豊橋番傘 令和7年4月号掲載句 2025-04-20 | 豊橋番傘 <近詠> この春は目覚めが遅い沈丁花 あちこちが痛み足りなくなる湿布 知恵しぼり暮らす老犬老夫婦 走れなくなっても見えるいい景色 <3月句会・課題句> 「咲く」(波多野律子選) 咲く春を信じ寒さに耐える花 「予想」(青嶋由紀美選) 予想図を修正しつつ描く未来 「キャリア」(鈴木順子選) 転職はキャリアアップの足がかり <各・地・句・報.> 松本柾子抄 プロであるために鍛錬欠かさない にほんブログ村
豊橋番傘 令和7年3月号掲載句 2025-04-02 | 豊橋番傘 <近詠> 最強寒波立春過ぎてやって来る 平凡な暮らし守るという仕事 家計簿がため息ばかり聴いている 息切れをしないペースで歩く道 <2月句会・課題句> 「読む」(池谷英子選) 飼い主の表情犬はすぐに読む 「律儀」(波多野律子選) よしと言うまでフードに口をつけぬ犬 近頃の四季には律義さが足りぬ おやすみのメール毎日くれる彼 「呑気」(鈴木順子選) 冷めやすい恋呑気にはしておれぬ 休日を呑気に過ごすぜいたくさ <各・地・句・報.> 松本柾子抄 いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ にほんブログ村
豊橋番傘 令和7年2月号掲載句~豊橋文化祭第46回誌上大会発表号 2025-02-18 | 豊橋番傘 <近詠> 老犬と夫婦で無事に年を越す 生前の父の雑煮は餅八個 初ドライブは夫の親が待つ里へ 老犬と今年もできた初詣 <1月句会・課題句> 「プロ」(佐藤恭子選) プロであるために鍛錬欠かさない 「掴む」(彦坂石転選) おばちゃんが俄然はりきるつかみ取り 「作戦」(寺部水川選) 円満に暮らす作戦実施中 <各・地・句・報> 松本征子抄 手入れして咲かせた花はみな美人 [第46回 豊橋文化祭誌上川柳大会] 「力」 受け流すちからも少しついてきた (松田タ介選) 欠かせないパワーチャージの朝ごはん (鈴木かつえ選) 「違う」 いつもと違う脈をナースは見逃さぬ (武山 博選) 少しずつ違う歩幅になる別れ (冨川 章選) 「会社」 会社での夫は几帳面と聞く (加藤由美選) 「優しい」 時々は優しい嘘に救われる (梅崎流青選、鈴木順子選) 表彰作品は やわらかな夜になります煮大根 柴田比呂志 なんぼでも私のスペア居る会社 戴けいこ ガンダムのスーツが僕を変えるかも 近藤圭介 終戦に勝者の罪は裁かれぬ 五十嵐幸夢 でした^^ にほんブログ村
豊橋番傘 令和7年1月号掲載句 2025-01-20 | 豊橋番傘 <11月号・10月号句会吟より推薦句> 複雑な曲線えがく恋もよう (寺部水川 推薦) <近詠> 紅葉が迎えてくれた美術館 懐かしい絵との再会果たす秋 シャガールの歴史ゆっくり辿る旅 年の暮れ実感わかぬこの師走 <12月句会・課題句> 「弱い」(小松くみ子選) 冷えそうな愛を弱火で加熱する 「理由」(鈴木順子選) いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年12月号掲載句 2024-12-15 | 豊橋番傘 <10月号・11月号句会吟より推薦句> ていねいに洗った皿に今日を盛る (戸沢ほたる 推薦) コスモスが踊りはじめた秋の風 (彦坂石転 推薦) <近詠> まだ単衣着たい暑さの残る秋 霜月に金木犀が花ざかり ひと雨を境に秋が深くなる 愛犬と暖を分け合う綿毛布 <11月句会・課題句> 「ポスト」(寺部水川選) ポストただ無事のしらせを待ちわびる 「美人」(青嶋由紀美選) 手入れして咲かせた花はみな美人 「自由」(鈴木順子選) 思うのは自由と今も片思い にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年11月号掲載句 2024-11-15 | 豊橋番傘 <近詠> 十月になっても真夏日が続く いちねんの大半耐えている暑さ 季節はずれの猛暑があたりまえになる 老夫婦と老犬夏を生き延びる <10月句会・課題句> 「カーブ」(山口タカシ選) 複雑な曲線えがく恋もよう 「踊る」(波多野律子選) コスモスが踊りはじめた秋の風 「侍」(寺部水川選) 侍の苦悩墓まで持ってゆく にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年10月号掲載句 2024-11-06 | 豊橋番傘 10月号の記事をうっかり失念しておりました;; 遅ればせながら。。。 <推せん句> 8月号近詠より・鈴木順子 今のうち会わねばならぬ人ばかり <近詠> 冷感グッズも日傘も追いつかぬ暑さ ひと山を越えた暑さに息をつく 老犬も酷暑の夏を乗り越える 台風に翻弄されて終わる夏 <9月句会・課題句> 「洗う」(池谷英子選) 丸洗いしたい見えない核汚染 ていねいに洗った皿に今日を盛る 「これから」(佐藤恭子選) これからの私に似合う紅さがす 「涙」(寺部水川選) 涙さえこぼせぬかなしみの深さ にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年9月号掲載句 2024-09-12 | 豊橋番傘 <6月句会吟から推薦句> 懐かしく話せる日までうんと泣く (田口勝義推薦) <近詠> エアコンの助けも借りて生き延びる 植物の暑さに負けぬ底力 夏酒をキンと冷やして注ぐグラス ばた足で必死にもがき泳ぐ日々 <8月句会・課題句> 「意外」(佐藤恭子選) 逆境で母の意外なたくましさ こぼれ種意外な花が咲きました 「叶う」(青嶋由紀美選) 粘りぬきついに叶ったプロポーズ 叶う日までの汗をいとわぬ金メダル 「守る」(鈴木順子選) 死守したいボディーラインがくずれだす にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年8月号掲載句 2024-08-18 | 豊橋番傘 <好句往来> 6月号から・たむらあきこ お手本は笑顔で生きる高齢者 <5月句会吟から推薦句> 間の抜けたくしゃみが静寂を破る (小松くみ子推薦) <近詠> 沖縄へ飛ぶ手荷物は悔いばかり 着陸をしたのに浮いたままの足 きっとまた会えると信じひろう骨 今のうち会わねばならぬ人ばかり <7月句会・課題句> 「嘘」(佐藤恭子選) 笑わせるために優しい嘘をつく 「プロ」(小松くみ子選) 動揺は見せず仕事をこなすプロ 「懐かしい」(寺部水川選) 懐かしく話せる日までうんと泣く にほんブログ村
豊橋番傘 令和6年7月号掲載句 2024-07-22 | 豊橋番傘 <近詠> 咲く花にいつも季節を教えられ 歳時記を書き変えながら四季に住む 弾まない気持ちのままで終わる春 愛犬の時の進みが速すぎる <6月句会・課題句> 「位」(彦坂石転選) 世の隅を照らしつづけた無位無冠 「明日」(戸沢ほたる選) あした散る花の隣にあるつぼみ 「無事」(須﨑東山選) 老犬の無事に毎日安堵する にほんブログ村