さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

川柳マガジン 2023年4月号掲載句

2023-03-29 | 川柳マガジン
<川柳マガジン4月号 掲載句>

 鉄人の肩に湿布が見え隠れ
    (川柳道「鉄」川上大輪選・佳作)

 マスク取る前におさらいするメイク
    (時事川柳 浅見和彦選・佳作
          井上一筒選・秀作)

 報知器が鳴っているのに放置する
    (駄×洒落川柳 佐道 正選・佳作)

 惜しまれるうちに脱ぎたいユニホーム
    (全国誌上句会「惜しい」渋谷栄子選・佳作
                濱邉稲佐岳選・佳作)

 経験値知識だけでは埋められぬ
    (マガジンクラブ誌上句会「知識」
               田中寿々夢選・70秀)

 百獣の王も老いから逃げられぬ
    (川柳師走賞「王」 相田柳峰選・佳作
              新家完司選・佳作)

 逆さでも違和感のない抽象画
    (MEGA柳誌報・川柳すずか「さかさま」河内秀斗選)



毎回愛読している「柳豪のひとしずく」
のコーナーで記事を書かせていただき、
表紙用の写真撮影までしていただきました。
おそれ多いことでした。。。;;

が、こんな晴れの場はそうそうありませんから、
この機会にと、もと振袖だった着物を着せていただきました。
お世話になったみなさんのあたたかさに包まれ、
忘れられないしあわせな1日となりました。

3月は私の誕生月なのですが、
素敵なプレゼントをいただいたなあ~という思いです。
キレイに撮っていただいた写真も、記事の内容も、
本人が持っているもの以上のものは載せられませんが、
いろいろ、大目に見てくださいませ。。。^^;

この着物にまつわるエピソードを書いたエッセイを、
「たかこの世界11」(前号)に載せていただいています。
よかったら読んでみてくださいね。 ↓

 「母の着物と、生まれ変わった振袖」



   
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エッセイ「はじまりは第九~歌との出会いと再会」

2023-03-28 | エッセイ
すずか川柳会でお世話になっております、
会長たかこさんの「たかこの世界」12号に
またエッセイで参加させていただきました。
10号、11号に続き3回目の参加です。


 「はじまりは第九~歌との出会いと再会」

「こんなのがあるのよ。あなたも歌ってみない?」
と渡された1枚のチラシ。それが始まりだった。
「阪神・淡路大震災3周年 復興を願う第九」

 歌は好きだが、楽譜が読めない。できる楽器もない。
それに、ドイツ語で歌う?無理よね…と、思いながら見れば、
楽譜が読めなくても参加できます、とある。
本当に?ならば、歌ってみたい。
 震災復興への思いを込めた第九。
このタイミングでご縁のあった今、一生に一度くらい、
ドイツ語で第九を歌うというのも、心ときめく経験かもしれない。
 そんな思いで飛び込んだ合唱だが、さて入ってみれば、
厳しくコワイ先生の指導のもと、苦労の連続。
自主練習も不可欠だった。
 それでも、少しずつ歌えるようになるごとに楽しく、
四声でぴたっとハモれた時の快感(実際、感動で鳥肌が立つ)
を体感すると、もうやめられない。
 それまで、職場と家を忙しく往復するばかりだった私に
もうひとつ、たいせつな世界ができた。     

 一生に一度のつもりだった第九は、その後気がつけば毎年のように、
そしてミサ曲やレクイエムなど、多くの合唱曲を歌う機会にも恵まれた。
 最初の合唱団が解散のようなかたちとなったあと、
また歌いたいねと集まったメンバーから生まれ、育っていった小編成の合唱団は、
私にとって、もうひとつのホームのような存在になった。
 ご縁のできた方々の演奏会に足を運ぶ機会も増えた。
合唱だけでなく、歌曲、オペラ、オーケストラ、室内楽など、
美しい音楽とのたくさんの出会い。
 1枚のチラシがきっかけとなった、よき先生方やお仲間との出会いのおかげで、
歌はすっかり私の生活の一部となった。
そしていつしか、ソロや二重唱にも取り組むように。
 いつも何かしら、次に歌う曲の課題があり、聴きに行く演奏会の予定がある、
音楽で彩られた日常だった。 

 ところが、コロナ禍の世となり、また母の病と看取りの時期があり、
まったく歌えず、歌わずの日々に。
鼻歌さえも出てこない。
ずっと生活の一部となっていた歌や音楽から遠ざかり、
それでも淡々と生きていた。
歌えないつらさを、切実に感じている自覚もなかった。
 今思えば、できない状況でできないことを、強く望む
ということに蓋をしていたのかもしれない。
 歌を再開したのは、今年になってから。
長く休講状態だったドイツリート(リート=歌曲)の会が、
再開されたタイミングで、だった。
 毎日のように歌っていた日々から、まったく歌わずにいた2年間。
久しぶりに発声して、かぼそい自分の声にあきれつつも、
歌えるだけでしあわせ、と感じる自分がいた。
 そして、またいちから、歌に取り組んでみたいと。 

