さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

豊橋番傘 平成21年10月号 掲載句

2010-04-21 | 豊橋番傘

<近詠>

  溶けながら灯した愛の絵ろうそく


  身のうちと思えはじめた荷の重み


  引き潮は満ちるちからをたくわえる


  とめられぬ風の流れがいま変わる


<課題句>

 「火」 (鈴木 順子 選)

  尽きようとする火を煽る風の乱

  煩悩の火をひとつずつ消す旅路


 「悪人」 (寺部 水川 選)

  悪人の数だけ母が泣いている


 「縮む」(竹下 健作 選)は、選外でした。





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豊橋番傘 平成21年9月号 掲載句

2010-04-15 | 豊橋番傘

   (リンクしている写真川柳の写真は

      「花の庵」さなえさん 「浮浪草の気吹」浮浪草さん よりおかりしています)


<推せん句> (7月号近詠より・寺部 水川 選)

  生きてきた汚れもあってみな自分

       
<近詠>

  満たされて失うことがこわくなる


  こころだけせめて隣りを歩きたい


  正直が過ぎて誰かを傷つける


  こつこつと平凡という名の非凡


<課題句>

 「結ぶ」 (須崎 東山 選)

  靴ひもを結びなおした九合目

  切るほかはなかった紐の堅むすび


 「嫌い」 (郡山 弘子 選)

  好きだからきらいキライとすねてみる

  嫌いとは言わぬ優しい残酷さ


 「裸」 (寺部 水川 選)

  はだかにはなれぬこころの重い衣


<各・地・句・報> (片岡 湖風 抄)

  遠吠えをしても返事のない孤独





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豊橋番傘 平成21年8月号 掲載句

2010-04-14 | 豊橋番傘

   (リンクしている写真川柳の写真は 「花の庵」さなえさん よりおかりしています)


<近詠>

  しあわせのはぎれ集めて縫い合わす


  選びとりなにかを捨てる問いひとつ


  見えるものばかりみていて見失う


  人生のページをめくる風が吹く



<課題句>

 「染める」 (懸 さだ彦 選)

  四季絵巻自然のいろが染めあげる


 「盛る」 (寺部 水川 選)

  美辞麗句盛ったお皿でおもてなし


 「種」(中村 信柳 選)は、選外でした。





           
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豊橋番傘 平成21年7月号 掲載句

2010-04-02 | 豊橋番傘

   (リンクしている写真川柳の写真は「花の庵」さなえさん よりおかりしています)


<好句往来> (5月号から・墨崎 洋介 選)

  もういいよもういいのよと散るさくら


<近詠>

  生きてきた汚れもあってみな自分


  汚れなど知らぬと白の冷ややかさ


  生きてきたなりの宝を掘りあてる


  すこしだけ塩をまぜれば増す甘み



<課題句>

 「絵」 (本多 春子 選)

  幾重にも色をかさねた絵の重み

  過去の絵はほどよくにじむ水彩画


 「返事」 (藤原 緑郎 選)

  遠吠えをしても返事のない孤独

  どのへんでイエス言おうかじらしてる


 「軽い」 (寺部 水川 選)

  ひとことで重い荷物が軽くなる






コメント (2)
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