 美味しい!!!!

 一つひとつのネタは、味も食感も違う。でも、突出して目立つネタがない代わりに、存在感のないネタもない。ホカホカしたご飯の中で、組体操を披露するように、見事に調和している。サーモンの上にイカ、イカの上にイクラが登り、ピラミッドの完成だ。甘エビも、玉子やカンパチ、マグロと手をつなぎ、大きなウエーブが登場した。

 うーん、素晴らしい……。

 こんなに感動的な味になるとは思わなかった。もっと早く作ればよかったと、少々後悔する。
「いやあ、マジうまいよ~」
 食べ終えて、娘に話しかける。しかし、彼女はまだ食べている最中だった。目を閉じ、うっとりとして、口の中のパフォーマンスを楽しんでいる。
「メチャいけるわ」
 夫は5口くらいで平らげ、「こりゃいいや」と喜んだ。
 家族にも大好評である。
 手巻きずしのネタさえあればできるのだから、節分に限らず、年に何度か作ってみようかな……。
 食わず嫌いはいかんね。


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コメント (18)
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