さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

静岡たかね 2017年11月号掲載句

2017-10-31 | 静岡たかね

<前月号推薦句>

  隠れ家がひとつ自分でいるために (松田 タ介 選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「変遷」

  もういちど愛編むためにほどく糸

  越えてきた壁が土台になりました

  もう誰も探しに来ないかくれんぼ

  おもいでをともに語れるひとがいる


<9月句会>

「枯れる」 (林 二三子 選)

  枯れてゆく過程の色もうつくしい

  言の葉も枯れてこころが閉ざされる 


「日帰り」 (澤崎 ひらめ 選)

  日帰りじゃできぬはるかな尾瀬の旅

  日帰りで行ける海まで泣きにゆく(五客)


「ハードル」 (望月 弘 選)

  ハードルの高い恋ほど燃えあがる 


「自由吟」 (互選)

  お財布もスマホも持たぬ散歩道 (6票)





      
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川柳マガジン 2017年11月号掲載句

2017-10-29 | 川柳マガジン
<川柳マガジン11月号 掲載句>

  擬態して隠れたきみが見つからぬ
     (印象吟 土橋 旗一 選・佳作)

  いい人と言われ悪さができません
     (笑いのある川柳 竹内 ゆみこ 選・佳作)

  ふたりからひとりになって見る景色
     (前句付「何てことない秋の夕暮れ」 天根 夢草 選・佳作)

  電話では気づけなかった空元気
     (全国誌上句会「電話」 赤松 ますみ 選、田辺 進水 選・佳作)

  恋でした会えなくなってから気づく
     (第16期6回 川柳マガジンクラブ誌上句会「気付く」
       江崎 紫峰 選・九客、大西 將文 選・七十秀)

  ゆるやかな変化だれにも気づかれぬ
     (第16期6回 川柳マガジンクラブ誌上句会「気付く」
       大西 將文 選・七十秀)




   
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「白衣着る」

2017-10-29 | 連作
仕事帰り、本屋さんに立ち寄り、
今月も購入した川柳マガジン。

その日は、めったとないイレギュラーなできごとで、
仕事がとてもたいへんだった。
帰宅したらすぐにでも横になりたいほど、
疲れ果てていた。

本屋さんのあるショッピングモールのベンチで、
ひと息ついてから駅に向かおうと思い、
買ったばかりのマガジンをひらく。

そこへ飛び込んできた、自分の名前。
一瞬、見間違いかと思った。

びっくりして、何度も見直す。
現実だろうか、これは。
という思いで。

うれしさよりも、自分などがという、
おそれ多い気持ちがじわじわとやってくる。

川柳マガジン文学賞大賞。

応募した作品は、
看護師としての、ありのままのわたしの思いを句にしたもので、
たいていのわたしの句がそうであるように、

 そのまんまやないか

と思われるだろうなと思っていた。

ひねりもなく、斬新な見つけも、洗練された表現もない。
それでも、わたしにとっては、
すべて自分のたいせつな思いをすくいとった実感句。

それを選んでいただけたというのなら、
ほんとうにありがたく、感謝の気持ちしかない。

思えば、一昨年の秋に準賞をいただいたのも、
病の父とともにあり、看取った際の
まぎれもない実感句をまとめた作品だった。

未熟な自分の姿も、表現のつたなさも
否定のしようがないけれど、
実感を伝えるという一点においてだけでも、
読むひとに何かを感じてもらえたなら、うれしい。

ありがとうございます。



    「白衣着る」

 白衣着る天使ではなく人として

 泣きむしのナース泣く場はわきまえる

 いのちを守るチーム茶髪もおばちゃんも

 傷つけるだけにはすまい針を刺す

 毒になる薬くすりになれる毒

 死に近い場所で際立つ生きる意味

 いのちには教えてもらうことばかり

 生きて死ぬ人みなひとの手をかりて

 重々しくも軽々しくもない看取り

 白衣ぬぎその日の味の酒をのむ




   
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鈴鹿インターネット句会~豊前境句会

2017-10-23 | ネット句会

<鈴鹿インターネット句会・10月>

「読む」 (森山 文切・橋倉 久美子 共選)

  読み違えしたまま進むミステリー (森山 文切 選、橋倉 久美子 選) 


<豊前境句会・9月>

「逆らう」

  逆らって流れを変えた若い風 (互選34票)

  加齢にも四季にも逆らわず生きる (互選27票)

  

わたしが秀句に選ばせていただいたのは、

  父母に逆らう巣立ちへの一歩 (松本 宗和)

  国政に逆らう人のない怖さ (金子 鋭人)


でした。
 


台風一過で、今日は晴れ空。
先週1週間は、ほとんど晴れ間もない雨続きでした。
たいていは台風も逸れてくれる、恵まれた地域に住んでいますが
今回は強い雨風で、かなり荒れました。
近辺に大きな被害はありませんでしたが、
平穏な暮らしも、ひとつまちがえば失われてしまう…
忘れてはいけない、そんな危機感をあらためて感じました。

やっと顔を出してくれたおひさまに、ほっとする思いです。




   
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川柳すずか 286号(29年10月号)掲載句

2017-10-16 | 川柳すずか

<すずか路>

 食欲の衰えぬまま秋が来る
      
 キャンセルのきかぬボタンを押す迷い
      
 元気です言ってはみたが空元気
      
 傾いてみたい日もあるやじろべえ
      
 スイーツでやる気引き出す家事雑事


<課題句>

「嫌い」 (共選)

 嫌いなら無関心より脈がある (小出 順子 選)

 嫌いではないから今日ものむお酒 (千野 力 選)


<誌上互選> 「宅配」

 クロネコが汗して運ぶクール便 (6点)

