実話から着想を得た作品とのことですが、 映画化された際のストーリーはかなり実話とは異なっているそうで す。
映画は、 主人公による諜報活動よりもその過程でのラブストーリーに軸足を おいて大きく脚色を加えています。そのせいか、 出来上がった作品の批評家の評価は低いものでした。
ただ、私としては “エンターテインメント作品” として観ていたので結構楽しめました。
スパイ容疑で逮捕された年老いた主人公の今の姿と、 諜報活動に関わるに至った当時の若かりし姿をパラレルに描いた構 成は、 物語の展開をリードしつつも場面切り替えに適度なメリハリを与え ていたと思います。息子と並び立ったラストシーンも、“ベタ” ではありますがよかったです。
スパイ容疑で逮捕された年老いた主人公の今の姿と、
もちろん、当時の世界情勢や各国の政治動向と絡めて、 彼女の諜報活動の実際をリアリスティックに描くという “ドキュメン タリータッチの作り方” もあったでしょう。 そちらもまた面白そうですね。