さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

昭和の川柳百人一句展

2016-03-13 | つれづれに

先日の金曜日、仕事帰りにみてきました。
展示期間が13日までということで、今日行かなくちゃ、とばかりに。
この週末も家事・雑事で終わってしまいそうだったので…
思いきっておでかけして、よかったです。

ひとつひとつの作品そのものはもちろんのこと、
個性あふれる筆文字、そして句にやさしく寄りそう水彩の絵…
どれをとっても味わいのふかいものでした。

館内にはほとんど人もおらず、
百人の一句ずつとゆっくり向き合い対話するという、
ゆたかな午後のひとときをいただきました。

味わいある筆文字や絵をお見せできないのが残念です。
どの句もすばらしくて、すべてご紹介したいくらいですが、その一部をどうぞ。
(敬称略です。失礼いたします)


  名を捨てて一つの机ひとつの書 (去来川巨城)

  花鋏花のいのちに触れた音 (石原伯峯)

  蟹の目に二つの冬の海がある (大野風柳)

  健康に自信過剰というやまい (岸田万彩郎)

  どん底の仕合せ捨るものがない (木村喜見城)

  したたかに酔う愚かさも見せておく (後藤柳悦)

  鶴を折る心に今は遠き修羅 (佐藤正敏)

  戦ってかちとる平和ならいらず (志水剣人)

  雪国の育ちと知れる酒の量 (高橋放浪児)

  母の振る鈴がこころの奥で鳴る (田中南桑)


  今日も陽が落ちる流れは変えられず (玉野可川人)

  天国も地獄も同じ独り旅 (長沢としお)

  暑さなら凌ぐと冬のぐちを聞く (野口初枝)

  木の家に住んでて四季に逆らわず (野村圭佑)

  貌のない手ばかり挙がる多数決 (野谷竹路)

  首塚やここに候ものは風 (尾藤三柳)

  ため息の中に多彩な男棲む (森中恵美子)

  隠し文字さがしあて得ず秋おわる (山崎鮮紅)

  仏にも春を告げよう桜餅 (山崎凉史)

  人を恋ふ人が集まる冬の酒 (渡辺蓮夫)


そしてもう一句。
展示されていた風呂敷?にあった句です。

  いなないた馬のむかしのものがたり (大野風柳)


もしお近くで展示される機会があるようでしたら、ぜひどうぞ。

川柳をしていてよかったな。
こんなよい句にたくさんであえるから…

そんなよろこびをいただきました。


   
   
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2 コメント

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さくらさんへ (宗和)
2016-03-15 09:43:49
なかなか出来ないことですが、より多くの人の
作品を鑑賞すると目が肥えてくるというのは確かでしょう。
また川柳に限らず、他の文芸や絵画や景色などの他
単なる物見遊山でも脳のリフレッシュに悪いはずありません。
そういうことに、気を付けているか無関心かで将来の
上達に微かな差が出るんでしょう。
さらに上手に息抜きすることが何よりも
今の仕事への活性化につながることと思います。

…と口では簡単に言えますが、その100人の人と句を
ほとんど知りません。これから機会がありましたら
僕も少しずつでも見識を増やしたいと思います。
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宗和さんへ (さくら)
2016-03-15 10:07:51
わたしも初めて目にする句ばかりでしたよ。
うーんいいな~と感じるものばかりで、すべてご紹介したいくらいでしたが、
これから見に行かれるひとの楽しみもありますし、
100句すべては多いしなあと、20にとどめました。
宗和さんのこころに響く句はありましたか。

よい句をつくること、歌がじょうずになること、
そのために生きているわけではなくて、
よりよくが何だかはわからないのですが
よりよく自分らしく生きるために、
そしてできれば誰かを幸せにしたいがために生きているんだろうなと思います。
そして、毎日生きて感じていることや行動していることが、
表現としての川柳や歌にはいやでも表れるのでしょうね。
みんなつながっているのだなあと思います。
だから自分をみがかなきゃーとなるのですが、これがなかなか。
つい怠惰なほうへ流れてしまいます。
でも、息抜きや気分転換もいりますよね!
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