 宅配待ちでカンヅメになる日曜日 (5点)




通勤や歌の練習に出かける道々で、
なかなか匂ってもこない、その姿も見ない…
と思っていた金木犀。

こちらあたりでもようやく、いっせいに咲き、香りを放っています。
気づいたのは10月12日。
わがやの愛犬、りんの誕生日でした。
12さいになります。
皮膚のトラブルなど、いろいろあるにはありますが、
元気にしてくれていることがありがたく、
どうかいつまでもと願う毎日です。

実家のわんこ、ハルも、
ご近所のお友だちのおうちのわんこも
老いや病気で、心配な状態が続いています。

生きとし生けるもの、みなゆく道ですが、
やはりせつないものがあります。

仕事では、
対応のむずかしい患者さんやそこから発生する問題・課題、
加えて時期的な大小さまざまの雑用が増えているせいか、
最近心身の消耗を感じることが多く、
帰宅するとバタンキューのこともしばしば。

体力、気持ちのありよう、
エネルギーの配分や活動・休息時間の調整。
日々バランスをとって過ごすことのむずかしさを感じます。
それでも、やりたいことを続けていられるいまがしあわせですね。
時々は、
むりにでもこんなふうに自分に言い聞かせていることもありますが^^;




   
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静岡たかね 2017年10月号掲載句

2017-10-04 | 静岡たかね

<前月号推薦句>

  ひとの手で優しい風を生む団扇 (佐野 由利子 選)

  高原の風がわたしの手紙です (望月 弘 選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「シークレット」

  隠れ家がひとつ自分でいるために

  あのケガを忘れぬための傷がある

  自分でも知らぬところにあるほくろ

  憧れのままにしておく恋ドラマ


<8月句会>

「汗」 (林 二三子 選)

  汗を吸い肌になじんでゆく浴衣 


「向かう」 (渥美 さと子 選)

  常備したビールで夏に立ち向かう


「夏っぽい句」 (松田 タ介 選)

  猛暑日に冷やし忘れた缶ビール

  蝉しぐれ世界はきれいだったかい 


「自由吟」 (互選)

  吹き抜けた風は戻らぬ祭りあと (9票)




夏の句がならびました。
酷暑の夏も、過ぎ去ってみれば名残り惜しい気持ちがいたします。
今日は、この秋いちばんのひんやりとした朝でした。
満月はあさっての6日だそうですが、今夜は中秋の名月。
お天気もよいようなので、お月見を楽しめそうですね。

お酒もだんごもいいなあ。
などと、二兎を追うものは。。。??
月のうさぎに笑われるでしょうか。




      
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豊橋番傘 平成29年10月号掲載句

2017-10-04 | 豊橋番傘

<推せん句> 

 マニュアルを超えて仕事のおもしろさ (8月号近詠より・鈴木 順子 選)

 頼る人なくし芽生えた自立心 (7月句会吟より・須崎 東山 選)

 無防備なあくび見られてからの縁 (7月句会吟より・伊藤 紀雍子 選)

 
<近詠>

 出勤も猛暑の夏はいのちがけ
    
 この風を境に夏が秋になる
    
 生き延びた思いで夏の背を送る
    
 散歩道遠回りしてさがす秋


<課題句>

「大変」 (高柳 閑雲 選)

 大変な日々も今では笑い皺

 大変な時ほどあえてティータイム         


「多分」 (小松 くみ子 選)

 たぶんもう来ない便りをいまも待つ


「気取る」 (鈴木 順子 選)

 気取ってはみたがしっくりこない靴

 気取られてならぬ本音を隠す笑み





   
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川柳マガジン 2017年10月号掲載句

2017-10-03 | 川柳マガジン
<川柳マガジン10月号 掲載句>

  遠い地で胸を揺さぶる母国の絵
     (印象吟 古谷 龍太郎 選・佳作)

  ばあちゃんを囲み家族がまるくなる
     (全国誌上句会「囲む」 平井 美智子 選・佳作)

  見ていてもみえてなかった青い鳥
     (全国誌上句会「雑詠」 大脇 一荘 選、村上 氷筆 選・佳作)

  赤ちゃんが無心に吸っているいのち
     (第16期5回 川柳マガジンクラブ誌上句会「吸う」
       二宮 茂男 選・人位)




   
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川柳塔WEB句会(9月)

2017-10-03 | ネット句会

<川柳塔WEB句会・9月>

「伸びる」 (間瀬田 紋章・古今堂 蕉子 共選)

  間引き菜の幾多があって芽が伸びる (古今堂 蕉子 選)




ひんやりの風に、秋の深まりを感じます。
歩く道々、金木犀はまだ香ってきませんが、そろそろかな~。

毎日何かとバタバタしているうちの職場ですが、
そこへ健診やインフルエンザワクチンが加わってくるこれから年末までは、
1年でもっとも忙しくあわただしくなる季節。

歌の予定も、今年中に本番があとふたつあり、
11月にだいだいリートコンサート、12月には合唱祭。

元気に乗りきれるよう、自分の体調管理もだいじなつとめです。

といっても、特別なことはしていませんが…

年間とおして、ふだんからこころがけているのは、
外出後のうがい、手洗い。
しっかり寝て、食べる。(むしろ、食べすぎに注意??)
毎日の生活のなかでじょうずに気分転換し、
楽しみや笑いをみつける…
ほおっておくといやでもたまってしまうストレスですが、
なるべくためこまない。

これぐらいでしょうか。

何か気になることがあると、
そのことに心がとらわれてしまい、気持ちのきりかえができず
ストレスをためがちな人間なので、
これは長年の課題でもあります。



   
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