OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

「総合力」商社

2005-07-28 23:44:42 | ブログ

 数ヶ月前に開催されたEA(Enterprise Architecture)フォーラムでの三井物産CIOのお話の中に出てきたフレーズです。

 最近流行の「○○力」の類かと思ったのですが、ちょっと調べてみると結構前、2001年から使われているキャッチコピーでした。

 当時言われ始めたITやインターネットの急速な進展による「中抜きの時代」「商社不要論」に対し、その厳しい環境下で生き抜いて行く三井物産の回答として「旧来の総合商社」から「総合力商社」へ進化してゆくことを社内外に向けてアピールしたのでした。
 ラーメンから人工衛星まであらゆるものを商材として扱う「総合」商社ではなく、広範かつ専門的な力(スキル・ノウハウ等)をintegrateした「総合力」をもった商社となることを目指すものでした。

 ここでいう「総合力」をもう少し具体的に言うと、「総合」商社ならではのあらゆる分野で培ってきた情報力・ノウハウ・高い専門性・信用力等を統合することで生まれる「問題解決力」とのことです。

 最近、いろいろな業界でいろいろな会社が「顧客にソリューションを提供する」とうたっていますが、生半可なノウハウの寄せ集めでは底力のある商社と伍してやっていくのはなかなか厳しそうです。

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プレゼンテーションは「プレゼント」

2005-07-24 19:57:02 | ブログ

 これも妹尾堅一郎教授の言われるプレゼンテーションの極意のひとつです。

 プレゼンテーションは、相手への「プレゼント」です。
 「プレゼント」するときは、相手の好みを考えて贈り物を選ぶはずです。決して「自分が好きなもの」を贈るのではありません。

 したがって、プレゼンテーションは、「自分が話したいこと」ではなく「相手が聞きたいこと」を話さなくてはなりません。相手に気に入ってもらわなければ何の意味もありません。

 繰り返しになりますが、「プレゼンテーションは聞く人のため」です。あくまでも「聞く人が主役」です。
 とすると、「プレゼンテーションは相手に合わせ」なくてはなりません。たとえば、相手の態度を見ながら説明のポイント・テンポ・話し振り等を変える必要があります。

 特に気をつけるのは聞き手の視線です。プレゼンテータは、プレゼンテーション中に、常に、聞き手の「キーマンの視線」に気を配らねばなりません。

 実際のプレゼンテーションは、スクリーンにスライドを写しながら行いますが、しばしば説明用スライドをコピーしたものを聞き手に配布する場合があります。
 この場合、プレゼンテーション中に、聞き手が「資料の先のページ」をめくっていたら要注意です。この場合は、何がしかの部分でプレゼンテーションの進め方を変えなくてはなりません。
 なぜなら、相手が資料の先を見ているというのは、そのとき説明している内容には集中していないということだからです。

 すなわち、

  • 「①そのページは理解した」か、
  • 「②そのページに、関心がない」か、
  • 「③プレゼンテーション自体に興味がない」か、

のいずれかなのです。

 ①②の場合であれば、サッサとそのスライド(ページ)の説明は切り上げて次のスライドに移ります。
 ただ、③の場合はどうすればいいでしょう?

 この場合は、ともかく以降の説明はメリハリをつけてポイントだけを話し、早めに切り上げることです。
 聞きたくない話を延々と続けられると、相手は間違いなくイライラしてきます。こういう不満が高まると、相手に対して決定的に悪印象を植え付けてしまいます。

 そのときのプレゼンテーションは失敗だったとさっぱりと諦めて、次回のチャンスのためにマイナス印象を少しでも減らしておくのが得策です。

 プレゼンテーションは、自分のペースで話し切って自己満足しても、相手に気に入られなければ全く無意味なのです。

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100調べて、10にまとめて、3しゃべる

2005-07-18 00:35:02 | ブログ

 プレゼンテーションの基本として、妹尾堅一郎教授が常々言われている心得です。

 この心得の全く逆さまのようなプレゼンテーションにも時折お目にかかりますね。すなわち、「3しか本当に調べていないことを10ぐらいに膨らませて書いて、しゃべるときには関係の無いことまで縷々話して結局何も残らない」というものです。

