言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
<近詠>
この春は目覚めが遅い沈丁花
あちこちが痛み足りなくなる湿布
知恵しぼり暮らす老犬老夫婦
走れなくなっても見えるいい景色
<3月句会・課題句>
「咲く」(波多野律子選)
咲く春を信じ寒さに耐える花
「予想」(青嶋由紀美選)
予想図を修正しつつ描く未来
「キャリア」(鈴木順子選)
転職はキャリアアップの足がかり
<各・地・句・報.> 松本柾子抄
プロであるために鍛錬欠かさない
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<近詠>
最強寒波立春過ぎてやって来る
平凡な暮らし守るという仕事
家計簿がため息ばかり聴いている
息切れをしないペースで歩く道
<2月句会・課題句>
「読む」(池谷英子選)
飼い主の表情犬はすぐに読む
「律儀」(波多野律子選)
よしと言うまでフードに口をつけぬ犬
近頃の四季には律義さが足りぬ
おやすみのメール毎日くれる彼
「呑気」(鈴木順子選)
冷めやすい恋呑気にはしておれぬ
休日を呑気に過ごすぜいたくさ
<各・地・句・報.> 松本柾子抄
いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ
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<近詠>
老犬と夫婦で無事に年を越す
生前の父の雑煮は餅八個
初ドライブは夫の親が待つ里へ
老犬と今年もできた初詣
<1月句会・課題句>
「プロ」(佐藤恭子選)
プロであるために鍛錬欠かさない
「掴む」(彦坂石転選)
おばちゃんが俄然はりきるつかみ取り
「作戦」(寺部水川選)
円満に暮らす作戦実施中
<各・地・句・報> 松本征子抄
手入れして咲かせた花はみな美人
[第46回 豊橋文化祭誌上川柳大会]
「力」
受け流すちからも少しついてきた
(松田タ介選)
欠かせないパワーチャージの朝ごはん
(鈴木かつえ選)
「違う」
いつもと違う脈をナースは見逃さぬ
(武山 博選)
少しずつ違う歩幅になる別れ
(冨川 章選)
「会社」
会社での夫は几帳面と聞く
(加藤由美選)
「優しい」
時々は優しい嘘に救われる
(梅崎流青選、鈴木順子選)
表彰作品は
やわらかな夜になります煮大根 柴田比呂志
なんぼでも私のスペア居る会社 戴けいこ
ガンダムのスーツが僕を変えるかも 近藤圭介
終戦に勝者の罪は裁かれぬ 五十嵐幸夢
でした^^
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<11月号・10月号句会吟より推薦句>
複雑な曲線えがく恋もよう
(寺部水川 推薦)
<近詠>
紅葉が迎えてくれた美術館
懐かしい絵との再会果たす秋
シャガールの歴史ゆっくり辿る旅
年の暮れ実感わかぬこの師走
<12月句会・課題句>
「弱い」(小松くみ子選)
冷えそうな愛を弱火で加熱する
「理由」(鈴木順子選)
いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ
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<10月号・11月号句会吟より推薦句>
ていねいに洗った皿に今日を盛る
(戸沢ほたる 推薦)
コスモスが踊りはじめた秋の風
(彦坂石転 推薦)
<近詠>
まだ単衣着たい暑さの残る秋
霜月に金木犀が花ざかり
ひと雨を境に秋が深くなる
愛犬と暖を分け合う綿毛布
<11月句会・課題句>
「ポスト」(寺部水川選)
ポストただ無事のしらせを待ちわびる
「美人」(青嶋由紀美選)
手入れして咲かせた花はみな美人
「自由」(鈴木順子選)
思うのは自由と今も片思い
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<近詠>
十月になっても真夏日が続く
いちねんの大半耐えている暑さ
季節はずれの猛暑があたりまえになる
老夫婦と老犬夏を生き延びる
<10月句会・課題句>
「カーブ」(山口タカシ選)
複雑な曲線えがく恋もよう
「踊る」(波多野律子選)
コスモスが踊りはじめた秋の風
「侍」(寺部水川選)
侍の苦悩墓まで持ってゆく
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10月号の記事をうっかり失念しておりました;;
遅ればせながら。。。
<推せん句> 8月号近詠より・鈴木順子
今のうち会わねばならぬ人ばかり
<近詠>
冷感グッズも日傘も追いつかぬ暑さ
ひと山を越えた暑さに息をつく
老犬も酷暑の夏を乗り越える
台風に翻弄されて終わる夏
<9月句会・課題句>
「洗う」(池谷英子選)
丸洗いしたい見えない核汚染
ていねいに洗った皿に今日を盛る
「これから」(佐藤恭子選)
これからの私に似合う紅さがす
「涙」(寺部水川選)
涙さえこぼせぬかなしみの深さ
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<6月句会吟から推薦句>
懐かしく話せる日までうんと泣く
(田口勝義推薦)
<近詠>
エアコンの助けも借りて生き延びる
植物の暑さに負けぬ底力
夏酒をキンと冷やして注ぐグラス
ばた足で必死にもがき泳ぐ日々
<8月句会・課題句>
「意外」(佐藤恭子選)
逆境で母の意外なたくましさ
こぼれ種意外な花が咲きました
「叶う」(青嶋由紀美選)
粘りぬきついに叶ったプロポーズ
叶う日までの汗をいとわぬ金メダル
「守る」(鈴木順子選)
死守したいボディーラインがくずれだす
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<好句往来> 6月号から・たむらあきこ
お手本は笑顔で生きる高齢者
<5月句会吟から推薦句>
間の抜けたくしゃみが静寂を破る
(小松くみ子推薦)
<近詠>
沖縄へ飛ぶ手荷物は悔いばかり
着陸をしたのに浮いたままの足
きっとまた会えると信じひろう骨
今のうち会わねばならぬ人ばかり
<7月句会・課題句>
「嘘」(佐藤恭子選)
笑わせるために優しい嘘をつく
「プロ」(小松くみ子選)
動揺は見せず仕事をこなすプロ
「懐かしい」(寺部水川選)
懐かしく話せる日までうんと泣く
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<近詠>
咲く花にいつも季節を教えられ
歳時記を書き変えながら四季に住む
弾まない気持ちのままで終わる春
愛犬の時の進みが速すぎる
<6月句会・課題句>
「位」(彦坂石転選)
世の隅を照らしつづけた無位無冠
「明日」(戸沢ほたる選)
あした散る花の隣にあるつぼみ
「無事」(須﨑東山選)
老犬の無事に毎日安堵する
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