さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

川柳マガジン 2022年5月号掲載句

2022-04-28 | 川柳マガジン
<川柳マガジン5月号 掲載句>

  森に棲むために姿を変えました
     (印象吟 瀬戸れい子選・佳作)

  本物のビールが飲める来客時
     (笑いのある川柳 楠根はるえ選・佳作
              福井 勲選・佳作)

  覇道きわめた王の引き際
     (十四字詩「王」森吉留里惠選・佳作)

  真打ちの矜持たゆみのない努力
     (全国誌上句会「真打ち」瀧尻善英選・秀作)

  存在を香りでそっと示す花
     (全国誌上句会「雑詠」青砥たかこ選・秀作
                赤池加久選・佳作)

  クレームの対応素早さが決め手
     (マガジンクラブ誌上句会「素早い」新家完司選・七〇秀)

  描きかけの絵ばかり増やす冬ごもり
     (川柳睦月賞「冬」表よう子選・秀逸)



   
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川柳「湖」~第14回ふるさと川柳「無」

2022-04-25 | 誌上大会

はじめて参加させていただいた誌上大会です。
選者さんは12人おられましたが、
かろうじておひとりだけ、選んでくださいました。
うれしーい^^♪

「無」

 無理をすることもひとつの愛だった
  (小島蘭幸選・佳作)




      
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川柳すずか 340(4年4月)号掲載句

2022-04-13 | 川柳すずか

<すずか路>

  速達にしたい封書が増えてくる

  土曜日にもう恋文は届かない

  マスクにも優しい色を選ぶ春

  陽だまりの温みに憩う散歩道

  セーターはまだ仕舞えない寒戻り


<課題句>

 「残る」(吉崎柳歩選)

  売れ残りだった犬との長い縁


 「期待」(小川はつこ、毎熊伊佐男 共選)

  期待するそぶりは見せず待つ誘い(毎熊伊佐男選)

  期待だけさせてするりと逃げた恋(毎熊伊佐男選)


<自由吟> (青砥たかこ選) 

  開花宣言そわそわしだすスニーカー


<誌上互選> 

「噛む・咬む」

  噛みしめてようやく消化した言葉(10点)


  

   
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静岡たかね 2022年4月号掲載句

2022-04-07 | 静岡たかね

<せんりゅう広場 富岳抄>

「三月のあれこれ」

  古びても仲睦まじく雛ふたり

  意地張った若さをおもう苦笑い

  流し雛世の災厄をこそ流せ

  胃袋もこころも満ちる誕生日


<2月句会>

「挑む」(山田浩則選)

  挑んでは負けが続いている禁酒

  ウイルスに挑むワクチン治療薬(五客)


「鬼」(中野三根子選)

  鬼の役引き受け打たれ強くなる


「たき火」(松田タ介選)

  選外でした;


「自由吟」 

  裏声に移行したとは気づかせぬ(1票)




      
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豊橋番傘 令和4年4月号掲載句

2022-04-05 | 豊橋番傘

<好句往来> 1月号から・原田多喜

  逢えずいる人の幸せ祈る暮れ


<1月号(12月句会吟)作品から推薦句> 

  まだ燃えていたくて残り火を煽る
       (須崎東山 推薦)


<近詠>

  散歩道あちこち春がかくれんぼ

  くんくんと春を探して歩く鼻

  敏感な鼻が早春探しあて

  咲き初めた梅の香りよああ春だ


<課題句>

 「スタート」(波多野律子選)

  あたらしい恋が始まりそうな春

  スタートに後押しくれた手のぬくみ


 「笑う」(本多雅子選)

  ことさらに笑うかなしい時のくせ

  ぬくい陽にもうすぐ花も笑いだす

  マスクしていても笑顔が伝わる目


 「帳消し」(寺部水川選)

  親の苦労帳消しにする子の笑顔




   
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エッセイ「はるかな尾瀬」

2022-04-04 | エッセイ
すずか川柳会でお世話になっております、
会長たかこさんの「たかこの世界」10号に、
初めてエッセイで参加させていただきました。


「はるかな尾瀬」

 夏が来れば思い出す…はるかな尾瀬 遠い空…
で始まる「夏の思い出」は有名な歌だが、尾瀬がどこにあるか、
正確には知らない人も多いのではないだろうか。
 尾瀬は、福島・新潟・群馬の3県にまたがる高地にある
盆地状の高原であり、日本百景に選定されている。

 忘れえぬ風景というものが、人それぞれにあると思う。
私にとってそれは、初めて訪れた夏の尾瀬。
360°見渡す限り、湿原いっぱいに群生したニッコウキスゲ。
 突然ひらけたこの景色に、私は言葉を失くした。    
 これは、本当にこの世のもの…?           
ここに至るまでの尋常ではなかった疲れが、一瞬で消えた。