 妹尾教授の心得を下敷きに私なりにもう少し肉付けをしましょう。

 まずは、「書いてあること全てをしゃべってはダメ」ということです。

 プレゼンのスライド(最近はPowerPointがデフォルトですね)の1枚目から一言一句もらさず「読まれ始める」と、大半の聞き手はそれだけでうんざりして失望します。
 書いてあることは「読めば分かる」のです。スライドのエッセンス部分を取り出して、「箇条書き」的に話すだけでずっとスマートに聞こえます。

 かといって、資料から全く離れたことばかり説明してもダメです。これでは、一体何のためのスライドかということになってしまいます。(目的と手段のアンマッチは、話し手の論理的思考力の欠如と映ります)

 また、プレゼンする場合は、「総論・結論」と「各論・根拠」のメリハリをきちんとつけることです。

 自分の手元には、「本編資料」・「参考資料」・「手持ち資料」の3つの資料を準備しておきます、スライド本体は「本編資料」と「参考資料」の構成にしておきます。しかし、基本的には「参考資料」は説明しません。「10にまとめて、3しゃべる」のルールです。
 参考資料は、プレゼンが終った後の質疑応答の時や、話していて「どうもここは分かっていないな」とか「ここは結構関心がありそうだな」と感じたときに、そのスライドにジャンプして使います。

 「結論」と「根拠」の説明はプレゼンテーションのコアです。したがって慣れない人はこの部分になると気分が高揚して自分の世界にのめり込んでしまいます。ついつい必要以上にくどい説明になってしまいます。
 しかし、ここはガマンです。スライド資料に複数の根拠を記述していても、聞く人が「結論」を理解したと思えば、全ての根拠を説明する必要はありません。理解してもらえばいいのです。その目的さえ達成できれば、準備したものを全て話す必要はありません。ここでも「10にまとめて、3しゃべる」です。

 プレゼンテーション全体のイメージは、

  • 書いてあることを「3割」ぐらいなぞりながら、
  • 書いていないことをちょっと補足しながら、
  • 「(ここで)言いたいこと」(結論・根拠・事実・ロジック等)をゆっくり話す

という感じです。

 それでは、「最初の100」はどこへ行ったのかということですが、これは聞いている人にははっきり分かります。
 100調べている人のプレゼンテーションには余裕があります。話ぶりはゆったりとしていて、それでいて、何でも聞いて来いという攻めの姿勢が感じられるものです。

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実数と比率

2005-07-15 23:57:20 | ブログ

 数値で現象を分析する際の注意です。

 分析する際には、よく販売シェアとか構成比とか増減率とかという「比率(割合)」で傾向を分析することがあります。比率は一見傾向を分かりやすく表しているように感じますが、「一見分かりやすい」というものには、必ず落とし穴があります。

(「価値組」未来企業へのシナリオ(監修:島田 精一)p84より引用) 消費地として急成長を遂げる中国市場では、決して平均値で市場を測ってはいけない・・・。中国市場では10%でも日本市場と同じ顧客規模になる。・・・携帯電話の加入数を見ても・・・普及率に換算すると大きな差があるが、絶対数ではすでに中国市場のほうが大きいという現実がある。

 「率」は割り算の結果でしかないので、実態として些細なことが大きな変動の値(率)として表されたり、逆に、実数としては大きな動きであっても率にすると大したことに見えなくなったりすることがあります。

 分析の用途によりますが、「率」は常に「実数」とセットで考えないとミスリードする恐れがあるのです。

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データ(情報)の使いわけ

2005-07-14 23:01:04 | ブログ

 他の人にレポートする場合のデータの扱いについてです。

 データにはいろいろなタイプがあります。たとえば企業等での経営管理に用いられる報告の場合は、通常「速報値」と「確報値」があります。

 そのうち、管理会計は経営の舵取りにタイムリーに資するためのものなので、ゆっくりと「結果、こうでした」と報告されても後の祭りということがあります。
 したがって、管理会計の場合は「速報」が重要です。「速い」ことに最大の意味があるのです。問題点の兆しが分かればいいので、その精度についてはある程度許されます。
 最近では、速さとともに正確さも求める動きも出てきました。Real-Time Managementを志向する企業もあり、リアルタイムの販売状況や数時間前の各種経営数値をレポートしている例もあります。(どの程度それがその迅速さと同等のレベルのアクションに結びついているかは?ですが・・・)

