言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
<川柳マガジン8月号 掲載句>
あした咲く蕾が秘めている香り
(川柳道「秘める」 佐藤美文選・佳作)
それぞれの変異この地で生きるため
(印象吟 瀬戸れい子選・佳作)
過剰な家事箇条書きして片づける
(駄×洒落川柳 佐道 正選・佳作)
歳月が太くしました赤い糸
(全国誌上句会「太い」 赤池加久選・秀作)
引き出しのどこかに母がくれた知恵
(全国誌上句会「雑詠」 赤池加久選・佳作
松代天鬼選・佳作)
病棟の長い一夜が明けてゆく
(マガジンクラブ誌上句会「夜明け」
片野晃一選・70秀)
弾頭に込めてやりたい花の種 (秀6)
(川柳卯月賞「頭」 太田紀伊子選・佳
荒川八洲雄選・佳
赤松ますみ選・佳
水野黒兎選・佳
牧野芳光選・秀
富田房成選・秀
竹﨑たかひろ選・秀)
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<鈴鹿インターネット句会・7月>
「あっさり」
(加藤当白・青砥たかこ共選)
あっさりと折れて喧嘩を終わらせる
(加藤当白選、青砥たかこ選)
晩ごはんあっさり終わる休肝日
(青砥たかこ選)
私が、いいなあ!と思ったのは
観覧車一周分の恋でした 佐藤ちなみ
長年の手垢あっさり消えはせぬ ようこ
あっさりと明け渡された台所 よしひさ
自己ベストあっさり破る伸び盛り 颯爽
別件の方をあっさり自白する 甲斐良一
図面ではあっさり開くパラシュート 福村 まこと
補助線を足せばあっさり解ける謎 圦山 繁
です。
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<すずか路>
百歳の大きな口が食べ笑う
生きるとはヤギが無心に草を食む
立ち枯れの向日葵しかと種を抱く
老犬の背にも等しく陽の恵み
汗をかくうまいビールを飲むために
<小休止> 前月号より推薦句
戦争が昔話じゃなくなった(小林祥司選)
<すずか路前号鑑賞> 342号から 加藤ゆみ子
満月の明るさに身を隠せない
<第18回鈴鹿市民川柳大会>
「投げる」(西山竹里選)
手の中に投げ返せないままの毬
マスクではさまにならない投げキッス(秀句)
「ホーム」(久保光範選)
面会を待ちわび暮れるケアホーム
帰りたい家は子どもの頃の家
「自由吟B」(天根夢草選)
老犬の寝顔子犬の頃のまま
「癒やす」(木村行吉選)
「微妙」(平井美智子選)
「自由吟A」(大島凪子選)は、選外でした;
<誌上互選>
「叩く」
名人が叩けば響きだす鼓(9点)
血管を叩いて浮かす注射前(5点)
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<前月号推選句>
速達で届く四月のラブレター(佐野由利子選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「ドイツリート」
半音のぶつかりクセになる和音
ドイツ語の子音飛沫がハンパない
歌いきる多少リズムが狂っても
あがってもいつか笑って歌える日
<5月句会>
「うっかり」(奥山 京選)
重荷またうっかり背負うおひとよし(五客)
「祭り」(川村洋未選)
毎日がお祭りだった青りんご
祭りの日あの世の人とすれ違う(五客)
「カメラ」(松田タ介選)
戦場のカメラはヒトを保てるか
「自由吟」
ひっそりと生きても伸びる爪と牙(9票)
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<推せん句> 5月号近詠より・鈴木順子
散ることは次の春へと向かうこと
<5月号(4月句会吟)作品から推薦句>
もう引っ張らぬ鎖を外す老いた犬
(尾方静子 推薦)
<近詠>
ひとつ覚えひとつ忘れてまた稽古
風通し良くして疲れない着物
帯留めになってブローチ生き返る
着くずれもあると着物の自然体
<課題句>
「同期」(波多野律子選)
初恋のあの子を探す同期会
「養う」(戸沢ほたる選)
叩かれながら養ってきた底力
「やり手」(寺部水川選)
やり手だが敵も多いと言う噂
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<川柳マガジン7月号 掲載句>
助手席にいるが助手にはならぬ妻
(笑いのある川柳 楠根はるえ選・佳作
福井 勲選・佳作)
ロボットの自殺が増える近未来
(前衛川柳 渋谷栄子選・佳作)
外に出て知るぬくい風さむい風
(川柳弥生賞「外」 表よう子選
興津幸代選
樋口 仁選)
外野席風の流れがよく見える
(川柳弥生賞「外」 川上大輪選)
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