 入山後すぐから苦しく、長い道のりだった。
2泊分の荷を背負ってひたすら歩く、高低差のある慣れぬ山道。
ガレ場やぬかるみ。最後まで歩けるのだろうか。
こんな調子では、これが最初で最後の尾瀬になってしまうだろう…
そう思っていた私を一瞬で魅了した湿原の風景。
 澄み切った空気の中、ただ静かに自然だけがある。
 その神々しく、揺るぎのないうつくしさ。
 世界でたったひとり、自分がそこに立っているような気がした。                 

 その時の私は、体力は万全だったつもりだが、良性では
ない病を抱えており、手術を前にしていた。
 深刻にではなくても、死を意識しなかったとは言えない。
初めて見たニッコウキスゲの群生は、より美しくまぶしく
目に映ったのかも知れない。けれどもそれは、私にとって、
 必ず治って、生きて、またここに来よう。
 もういちど、この景色の前に立たせてもらおう。
と、つよく思わせてくれるのにじゅうぶんなものだった。
 そして私は、それ以降17年間に12回ほども、尾瀬を 
訪ね歩くことになる。
                
 ところで、関西からの尾瀬行きは遠い道のりで、まさに
「はるかな尾瀬」だということを実感させられる。
 夜行バスで大阪を出発し、早朝東京に到着。
さらにバスや鉄道で移動して、昼前にやっと着くのが尾瀬の入り口だ。
 入山口は、福島側・群馬側から5か所あり、
その時のコースにもよるが、私はたいてい群馬の大清水から入山する。
大学時代、尾瀬のサブレンジャーを経験し、
以来ほとんど毎年尾瀬を訪れるという、頼もしい存在の友人がおり、
私の尾瀬の旅は、いつもその友人とともにある。     
 入山後は、沼と原の山小屋で1泊ずつが定番だ。
 東京からなら日帰りもできる尾瀬だが、
関西からはるばるとなれば、車中泊含め3泊は欲しい。
1年に1度行けるかどうかの旅、沼も原も、思いきり堪能したいというもの。

 春、夏、秋…どの季節も味わい深いが、最も花の種類が多く、
好んで訪ねるのは夏だろうか。
 ニッコウキスゲ真っ盛りの7月、訊ねられることがある。
「あの…ミズバショウはどこで見られますか」                

 ああ、この人も「夏」に水芭蕉を見に来たのだなあ。 
 実は、水芭蕉は雪解けとともに顔を出す、尾瀬では早春の花。
 花と認識されている、あの白い「苞」という部分は
7~8月にはとうに枯れてなくなり、その後もどんどん成長して
赤ちゃんを包めるほどに大きくなった葉っぱだけが、
沼や湿原のそこかしこに自生して(はびこって?)いる。

 訊ねられた登山者に、私は伝える。
「今の季節はもう、白い水芭蕉は見られません。
 5~6月頃にいらっしゃるといいですよ。でも今頃にしか 
 見られない花も多いですから、どうぞ楽しんでくださいね」

 けれどもこの水芭蕉、歳時記では夏の季語。
そして、二十四節気では、5月に入ればすぐ立夏。それにあの歌だ。
むりもない。
 作詞者江間章子さんは、
「尾瀬で水芭蕉が最も見事な5~6月を私は夏と呼ぶ」
と語られたとか。
 そんなこんなが、実際に白い水芭蕉を見られる時期の勘違い、
思い込みを生んでいるのだろう。
 見たいと思っていた花に出逢えなくても、その年その季節、
その日のその時間でしか見ることのできない風景、花、
生きものや人との、一期一会の出逢いがある。
 晴れもよいが、曇りもよい。そして、雨もまたよし。
よく出遭うが、雷はちょっと…できれば遠慮したい。熊も。
いつか、ぜひ逢ってみたいのはオコジョという、イタチ科の小動物だ。

 尾瀬への旅の機会に、この先恵まれるだろうか。
ご縁とタイミング、そして、自分の荷を背負い歩き通せるだけの
体力があるか、それら次第だろう。
 けれど、これまで訪れた尾瀬を、私はいつでも思い描ける。
もし、もう二度と尾瀬を訪ねることがなくても、初めての夏に出逢った、
あのニッコウキスゲのみごとな風景を、生涯忘れることはない。


  いつの日も遥かな尾瀬が胸にある  さくら    



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番傘フェスタ2022誌上大会

2022-04-02 | 誌上大会

「溺れる」
  溺れてもいいなと思う美酒に逢う
  (小島蘭幸選)

「街」
  ここで生き死んでもいいと思う街
  (雫石隆子選)

「辿る」
  母辿るように和服に袖通す
  (矢沢和女選・フェスタ賞)


「重ねる」「渦」「反応」「和む」は選外でした;




   
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川柳マガジン 2022年4月号掲載句

2022-04-02 | 川柳マガジン
<川柳マガジン4月号 掲載句>

  恋文が土曜日に来ぬもどかしさ
     (時事川柳 井上一筒選・気になる一句)

  負けいくさいくつも積んで生き残る
     (全国誌上句会「雑詠」渡辺信也選・佳作)
                  
  見え見えの世辞もこなして宮仕え
     (マガジンクラブ誌上句会「見え見え」高畑俊正選・七〇秀)



   
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