 他方、財務会計・税務会計は「確報」です。数値の正確性に意味があります。しかしながら、最近は財務会計(決算)についても迅速性が求められるようになりました。米国証券取引委員会(SEC)の方針投資家への情報提供(IR:Investor Relations)の充実の観点から決算の早期化が求められているのです。

 いずれにしても、データ(情報)はその用途によって求められる性格が異なります。そこのところをキチンと意識して送り手は発信しなくてはなりません。
 また、受け手も、そこのところをキチンと理解して活用しなくてはなりません。

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ストーリは「ブロック積み木」

2005-07-09 23:51:44 | ブログ
 企画書であれ報告書であれ、相手に何かを伝えるアウトプットにはストーリが必要です。根拠となる事実・それに基づく論旨・それらにより導かれる結論等が一連のものとして繋がっていなくてはなりません。他人が見聞きして「一連のストーリ」と感じるためには、そういう「構造化された論理展開」が不可欠です。

 この「論理の構造化」をうまくやる最も基本的な方法は、「ブロック積み木」の要領で論旨を組み立てるというやり方です。

 「事実」や「条件」や「結論」等をそれぞれ「ひとかたまり」の「ブロック(テキストボックス)」にまとめて、それらを相互の関連を考えつつ組み合わせていくのです。

 そのときのポイントはいくつかありますが、特に注意するのは以下のような点です。

  ・ひとつのブロック積み木には、異質のものを入れないこと、
  ・2つか3つ程度のブロック集めていったん中位のかたまりを作る
   こと
  ・その中位のかたまりで何かひとつのメッセージ伝えること

 そして、その中位のかたまりをいくつか組み合わせて、全体ストーリ(「始めに」から「結論」まで一連の話)に仕立てるのです。

 ともかく、常に自分が説明者になったつもりで準備することです。「ブロック」の順序をあれこれ変えながら、自分ならどういう順番で話すか、どういう順番で話すと聞く人によりよく分かってもらえるか、を考えるのです。

 ただ、これだけでは十分ではありません。可能なら、今度は「聞く人(説明を受ける人)」の立場にたって、どういう内容をどういう論旨で説明してくれたら分かりやすいか(腹に落ちるか)をイメージすることです。

 説明する方の立場で考えると、あれもしゃべろう、これも説明しておこうという感じになって、かえって論旨が分かりにくくなってしまいがちです。

 聞く立場でいえば、腹に落ちれば理由はひとつで十分ということもあります。分かりきっていることや、細かすぎることをあれこれ説明されると返って混乱してしまいます。
 理解している人にこれでもかと覆いかぶせるような説明をするのは労多くして益なしです。


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WHATとHOW

2005-07-08 23:33:14 | ブログ
(夢を力に(本田宗一郎)p236より引用)我われが行動する場合には、気づくことが先決条件である。技術があれば何でも解決できるわけではない。技術以前に気づくということが必要になる。日本にはいくらでも技術屋はいるが、なかなか解決できない。気づかないからだ。もし気づけば、ではこれの半分の時間でやるにはどうすればいいかということになる。そういう課題がでたときに技術屋がいる。気づくまではシロウトでもいい。そういういちばん初歩のところを、みんな置き忘れているのではないかという気がしてならない。(1959年)


 この点は、まさに最近よく言われている「WhatとHow」の話しです。この場合、「気づく」ことの目的語が「What」になるのです。本田氏は、「Whatに気づく」重要性について、すでに1959年に語っています。

 最近の著述でいえば、たとえば、慶應大学大学院政策・メディア研究科教授高橋俊介氏の記事に分かりやすく解説されています。

「What」と「How」を従来の経営ではプラン「Plan」と呼んでいたが、実は「What」と「How」を別々に考えることが重要である。いわゆる事業の目的や仕事の意味にあたる。「What」 を構築する能力と、その「What」を「How」に分解する能力は極めて異なる。これが理解できないとソリューション事業はうまくいかない。それだけではなく、今後の知の時代、全ての組織で、根幹に関わる問題である。

