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般若心経 (玄侑 宗久)

2006-10-25 01:22:52 | 本と雑誌

Shaka  孔子や老子といった極めてポピュラーな思想家の著作は目にする機会が多いので、何となく「儒教思想」「老荘思想」とはこんなものかというイメージが浮びます。

 他方、東洋思想におけるひとつの大きな底流である「仏教」については、どうも「宗教」という色彩が強く、そういった先入観からなかなか触れる機会がありませんでした。

 このところ「武士道」「五輪書」あたりの流れから「禅」関連の本も読んだりしましたが、今回は、最もベーシックな仏教関係の知識をということで「般若心経」を選んでみました。

 「般若心経」は、ご存知の通り「大乗仏教」における代表的な経典のひとつです。

 般若心経は「般若波羅蜜多」を主眼目においています。
 「般若」とは、「理知によらない体験的な『知』の様式」だと言います。「般若波羅蜜多」で「智慧の完成」と訳されることが多いとのことです。

 般若心経は、「般若波羅蜜多」に至る道を説いていますが、最後に、それに達するための咒文を示しています。

(p194より引用) このお経は、テーマが「般若波羅蜜多」という普遍的真理、そしてそれを実現するための咒文です。

 「響き」が「文字」を越えた導きになるとの考えです。

 そもそもバラモン教をはじめとするインドの宗教文化においては、「聖典の暗誦」が基本的な修行でした。

(p126より引用) 言葉というものが、どのような状況で誰に向けられたものであるかを抜きに一般化されて伝えられるべきでないという考え方。・・・表情や声の響きその他、音声言語には文字には写しとれない豊かな情報が含まれているということです。

 言葉は、その聞き手に対して発せられます。聖人の教えは一人一人に向かうということです。

 本書の巻末に「般若心経」の全文が載っています。
 本文262文字。試しに音読してみましょう。

現代語訳 般若心経 現代語訳 般若心経
価格:¥ 735(税込)
発売日:2006-09

コメント (1)
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