言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
<すずか路>
ベランダの鉢も酷暑にあえぎだす
ささやかな風を扇子でおすそわけ
夏酒を飲みくらべして暑気払い
ちっぽけな石につまずくことが増え
血の巡り良くするために飲むお酒
<8月句会>
「ひとり」(橋倉久美子選)
つぶやきがひとり歩きをするこわさ
「アルバイト」(芦田敬子、加藤吉一共選)
天職に会うかも知れぬアルバイト
(芦田敬子選)
少しだけ社会を知ったアルバイト
(芦田敬子選)
<誌上互選>
「日傘」
できるだけ涼しい顔でさす日傘(11点)
プードルと歩き絵になるレース傘(2点)
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今でも胸に秘めている恋
(十四字詩「秘」五十嵐淳隆選・佳作)
でこぼこの家族平らにならす母
(全国誌上句会「平ら」北出北朗選・佳作)
仕切らせておいて容赦のない文句
(マガジンクラブ誌上句会「仕切る」
八甲田さゆり選・70秀)
プロポーズ月の魔法を借りました
(川柳皐月賞「月」佳作9
吉道航太郎選・天
高橋みっちょ選・佳句
片野晃一選・佳句
冨田房成選・佳句)
わたしにも月にも秘めた顔がある
(川柳皐月賞「月」
鈴木英峰選・佳句)
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<川柳展望ネット句会・8月>
「お茶」 (互選)
お茶だけの仲で誰より好きな人(7票)
ささくれを溶かしてくれたぬくいお茶(4票)
5票以上が入選で、1句入選できました^^
私が選ばせていただいた句は
喫茶店ほどはくつろげない茶室 𠮷崎柳歩(15票)
同じ茶を飲んで家族になってゆく 徳重美恵子(10票)
キッチンに並んだ茶葉は多国籍 竹平和枝(9票)
お茶が出て帰りたいけど帰れない 小出順子(6票)
喧嘩する前にひと口お茶を飲み 休鶏(4票)
長尻の酒のお客にそっとお茶 足立ミツエ(4票)
茶を淹れて母の遺影とティータイム 休鶏(3票)
でした^^
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<6月句会吟から推薦句>
懐かしく話せる日までうんと泣く
(田口勝義推薦)
<近詠>
エアコンの助けも借りて生き延びる
植物の暑さに負けぬ底力
夏酒をキンと冷やして注ぐグラス
ばた足で必死にもがき泳ぐ日々
<8月句会・課題句>
「意外」(佐藤恭子選)
逆境で母の意外なたくましさ
こぼれ種意外な花が咲きました
「叶う」(青嶋由紀美選)
粘りぬきついに叶ったプロポーズ
叶う日までの汗をいとわぬ金メダル
「守る」(鈴木順子選)
死守したいボディーラインがくずれだす
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<前月号推選句>
ちょうどよい自分の衿の抜きかげん
(若芽抄・佐野由利子選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「綻び」
免疫の低下か綻びるカラダ
まだうまくできぬ自分をあやすこと
存在が支えであったひとが逝く
悔いの雨訃報の日から降り止まぬ
<7月句会>
「流れる」(石川柳寿選)
行く先を流れる雲は案じない
戦争へ流れないでという祈り
「プライド」(奥山 京選)
群れを去る背中にライオンの誇り
「輪」(佐野由利子選)
輪の中でひとりひとりが抱く孤独
まるい輪を描けぬままに生きている
「自由吟」(互選)
生きる意思あってごくりと飲んだ水(8票)
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「放題」(平永きよみ選)
墓参まず伸び放題の草を刈る(秀1)
私がいいなあ~と思ったのは、
母譲り詰め放題のテクニック 北田のりこ
詰め放題収まりきらぬ人の欲 木村行吉
ワクワクを乗り放題で探し出す 満月庵
です^^
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「濁る」(平井美智子・西山竹里共選)
咲くために少し濁った水も吸う
(平井美智子選、西山竹里選)
酒で濾すわたしの濁り取れるまで
(平井美智子選)
私が、特にいいなあ!と思った句は
人間を洗うと水も濁り出す 原 洋一
戦いが空を濁った色にする 冬子
言い訳をすると言葉が濁りだす 西岡ゆかり
人類のエゴが濁らす青い海 陽香
水濁り少し自由になる金魚 春日綾乃
国背負い濁るセーヌの水を飲む 星野睦悟朗
生きるため濁った水を飲んでいる 五月
です。
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<すずか路>
手を引かれ背中を押され飛んだ空
悔い抱え那覇空港に降りた夏
懐かしいひとを見送るための旅
母の名で私に呼びかけたオバア
再会も別れもあった夏がゆく
<7月句会>
「包む」(𠮷崎柳歩選)
万物を優しく包む月あかり
春巻きに時々包むサプライズ
「駒」(毎熊伊佐男、橋倉久美子共選)
持ち駒はあるが采配できぬ将
(毎熊伊佐男選、橋倉久美子選)
<自由吟> (青砥たかこ選)
老犬のためにまだまだバテられぬ
ひと夏ごとに殺人的になる暑さ
身をくるむ夏のシーツは海の青
<すずか路前号鑑賞> 367号から・大島凪子
いにしえの恋を着物が語りだす
<誌上互選>
「トップ」
トップより完走めざしマイペース(3点)
トップギア落とし初めて見る景色(3点)
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<好句往来> 6月号から・たむらあきこ
お手本は笑顔で生きる高齢者
<5月句会吟から推薦句>
間の抜けたくしゃみが静寂を破る
(小松くみ子推薦)
<近詠>
沖縄へ飛ぶ手荷物は悔いばかり
着陸をしたのに浮いたままの足
きっとまた会えると信じひろう骨
今のうち会わねばならぬ人ばかり
<7月句会・課題句>
「嘘」(佐藤恭子選)
笑わせるために優しい嘘をつく
「プロ」(小松くみ子選)
動揺は見せず仕事をこなすプロ
「懐かしい」(寺部水川選)
懐かしく話せる日までうんと泣く
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<前月号推選句>
あした咲く蕾とあした散る花と
(高嶺抄・荒牧やむ茶選)
バラ園で少女の頃の夢に会う
(疾風抄・松田タ介選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「浴衣」
夏が来る前におさらいする浴衣
五十肩浴衣着るにも難儀する
ちょうどよい自分の衿の抜きかげん
暑くても目には涼しく着る浴衣
<6月句会>
「あじさい」(宮崎三千代選)
紫陽花の雨に未練は溶けました
紫陽花が恋しい雨を待ちわびる(五客)
「自由吟」(互選)
おてんばな地色を少し覗かせる(2票)
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