ピラミッド組織は受注生産組織には向いていた。またモノを売る場合はうまくいっていた。この組織では、ごく一握りのエリート社員や1人のオーナー社長が「What 」を作り、多くのエリート中間管理職がそれをうけて「How」に分解する。そして多くの平社員が「Do」を行う。「Check」はそれ専門の部署で行う。「What」や 「How」や 「Do」や 「Check」を組織階層により分担して行う。分担度合いが高ければ高いほどピラミッド組織が見事に出来上がっていた。


 現代のあらゆる業種業態の市場においては価格競争の限界が語られ、その市場のプレーヤ(参入企業)は、差異化戦略への転換・対応が求められています。すなわち「どうやるのか」ではなく「何をやるのか」が差異化のポイントになっているのです。
 みんな「何をすればいいのか」に迷い悩んでいます。「上司だからといって必ずしも『何を』を見つける能力が高いとはいえない」ということです。

「お前の客にソリューションを提供するんだ。」「レベルの高い提案書を顧客に持っていって、お客様と戦略的なパート ナーを構築できるような関係を構築するのだ。」 「私の担当しているA社には何を提案すれば良いのですか?」「俺にも解らない。だって顧客の所へ行ったことが無いんだから。」この何をするのか 「What」を上司に相談しても答えが返ってこない。


 むしろ顧客に近い第一線の社員の方が、マーケットのニーズに直接接している分「何が求められているのか」に気づくチャンスは圧倒的に多いのです。

 「何をやるのか」を示すことのできないリーダーはその存在意味はなくなります。


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資料作成の5W→1H

2005-07-02 22:46:50 | ブログ
 会社で働いていると、通常の業務のアウトプットとして何らかの「資料」を作成することがよくあります。

 そういった資料作成における基本的な留意点です。

 資料作成(「どのように(How)作るか」)のポイントは、「5Wを意識する」ことです。この場合の5Wは、(ちょっとこじつけっぽいですが、)
まず、「資料作成に取りかかる前に
   ① いつ (When)
   ② どこで/どんな場面で (Where)
   ③ 誰が (Who)
   ④ 誰に対して (to Whom)
   ⑤ 何をする (for What) ための資料か
を考える」ということです。

 「何を言いたいための資料か?(for What)」については、誰でも意識していると思います。(もちろん、そもそもその点からして曖昧な資料も時折見かけますが・・・)が、それと同程度に重要なのは、「誰が(Who)使う(説明する)資料か?」という点です。

 資料作成の初心者は、無意識のうちに「自分」が説明することを前提にして、自分の世界のみをイメージして資料を作ってしまいます。
 そうなると、記述内容が専門的過ぎたり、ともかくあれこれ説明しておきたいことをテンコ盛りにしたり・・・となりがちです。
(特に、学生時代は、たとえばゼミの発表にしても何にしても、ほとんどの場合資料を使うのは自分自身と決まっていますから、ついついそのノリでやってしまうのかもしれません。が、これは結構、会社に入ってそこそこ経つ中堅社員の場合にも時折見かける傾向です。)

 自分以外の「誰か」のための資料は、それを使う「誰か」の立場にたって、「誰か」を主語にして作らなくてはなりません。

 同じ課題の対策を説明するとしても、部長が社長に説明するための資料と、自分が課長に説明する資料とでは、全く顔つきが異なったものになるのです。


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残業を減らしたい

2005-06-21 23:47:03 | ブログ
 昨今の企業は、時短対策に追われています。

 「労働時間の短縮の流れを一層確実なものとし、平成17年度までの間に年間総実労働時間1800時間の達成・定着を図るため、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働の削減に重点を置いて取組を進める。」(資料出所:労働時間短縮推進計画 平成13年8月3日閣議決定により最終改定)との政府方針が示されていて、今年度(17年度)が「年間総実労働時間1800時間の達成」の最終リミットとなっているのです。
 とはいえ、実際上はなかなか簡単にはいきません。

