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さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

「絵画展」

2024-04-11 | 連作

「絵画展」

 点描のひとつひとつにあるいのち

 モディリアニ熱さは内に秘めたまま

 ドガの靴はいて死ぬまで踊る恋

 疲れたら休みにゆこうモネの庭

 孤独さの中でゴッホの聖なる絵

 シャガールも夢みた平和なるロシア

 過去の絵になりたいゲルニカの祈り

 模索して描きあげるただひとつの絵




昨年、第32回鈴鹿市文芸賞に応募させていただいた作品です。
思いがけず、奨励賞をいただきました。

このテーマの連作では、ほかにもいくつかつくっていまして、
それはまたの機会に^^




   
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「アンバランス」

2019-04-01 | 連作

    「アンバランス」

  立っているためにゆがみが少し要る

  泡のないビール泡しかないビール

  ほどほどで切りあげられぬ酒と恋

  嫌じゃないけれどイヤだと言うおんな

  見た目とのギャップあなたの魅力です

  華やかに咲いて香りのない造花

  重い荷を背負った華奢な背が揺れる

  いなければさびしいいればケンカする

  笑ってはいるが今にも泣きそうだ

  バランスのとれぬふたりで支え合う




昨年、第27回鈴鹿市文芸賞の川柳部門に応募した作品です。

今年になって発表があり、最優秀賞をいただきました。

応募は10作品だけだったようですが^^;

3月の授賞式には参加できませんでしたが、光栄にも、
すずかのたかこさんが入賞句を朗読(披講)してくださったそうです。
ありがとうございます。




   
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「ありのまま」

2018-03-16 | 連作

 「ありのまま」 

    
    容れもののかたちに生きて水は水

    きずひとつ自慢もせぬが恥じもせぬ

    満ち欠けをしながらともに生きてゆく

    できぬことあって助けに感謝する

    輪郭はおぼろなままに愛でる月

    雨の日は雨を楽しむ日と決める

    愛すればその傷さえもいとおしい

    贋作と知っても捨てられぬ器

    悟れないままに泣いたり笑ったり

    思う絵が描けぬ日もあるまたあした




昨年の第26回鈴鹿市文芸賞の川柳部門に応募した作品です。

前回に続き、優秀賞をいただきました。
しかし、
全体的に抽象的に走った句が目立つ、との評をいただいたので、
これからの課題としたいと思います。

最優秀賞を受けられたのは、
昨年の樋口 りゑさんと同じく「川柳すずか」のお仲間である
小川 はつこさん。
はつこさんはエッセイの部門でも受賞され、
さらにうれしいことでした。

そのうえ、さらにおどろいたことには、
はつこさんは、これまでに小説と詩、アフォリズムでも
最優秀賞を受賞されているそうです。
多くの表現形式に秀でた才能がおありで、すばらしいですね。