 さまざまな事情から、現在通っているのはドイツリートの会ひとつだけ。
年に2~3回ある門下生のコンサートは、歌曲、オペラ、ミュージカルと
何でもありで、私は主に、ドイツ歌曲と日本歌曲を歌っている。
 川柳もそうだが、人前で歌うのも、自分がまるはだかにされるよう。
特に、ピアノ1台と歌い手ひとりというかたちだと、歌声だけではなく、
容姿も性質も、すべて隠せない気がする。
私は性懲りもなく、なんてマゾヒスティックなことをしているのだろうかと、
時々思ったりもする。
 本番では、愛情をもって合わせてくださるピアニストの先生が支えで、
のびのびと楽しく歌えれば、こんないいことはないのだが、
治らないあがり症もあって、思うようにはなかなか歌えない。
そのたび、
「あーあ、またか…」
とめげたり落ち込んだりするのだが、気を取り直し、
「この次は、今より少しでもましに」
と、望みをつないでは、こりずにまた歌う。
 振り返れば、初めての第九から30年近く。
相変わらず満足に読めない楽譜とにらめっこしながら、
今も私は歌っている。
 あがったままでも、いつか笑顔で自然に歌いたい。
たったそれだけのことが、私にはとても大きな課題だが、
いつか、本当にいつか、そんな日が来たらいいな。


 密になり歌う第九が懐かしい さくら             


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たかこの世界 12

2023-03-27 | 誌上大会

<たかこの世界12・第10回まじめに川柳>

「自由吟」 (高瀬霜石、竹内ゆみこ共選)

 まだ知りたくはないほんとうのひとり  
      (竹内ゆみこ選・天)

「嘘」 (中前棋人、田中五十鈴共選)

 選外でした;;


私が、いいなあ!と思ったのは

「自由吟」

 深呼吸だけでウキウキする臓器 望月 弘

 サザエさんよりも愉快なうちの母 真理猫子

 クロネコは来るしお鍋は噴いてるし 宮井いずみ

 ことごとく流線形である卵 西山竹里

 冬に入りますよと言ってはくれぬ冬 前田須美代

 銀杏並木歩き続けて絵に入る 佐野由利子

 かみさんに数えきれないほどごめん 中前棋人

 
「嘘」

 耳搔きが小さな嘘も許さない 小林ふく子

 器より大きな嘘を盛りたがる 西村寛子

 隠し味くらいの嘘は入れてある 橋倉久美子

 お見舞いに行ってきた嘘ついてきた 北原おさ虫

 子の嘘を母は笑顔で聞いている 圦山 繁

 嘘のない歩幅で影がついて来る 中前幸子

 だまされてあげる必死の嘘だから 小川はつこ


です。


たかこさんの小説、みなさんのエッセイ、川柳…
届いた日、一気に読ませていただきました。
たかこさんの切手愛と感性で仕上げてゆく表紙絵が、
今回も素敵です。
その過程がまた、たかこさんにとって、いい時間なのでしょうね♪

前回に続き、私もエッセイで参加させていただきました。
次の記事でアップしますので、よろしければ読んでみてくださいね。




   
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鈴鹿ネット句会・3月「埃」

2023-03-17 | ネット句会

<鈴鹿インターネット句会・3月>

「埃」
 (木村行吉・橋倉久美子共選)

  積年の埃をぬぐい会いにゆく
          (木村行吉選)

  仏壇の埃くしゃみが聞こえそう
          (木村行吉選、橋倉久美子選)


私が、いいなあ!と思ったのは


  埃よけカバーの上にある埃  たごまる子  

  飛び立てぬまま折り鶴の背の埃  平井美智子  

  赤ちゃんが握るきれいな綿埃  由美

  押し入れで仲間を増やす綿埃  よしひさ

  叩かれて存在感を出す埃  古都

  古い背広に肩書と言う埃  おさ虫

  お宝をお宝らしくする埃  橋倉久美子

  病室の隅に溜まっている埃  青砥たかこ


です。




   
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川柳すずか 351(5年3月)号掲載句

2023-03-15 | 川柳すずか

<すずか路>

 ひとつずつ開きゆく春沈丁花

 はやる胸なだめゆるりと春を待つ

 沈丁花春は鼻から目覚めだす
      
 焼き加減毎日ちがう目玉焼き
      
 飲み飽きぬお茶で湯吞みが満たされる


<課題句>

「舌」(𠮷崎柳歩選)