 そんな折、京セラが始めた「アメーバ経営」のコラムを読んでいて当たり前のことに今さらながら気がつきました。

 「アメーバ経営」おいては、各アメーバ(6~7人くらいずつの小部門)は「時間当たり採算」という独自の管理会計の指標を競います。
 「時間当たり採算」は、「稼いだお金-使ったお金(経費)=もうけたお金」と「もうけたお金÷使った時間=時間当たり採算」の2式で算出します。つまり、稼ぎを最大限に増やし、経費を最小限に抑え、労働時間を最短にすることで、時間当たり採算は高くなるという構造です。

 「時短」は、単純な「時間短縮」では意味がありません。本質は「能率向上」とセットのはずです。「能率向上」は各ビジネスユニットの「業績の向上」と直接的に結びつきます。この「業績」は各企業で定めた「管理会計制度」に基づき数値化され評価されるわけです。

 しかしながら、多くの企業の管理会計は、P/L、BS、キャッシュフロー等の「単位:金額」が中心です。それらの「金額(や基礎物数)」を引いたり割ったりしていろいろな評価指標を作っていますが、人に係る生産性についてはせいぜい「売上高/人件費」や「一人当たり売上高」等で見ている程度です。

 本気で「時短」に取り組むのであれば、アメーバ経営で採用されているような指標、すなわちストレートに「単位時間における貢献(部門により、それは「売上高」であったり「コスト」であったりします)」で評価すると宣言すればいいのです。極々素直に、「時間」をそのまま「評価指標の分母」に組み込むのです。
(ただ、・・・ひょっとすると、こんなことを今ごろ大仰に言っているのは、私の会社だけでしょうか・・・)


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議事録は一人称で

2005-06-16 00:07:55 | ブログ
 会議や打合せを主催した場合は、必ず「議事録」を残します。
 明確に事務局が決まっている場合は、当然「事務局」が作成し、出席者に意見照会を行ったうえで確定させます。

 重要な案件を決定する打合せの場合は、この議事録確認が非常に重要になります。あとあと議事録しか共通の証跡になりませんし、「関係者への意見照会→確定」というプロセスを経ていると、「このときの趣旨は、そういうことではなかったのだが・・・」と言ったところで後の祭りになります。

 また、打合せの場での発言に関していえば、「自分が訴えたつもりのこと」が「議事録という他人の文」に置き換えられると、時折、あれ?こういう話じゃなかったのに・・・ということがあります。
 往々にして、「他の人が聞いて理解した(つもりの)こと」は他人勝手?な解釈になるものです。この点の補正も、議事録の意見照会の回答時点で行っておかねばなりません。
 意見調整のための打合せは、「議事録の確認」まで息を抜くことはできません。

 打合せで明確に事務局が決まっていない場合は、出席者の誰かが議事録をまとめることになります。

 こういう場合は、(その案件が自分に直接関係がある場合は特に、)自ら議事録の取りまとめを買って出るべきです。
 自分で整理すると、(自分が発言した部分について)前述のような発言趣旨の取り違えは生じません。また、議事内容の取捨選択のイニシアティブもとることができます。

 当然のことながら議事内容を曲げることは絶対厳禁(関係者への意見照会は行うのでそもそも不可能)ですが、議事録のまとめ方ひとつで、もう一回打合せをやったような効果を現出することができるのです。


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ことば(単語)の「定義」をキチンと確認

2005-06-12 00:42:22 | ブログ
 「酒は何にしますか?」

 私が以前2年間ほど住んでいた熊本では、「酒」といえば「焼酎」、したがって、居酒屋に行って「お酒は何にしますか?」と聞かれると焼酎の銘柄を答えなくてはなりませんでした。
 しかし、地方によっては「酒」といえば「日本酒」、「お酒は何にしますか?」というのは日本酒の銘柄の問いであることもあります。

 「酒」といっても人によって「日本酒」「ビール」「ウィスキー」「ワイン」「焼酎」等々、様々なものをイメージします。
 ただ、「酒は・・・」といって会話を進めても話がうまくかみ合わないことがあります。

 話をしていてどうも議論がかみ合わないときは、往々にしてこのような「言葉」の定義がずれている場合が多いのです。話しをしている当の本人たちは(自分の定義に寸分も疑念をもっていないので)なかなか気付きません。

