Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

注意深く周囲を見つめ、調和する

2007-08-02 23:37:04 | Hokule'aの教えてくれたこと
第2部覚書の続き

第2部のNainoaさんのお話の冒頭で、
この航海の成功にあたり、感謝を捧げたい5人の名前が挙げられていた。

その5人とは、

1.Herb Kane(ハーブ・カネ):
 Hokule'a構想の立役者。
 12年間もの長い間Hokule'aの構想を練り、現実にしたVisionalist。

2.Mau Piailug(マウ・ピアイルグ):
 Satawal島の誇る伝統航海士。Nainoaさんの師匠。

3.Will Kyselka(ウィル・キセルカ):
 プラネタリウムを使い、航海術のスピードラーニングを可能にした。
 80年のTahitiへの航海では、伴走船イシュカでHokule'aを支えた。
 【星の航海術をもとめて】の著者。

4.Pinky Thompson(ピンキー・トンプソン):
 Nainoaさんのお父様。
 Nainoaさんいわく、『人間として大切な価値観を教えてくれた人』。

5.Eddie Aikau(エディ・アイカウ):
 Waimeaの伝説的Big Wave Riderでライフガード。78年の航海で海に散った。
 Nainoaさんは、彼を【The Greatest Crew】と評していた。

何だか彼らの名前を聞いているうちに、涙が出そうになった。
既に他界している方もいるが、
彼らの魂がそばにいるような気がしてきたのだ。
これを書いている今も、実は、ちょっと涙が出そうなのだ

Hokule'aの航海術のもとになっている伝統的航海術には、
3000年の歴史があるのだそうだ。
だんだん文明が進んで便利になる世の中で、
Hokule'aが作られた75年頃は、この航海術は失われたと思われていたようだ。
※それを復興させたいきさつは、
【星の航海術をもとめて】(青土社)に詳しく書いてある。

Nainoaさんは、『航海は、準備のときから始まっている』と言った。
確かに、周到に準備するということは、より成功に近づく。
でも、自然が相手の航海だ。
下手をすると、二度と帰ってこられないかも知れない。
Nainoaさんは親友であるEddieに二度と会えなかったのだから。

怖くはなかったのだろうか。

あたしは、自分の大事な人に二度と会えないということを想像するだけで、
涙が出そうになる。
Hokule'aのクルー達は、何と強靭な精神を持っているのだろう。
あたしは、まだまだちっぽけだ。

伝統航海術では、星(Star Compass)だけでなく、
様々なものを利用する。
雲だったり波だったり、鳥だったり海藻だったり。

注意深く周囲を観察すること。
自然の流れを邪魔せずに調和すること。
まるでAlohaの精神だ。

こうやってHokule'aは、
今まで12万5千マイル(地球を約5周)も旅してきた。
彼らの偉業に、ただただ脱帽…