 母の味舌の記憶は薄れない


「踏む」(芦田敬子、河内秀斗 共選)

 どこまでも踏み込んでくるインタビュー
     (芦田敬子、河内秀斗選)

 段階をふんで引き上げられる税
     (河内秀斗選)


<自由吟> (青砥たかこ選) 

 選外でした;


<誌上互選> 

「苦労」

 苦労絶えぬが幸せそうな母だった(2点)

 骨折で何かと苦労する動作(2点)


  

   
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豊橋番傘 令和5年3月号掲載句

2023-03-10 | 豊橋番傘

<1月号(12月句会吟)作品から推薦句>

 ふたりのワルツぜんまいが切れるまで
        (須﨑東山 推薦)

 日記にも記せなかった恋がある
        (佐藤恭子 推薦) 


<近詠>

  ジャスミン茶母が愛した古伊万里で

  ヒートアップした話題とはおでんの具

  食べられる苗を植えよか物価高

  食事には文句を言わぬよい夫


<2月句会・課題句>

 「スマート」(山口タカシ選)

  スマートじゃないが優しいエスコート


 「乱」(池谷英子選)

  連れ合いは私の乱に慣れている

  ステップの乱れた恋が転びそう

  気の乱れ肌は素早く察知する


 「予約」(須﨑東山選)

  まだ生きるつもりで再診の予約


<各・地・句・報> 松本柾子抄

  不運みな笑い飛ばせる年の功




   
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静岡たかね 2023年3月号掲載句

2023-03-09 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 鈍行に乗り換えるこれからの旅
    (若芽抄・佐野由利子選
     疾風抄・松田タ介選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「夫婦雛」

 いさかいもあるが今年も夫婦雛

 春を待ち心ときめくカレンダー

 バスケット詰めたランチはふたりぶん

 咲き初めた梅一輪を身にまとう
  

<1月句会>

「酒」(増田信一選)

 選外でした;


「日の出」(荒牧やむ茶選)

 富士からの日の出一度は拝みたい


「お節の中身で一句」(松田タ介選)

 黒豆のふっくら母を思い出す
 



      
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展望ネット句会・2月「柔らかい」

2023-03-07 | ネット句会

<川柳展望ネット句会・2月>

「柔らかい」 (互選)

  柔らかいうちに鍛えておく頭(5票)

  柔らかい心で棘を包み込む(3票)


5票以上が入選で、1句だけ入選できました。


私が選ばせていただいたのは、以下の句です。
 

  柔らかくなるまで練っている言葉 北田のりこ(15票)

  湯治場はお湯も訛りも柔らかい 颯爽(15票)

  柔らかいからと油断はできぬ餅 西山竹里(12票)

  春が来たらしい雨まで柔らかい 橋倉久美子(10票)

  柔らかいことばを選び拒絶する 翔のんまな(8票)

  柔らかい頭で知恵の輪をほどく すずき善作(6票)

  硬水も器に負けて柔らかい 田村美穂 (2票)




      
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川柳信濃川 新春誌上大会

2023-03-06 | 誌上大会

<川柳信濃川 新春誌上大会>

「ゆう」

 有事もう目の前にある日本国

  (相田柳峰選・佳作 坂本加代選・佳作)


私が、いいなあ!と思ったのは


 嫌われる勇気私でいるために 安井貴子

 石ころが恐竜になる遊園地 村山浩吉

 夕暮れのブランコ星を蹴っている 野村賢悟

 夕方の五時になったら草書体 伊藤寿子

 泣きそうな時ほど悠々と歩く 西山竹里

 逆上がり夕日が口に飛び込んだ 笠原道子

 先生も友人になる趣味の会 老沼正一

 不自由か自由か電波届かない 田尻美代子


です。




      
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川柳マガジン 2023年3月号掲載句

2023-03-01 | 川柳マガジン
<川柳マガジン3月号 掲載句>

 墨汁に汚された晴れ着の嘆き
    (時事川柳 浅見和彦選・佳作)

 休肝日ちゃんと守ったつまらぬ日
    (ベスト川柳「守」新家完司選・佳作)
    誌上では「休刊日」となっていましたが、もちろんこっち^^;

 いるべき場所に今日もいる母
    (十四字詩「所」森吉留里惠選・佳作)

 蕗味噌で春に目覚めてゆく五感
    (マガジンクラブ誌上句会「味噌」
               谷藤美智子選・70秀
               宮村典子選・9客)

 月光の魔法で恋に落ちました
    (川柳霜月賞「光」 菅沼 匠選・天
              相田柳峰選・佳作
              田辺与志魚選・佳作
              富田房成選・佳作)



   
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