 おかしいなと思ったら、確認することが大事です。「あなたが言っている『お酒』って何のこと?」

 「同床異夢」のままが一番まずいのです。


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聞かれたことには、「まず結論」

2005-06-08 00:37:26 | ブログ
 質問を受けたときのsmartな対応方法です。

 まずは、「Yes」「No」「分からない」を最初に話すのがいいと思います。そのあとに、「条件」「補足説明」を続けるのです。

 質問されたテーマについてよく知っている人ほどいろいろと細かな気になることを思いついてしまいます。そのためスパッと「Yes」「No」とは言えないものです。しかし、ここは、まずは割り切って「Yes」「No」を最初に言う癖をつけましょう。

 尋ねた人は結構せっかちです。分からないから尋ねている訳で、その答えになかなか到達しないとイライラしてきます。
 また、理由や背景から話し始めると、尋ねた方は、「尋ねているポイント自体を理解しているか不安」になってくるものです。

 まず、「Yes」「No」を答えてから、その根拠の説明も「箇条書き」的に話します。「理由は、以下の3点です。ひとつ目は・・・・」という感じです。

 こうやると自分自身でも「自分の頭の整理」ができますし、聞いている方も、ロジカルに頭の中に入ってきます。


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「メール」の作法

2005-06-02 00:06:23 | ブログ
 先に情報共有のためにはミーティングが望ましいと書きましたが、時間的にまた物理的に一同に会することは難しいのが現実です。
 最近は情報共有の方法としてメールが基本になりつつあります。

 情報共有の肝は、「タイムリーにすべての関係者と共有」することです。対象となる「すべての関係者」は、以前お話したとおりより広範な情報活用の機会を担保すべく「思いつく限り広く」捉えるのがよいと思います。

 メールはこれらの目的のためには有効な情報伝達手段ですが、活用するにあたってはいくつかの注意が必要です。

 まずは「CC」「BCC」の利用に際してです。

 「CC」「BCC」は同報で多くの関係者に情報伝達できるので非常に便利な方法です。しかしながら、単なる情報の垂れ流しになったり、無責任を助長する(責任の拡散)ことになったりするおそれがあります。
 これを避けるためには必ず「情報のあて先(情報をもとにアクションを起こすべき責任者)をはっきりさせる」ようにします。「責任者はTo」で、「関係者はCC」でと明確に区別します。具体的アクションを求める情報の場合、CCに監督者を入れると伝達先に緊張感を与えることになり有効です。
(ただし、情報の受け手が気がつかないとそれまでですし、監督者によってはそういう方法を好まない場合もあるので要注意)

 「BCC」は、遠い関係者やこういう動きがあるということを聞き知っておいて欲しい監督者に対する情報伝達方法として使います。
 BCCの場合はむしろ受け手側で注意が必要です。発信者は他の関係者に知られたくないという意思でBCCを使っているのですから、そのメールをBCCで受けた人があからさまに「全員に返信」してはまずいことになります。このあたりは情報の発信者と受信者との間の阿吽の呼吸とも言えます。

 次に気をつけたいのは「メーリングリスト」です。

 メーリングリストは頻繁に決まったメンバに対し情報伝達する場合非常に有効です。
 ただ、メーリングリストの致命的な欠点は、使用する瞬間のメーリングリスト登録者の確認が困難だということです。そのために必要な人に情報が送れなかったり、伝えるべきでない人にまで情報を送ったりするおそれがあるのです。
 したがってメーリングリストの活用にあたっては、「メーリングリストメンバの現行版」を常に確認可能な形にしておくことが重要になります。メーリングリストの管理者はメンバの追加・削除があるたびごとに全員に連絡しなくてはなりません。

 また、「メーリングリストのグループ化・階層化」も有効です。メーリングリストを情報の種類によって使い分けたり組み合わせたりできるようにしておくのです。ただ、うまくグループ化しておかないと同一の人に対して何通ものメールが送られることになりますから、結構工夫が必要です。

 いずれにしても、メールでの情報伝達は常識化して来ていますから今後共通のマナーが定着していくことと思いますが、併せて、そういうマナーを意識して醸成してゆくことも大事になります。


