さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

夢心地の君へびっくり水を差す 鈴木 順子

2019-04-24 | すきな句
新葉館出版・川柳作家ベストコレクションの1冊。
豊橋番傘でお世話になっています、鈴木 順子さんの句集です。

ずっとせんに送っていただき、
何度か読み返しておりましたが、
ようやくこちらでご紹介できました。



  寒かったことだけ覚えてる別離

  ご飯だよそんな絆に支えられ

  それくらいにしとけと父の助け舟

  無理しないことを誓って手をつなぐ

  気付かれぬように汗拭く舞台裏

  また地雷踏んでしまった無礼講

  あの世へは世話にならねば逝かれない

  それからへ思いの丈は言わずおく

  謎解きはせずに愛してくれますか

  言霊よ吐いた言葉が身に戻る

  道化師を演じるうちに立ち直る

  立場上今は味方になれません




      
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熟したら柿は静かに落ちていく 望月 弘

2018-03-07 | すきな句
新葉館出版・川柳作家ベストコレクションの1冊。
静岡たかねの望月 弘さんの句集です。

思いがけない贈りものを、ありがとうございます。
さっそくうれしく拝読いたしました。

わたしは、加藤 鰹さんと実際にはおあいすることかないませんでしたが、
ネットを通じて、鰹さんのおかげで、たかねとのご縁をいただきました。
そのとき以来、誌友のひとりとして
たかねのみなさんとご一緒させていただいています。


  熟したら柿は静かに落ちていく

  逃げる気はないが冬眠してみたい

  ひとつしかない人生に自死の罪

  青い空ばかりじゃ米は稔らない

  悪友の見本一升提げてくる

  大切な妻で触診欠かさない

  平等に育って兄は兄になり

  そもそもは赤の他人と半世紀

  子育ての障子は破る為にある

  太陽の勧めるままに冬を脱ぐ

  肝臓に有無を言わせぬ花見酒

  渋柿は渋柿なりの陽を求め




      
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わたしのすきな句・艸花さん

2016-02-19 | すきな句

艸花さんは、英夫さんの川柳掲示板で
長らくご一緒させていただいたかたで、
句をつくりはじめた当初から、
花梨さんとともに、あこがれとしている女性川柳作家さん。

2010年5月の豊橋番傘川柳会35周年記念大会で、
おあいすることができた。
掲示板やメールでしかお話したことがなくても、
こんなにも親しみを感じ、
実際におあいできることをこんなにも
うれしく感じるものなのだなあと
実感した日だった。

さて、その艸花さん作の、わたしのすきな句は
なぜか、お酒の句が多くなってしまった。

スパッとした切り口の時事句、
いろっぽい情念の句、
艸花さんの魅力ある句はたくさんあるが、
どうもこれはきっと、
わたしが艸花さんとお酒をご一緒してみたい
という願望のあらわれなのではないか…

そんな気がしている。

これからもご活躍をお祈りしています。

そして、再会できました折には、
楽しいのみもご一緒できますように。


   銘柄は問わぬ楽しい酒がいい      

   バッカスと祝う一人のバースデー    

   冷静になってしまえばもう跳べぬ

   二日酔い青菜に塩の自尊心    

   古備前の壷は寡黙に炎抱く       


   咲く花も散る花もよし花見酒      

   百薬の長で人生棒に振る

   花冷えの心に効いた熱い燗           

   的少しずらし妬心の矢を放つ

   愛しくて抱きしめたくて胸におく
 




   
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わたしのすきな句・花梨さん

2016-02-13 | すきな句

花梨さんは、わたしが川柳をつくりはじめる
最初のきっかけになったかた。

あるHPで偶然目にした花梨さんの写真川柳。

写真は浮浪草(はぐれそう)さんというかたが
撮られたものだったが、
句も写真もすてきで味わいぶかく、
いいなあと思ったので、コメントを書いた。

すると、花梨さんが

 「あなたもつくってみませんか」

と、声をかけて下さったのだ。

そして、英夫さんの川柳掲示板
「川柳の楽しみ」
へ導かれることになる。

その後、花梨さんは、
娘さんに手ほどきを受けながら、
ネットのお仲間とも学びあいながら、
写真もご自分で撮られるようになり、
写真川柳をさらに深く楽しまれるようになった。

おあいする機会には、とうとうめぐまれなかったが、
掲示板では、本当に親しく楽しくやりとりさせていただき
いろいろ教えていただくことが多かった。

お電話も何度かいただき、お話する機会にめぐまれた。
明るくほがらかなお声と話し方を、
いまもあざやかに思いだせる。

画像の写真川柳は、
ずっと以前に花梨さんがわたしの当時のHPの掲示板に
載せて下さったもの。


 
   有限のいのち無限の夢を抱く      

   足跡は残さぬように他人の庭     

   炎天を終の舞台と蝉しぐれ      

   裏庭で理性の靴を脱いでいる     

   酔芙蓉ゆうべのことは忘れよう   


   箱庭を闊歩している赤い靴

   春うららあなたの嘘も許します

   冬の絵はもう捨てました春がすみ

   プチ家出やっぱり空は青かった

   文箱のさくらはらはら思慕追慕
        




   
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わたしのすきな句・岡部 英夫さん

2016-02-10 | すきな句

ブログの記事のカテゴリーの中に、
新たに「すきな句」を入れた。

岡部 英夫さんは、
わたしが句をつくりはじめた当初…
2005年5月から投句させていただいていた、
川柳掲示板の管理人さん。

わたしの投句は、毎日とはいかず
自分なりのペースで、ではあったが、
英夫さんが亡くなられ、
その愛着ある掲示板が閉鎖される2011年2月まで続けた。

2008年の9月、
豊橋番傘へのご縁をつないで下さったのも、このかただ。

2010年5月、
豊橋番傘川柳会35周年記念大会でおあいしたのが、
最初で最後になってしまったが、
英夫さんの存在を忘れることはない。

画像は、英夫さんの掲示板に投句しはじめた頃に
英夫さんがわたしのその頃のHPを訪ねて下さり、
載せて下さったもの。



   しあわせは今日も並んでいる湯のみ

   口閉じていても死んではいない貝
 
   地酒の名残して里の名が消える

   競っても最後はみんな仏様

   二幕目は踊る阿呆で生きてみる


   秘め事のひとつが秋を深くする

   どのように降ろうが雨の後は晴れ

   地図にない道にも花は咲いている

   人間が見える引き際別れ際

   果てる日の花は椿と決めている





   
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