3月10日が授賞式だったのですが、
歌の本番とかさなってしまい、今年もまた不参加で
失礼してしまいました。



   
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「カラフル」

2018-01-30 | 連作


    「カラフル」


 モノクロを極彩色にした出逢い

 溶けあった色があらたな味を生む

 多面体当たる光で変わる色

 木蓮の白さ枯れても忘れまい

 あるだけの絵の具で描ける自分の絵

 似合わない色に魅かれることもある

 風もまたその日その日の色で吹く

 紅葉をしたい日もある常緑樹

 過去の絵を優しい色で思い出す

 カラフルなこの世見飽きることがない




川柳マガジン2月号の特別十句詠のコーナーで
載せていただきました。
ありがとうございます。

読む人それぞれに、何かを感じとっていただけるなら
うれしいなあ…と思います。



   
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「白衣着る」

2017-10-29 | 連作
仕事帰り、本屋さんに立ち寄り、
今月も購入した川柳マガジン。

その日は、めったとないイレギュラーなできごとで、
仕事がとてもたいへんだった。
帰宅したらすぐにでも横になりたいほど、
疲れ果てていた。

本屋さんのあるショッピングモールのベンチで、
ひと息ついてから駅に向かおうと思い、
買ったばかりのマガジンをひらく。

そこへ飛び込んできた、自分の名前。
一瞬、見間違いかと思った。

びっくりして、何度も見直す。
現実だろうか、これは。
という思いで。

うれしさよりも、自分などがという、
おそれ多い気持ちがじわじわとやってくる。

川柳マガジン文学賞大賞。

応募した作品は、
看護師としての、ありのままのわたしの思いを句にしたもので、
たいていのわたしの句がそうであるように、

 そのまんまやないか

と思われるだろうなと思っていた。

ひねりもなく、斬新な見つけも、洗練された表現もない。
それでも、わたしにとっては、
すべて自分のたいせつな思いをすくいとった実感句。

それを選んでいただけたというのなら、
ほんとうにありがたく、感謝の気持ちしかない。

思えば、一昨年の秋に準賞をいただいたのも、
病の父とともにあり、看取った際の
まぎれもない実感句をまとめた作品だった。

未熟な自分の姿も、表現のつたなさも
否定のしようがないけれど、
実感を伝えるという一点においてだけでも、
読むひとに何かを感じてもらえたなら、うれしい。

ありがとうございます。



    「白衣着る」

 白衣着る天使ではなく人として

 泣きむしのナース泣く場はわきまえる

 いのちを守るチーム茶髪もおばちゃんも

 傷つけるだけにはすまい針を刺す

 毒になる薬くすりになれる毒

 死に近い場所で際立つ生きる意味

 いのちには教えてもらうことばかり

 生きて死ぬ人みなひとの手をかりて

 重々しくも軽々しくもない看取り

 白衣ぬぎその日の味の酒をのむ




   
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おんがくのある風景

2017-03-21 | 連作

 「おんがくのある風景」 


    調律の音でわたしもろ過される

    まな板の弾むリズムで明ける朝

    いい音が鳴れば料理もできあがり

    聞き飽きた愚痴はBGMにする

    ♭でアンニュイな日もアクセント

    ちがう声寄りそいハモるうつくしさ

    向きあえば譜面もひともうちとける

    じっと聴くやがて浮きだす主旋律

    うつくしい音の余韻で終わる恋

    通奏の愛が低めに鳴りつづく




昨年の第25回鈴鹿市文芸賞の川柳部門に応募した作品です。

思いがけず、優秀賞をいただきました。

最優秀賞、奨励賞を受けられたのも「川柳すずか」のお仲間で、
それもうれしいことでした。

ただ、みんな県外在住で、あわや授賞式に川柳部門の者が不在!?
となりかねないところでした。

最優秀賞のりゑさんが出てくださり、よかったです。
式に華をそえてくださったことでしょう。




   
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道なかば

2017-02-04 | 連作

 「道なかば」

   調律をしたくなったら旅に出る 
      
   ケガをしてひとの痛みを知ってゆく     

   できることまだまだあったこの手足 

   年輪をふやして人も太くなる

   引くことも勇気とさとす山の空

   だんだんと丸を描くのがうまくなる

   道草のおかげで見えたこの景色

   思う絵が描けぬ日もあるまたあした 

   ひとつずつ要らないものを捨てる旅  
  
   道なかばゴールはいまだ霧のなか




これまでに、いくつかの連作をつくりました。

これは、1年ほども前になりますが、

川柳展望の現代川柳大賞

(選考:天根 夢草、新家 完司、吉崎 柳歩、佐藤 岳俊、津田 暹、笹田 かなえ)

に応募した作品です。

現代川柳の何たるかも知らないままに…
いまだに、わからないでいるのですが。


受賞されたのは、全国的にご活躍されている有名なかたがたが勢ぞろいで、
なんとまあ、
そんなところにこわいもの知らずで出してしまったものだと
おそれ多い気持ちになりました。

佐藤 岳俊選でのみ、第4位にえらんでいただきました。
そのほかの選者さんでは選外でしたが、
おひとりでも目をとめていただけてうれしかったです。

今日は立春ですね。

まだまだ冷え込みますが、芽吹きの季節を前に、
冬ごもりの虫や動物たちも、木々も、起きだす準備を始めていることでしょう。




   
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流転

2016-01-04 | 連作

   (写真は「花の庵」さなえさん より。

    さなえさんが生けられた 椿と桜。
    ずっと以前からおかりしており、こちらにも何度か載せていますが
    とてもお気に入りなものです)



     「流転」


    ふりだしに戻る覚悟はいつもある

    青かったその身を蝶は振りむかぬ  

    恋抱いて月もやせたり太ったり

    淡く濃く四季をいろどる女偏

    燃える日も秋ひたひたとせまりくる

    凪ぎのあと風の流れが変わりだす

    ゆっくりと赤い実になる花水木

    踏みしめた軌跡もやがて雪に消え

    めぐりくる春うたがわぬ冬木立

    捨てるたび豊かになってゆく器





    川柳マガジン2016年1月号に、
    「特別十句詠」 として、載せていただきました。

    多くのかたに読んでいただけることに感謝しています。

        
    



   
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今、ここを生きる

2015-10-29 | 連作


    今ここを生きるいつかはみんな風

    欠けてまた満ちるこころもあの月も

    その年にならねば見えぬものがある

    平凡を積みかさねるという非凡

    生きてきたように死にゆく嘘のなさ

    もう聞けぬ小言がいまも生きている

    おたがいが相手の杖となる齢

    在るものはいつかなくなるたしかな絵

    半世紀生きてこの身はまだ青い

    永遠はないからいまがいとおしい






なんと、夏に応募した 第13回川柳マガジン文学賞の準賞をいただきました。

びっくりするやら、うれしいやら…

もうひとつのブログに、その思いを書いております。
              ↓
     「うれしいことがありました」


長文ですが、よろしければどうぞ、こちらもお読み下さいませ。