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事業部制

2005-05-29 15:59:39 | ブログ

takekuraさんのブログに事業部運営の話題がアップされていたので、ちょっと雑感です) 

 事業部制のひとつのメリットとして通常「意思決定の迅速性」があげられます。

 確かにそのとおりの面は否定しませんが、実際上の事業(企業)においては、乱暴な言い方をすると「迅速な意思決定」は「責任者や担当者のやる気の問題」でもあります。担当者に重要な施策であるという信念があり、関係者に納得性があれば組織の枠など関係なく(円滑にまた強引に)進めることはできるものです。(もちろん、そのための手間やエネルギーはある程度覚悟する必要はありますが)

 「事業部制」の目的は、究極的には「企業の業績向上への貢献」であることは言うまでもありません。すなわち、「事業部をひとつのvirtual corporationと位置づけ、事業部個々の自主的・自立的活動の結果、総体としての企業業績の極大化を目指す」という合目的的な手段であるわけです。

 この場合、「事業部制」は「社内管理会計制度」とセットになります。管理会計は「事業部の業績」を把握するための社内会計ルールですが、これは、各事業部のmissionの達成状況を数値であらわすことによる経営管理ツールです。したがって、管理会計ルールをどう作るか次第で「事業部の業績数値」にブレが生じ「事業部管理・評価」は大きく変動することになります。

 特に企業内に異質のmissionを持つ複数事業部(たとえば、販売事業部・プロダクト事業部・設備事業部等(場合によってはCC(コストセンタ)やOH(オーバヘッド機能)も含む))が存在する場合は結構面倒です。
 
各事業部のmissionによって、それぞれの重点管理指標は「売上」であったり、「コスト」であったり、「利益」であったり、「キャッシュフロー」であったり、はたまた「資産回転率」であったりとバラバラになるのです。

 企業総体としての業績は多くの場合「利益」(もしくは「キャッシュフロー」)で表されることが多いので、通常の管理会計でも各事業部の最終指標は「利益」としています。
 が、上述のように種々の異なる性格の事業部が混在している企業体の場合は、管理会計としては、各事業部の管理数値をなんとかして
「利益」の姿に収斂させる操作が必要になります。そのため、管理会計の仕組みは、様々な軸をもつ各種の社内取引ルール(固定的コストの分計・社内卸価格の設定等)の複合体になってしまいます。

 その結果、各事業部での実行動にもとづく成果が直接的に管理会計数値に反映されにくくなります。
 このことは、しばしば、自事業部の目標未達成の言い訳として「配賦コストが予想外に増えたため」とか「社内卸部門の効率化が不十分だったため」とかいった、他責の内部要因を「ことの元凶」と言わしめることにつながるのです。
 これでは、事業部利益の良否が、自事業部の評価や自責としての改善アクションの動機付けになりません。

 事業部制にもとづく事業運営を企業の全体最適化に真に寄与させるためには、自責のアクションをどれだけ管理指標(利益)に反映させることができるかという「事業部業績管理ツールとしての管理会計制度の出来」が非常に重要なものとなるのです。

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情報伝達 -基本は「ミーティング」-

2005-05-25 00:32:35 | ブログ
 情報伝達の基本は、なんといっても「ミーティング」です。

 メールやWeb、企業によっては何らかのKnowledge Management Systemでの情報伝達も広まっていますが、面と向かってのミーティングにかなうものはありません。

 なぜか? 情報伝達の肝は情報を「早く」「正確に」伝えることだからです。

 「早く」を実現するのは「フラット&ダイレクト」です。(Direct Communication)
 「正確に」を実現するのは「直接&双方向」です。(Interactive Communication)

 「早く」の方はわかると思いますが、「正確に」のポイントに「双方向」が加わっています。
 「双方向」はなぜ重要か。一方方向だと本当に誤解なく情報が伝わったか(A→A)の確認が難しいからです。
 双方向の場があれば、情報の発信側からきちんと伝わったかどうか確かめることができます。十分でないと感じた場合は繰り返し伝えたり補足説明したりできます。また受信側は、よく分からなければ質問できますし、自分の理解が正しいか否かをその場で確認することもできるのです。


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