豊橋番傘 平成22年12月号 掲載句 2010-12-09 | 豊橋番傘 <近詠> ゆだねきることのできない生きにくさ ひもじさを知らず満たされるも知らぬ ぬくい手にふれた桜がくるい咲く 浴びるほど呑んでも酔えぬ夜もある <課題句> 「添う」 (鈴木 順子 選) もたれずにそっと寄り添う距離でいる 寄り添った影がひとつになる月夜 「部屋」 (竹下 健作 選) 夫婦とてたがいに入れぬ部屋を持つ 帯解いてただのわたしに戻る部屋 「偶然」 (寺部 水川 選) 偶然がひとのさだめを変えてゆく