言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
「零す・溢す」(平井美智子・西山竹里共選)
たっぷりと愚痴をこぼして蘇生する
(平井美智子選、西山竹里選)
こぼすほど注いでサービスされる酒
(西山竹里選)
私が、特にいいなあ!と思った句は
記憶から零れる顔が多くなる 冬子
うっかりと溢した愚痴が風にのる 鈴木かつえ
しあわせがこぼれぬように目を閉じる 田沢恒坊
記憶から零れないでと母を抱く 小野雅美
監督が聞こえるように零す愚痴 星野睦悟朗
神だった父がぽろぽろこぼす飯 平井美智子
一杯の水を溢さぬ様に飲む 宮本 信吉
です。
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<すずか路>
彼岸来て急に季節が動きだす
さびしさに不定愁訴が増える秋
生きているかぎり毎日ゴミが出る
パケ買いで運だめしする秋の酒
日替わりのメニューで老犬と暮らす
<小休止> 前月号より推薦句
ちっぽけな石につまずくことが増え
(水谷ちか子選)
<9月句会>
「バナナ」(青砥たかこ選)
色黒バナナケーキになってお嫁入り
急速にバナナでチャージするパワー
クレヨンでバナナのような月を描く
「わざわざ」(樋口りゑ、𠮷崎柳歩共選)
元カレのその後知らせてくる仲間
(樋口りゑ選、𠮷崎柳歩選)
名月を見上げ今夜は遠回り
(樋口りゑ選)
難しい道をわざわざ登る山
(𠮷崎柳歩選)
「自由吟」(橋倉久美子選)
涼風を待ちかね咲いた彼岸花
罰としてかかるわけではない病
<誌上互選>
「読む」
読み切った数が合わない選挙戦(4点)
深読みをしては迷路にはまる恋(2点)
<すずか路前号鑑賞> 369号から・木村行吉
血の巡り良くするために飲むお酒
夏酒を飲みくらべして暑気払い
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断捨離が教えてくれた必需品
(全国誌上句会「雑詠」北山まみどり選・秀
本田智彦選・佳作)
故障だと知らせるために出す異音
(マガジンクラブ誌上句会「故障」
前田楓花選・天)
思考停止機械が故障したように
(マガジンクラブ誌上句会「故障」
前田楓花選・70秀)
処方箋やさしい嘘を少し混ぜ
(川柳水無月賞「少し」
片野晃一選・佳句
柳 緑子選・佳句)
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「握る」
恋人に優しく握られた尻尾
(田沢恒坊選)
今回は、エッセイでの参加はできずでした。
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<川柳展望ネット句会・9月>
「パネル」 (𠮷崎柳歩選)
肖像画パネルにされて照れている
入選句を一部ご紹介いたします。
オーダーをタッチパネルに阻まれる 休鶏
乾燥指タッチパネルは知らんぷり 竹平和枝
佳句
老いの手にタッチパネルというバリア 竹中正幸
八月のパネルが語る非戦論 八木五十八
太陽光パネルで息ができぬ山 春日綾乃
時間切れ喋り足りないパネリスト 西岡ゆかり
秀句
太陽光パネルと寿命競い合い やんちゃん
一日で出来たパネルの家に住む 八木五十八
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<前月号推選句>
まだうまくできぬ自分をあやすこと
(高嶺抄・荒牧やむ茶選
疾風抄・松田タ介選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「夏休み」
昼間からお酒オトナの夏休み
暑気払いなどと称してまたビール
ほろ酔いでうたたねなんという至福
連休に何も予定がない平和
<8月句会>
「本番」(佐野由利子選)
本番に起こるまさかのハプニング
本番の靴は早めに履き慣らす(天位)
「花火」(中野三根子選)
つかのまの恋を見送る遠花火
「トンネル」(松田タ介選)
いくつものトンネルを経て出会う花
「自由吟」(互選)
葬った夢が時々化けて出る(2票)
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「うっとり」(重徳光州選)
求愛の言葉うっとり酔わされる
私がいいなあ~と思ったのは、
一輪の花にうっとりする茶室 圦山 繁
湯上がりの妻に見惚れた頃もあり あすか行人
うっとりを値札のゼロに笑われる 橋倉久美子
です^^
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「曲がる・曲げる」(平井美智子・西山竹里共選)
曲がりたいように曲がって美味いナス
(平井美智子選、西山竹里選・秀1)
私が、特にいいなあ!と思った句は
曲げないとこの世はちょっと生きづらい 羽華
首曲げてピサの斜塔の写真撮る 茶飯士
解釈を曲げると抜ける法の網 平尾定昭
お祈りの形に曲がる母の背な 平井美智子
盆栽の枝の曲がりにある苦痛 老人生
曲がったらきっと虹だとバレますよ てつろう
男振るようにプイッと去る金魚 春日綾乃
曲がったらもう真っ直ぐは打てぬ釘 西山竹里
です。
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<すずか路>
ベランダの鉢も酷暑にあえぎだす
ささやかな風を扇子でおすそわけ
夏酒を飲みくらべして暑気払い
ちっぽけな石につまずくことが増え
血の巡り良くするために飲むお酒
<8月句会>
「ひとり」(橋倉久美子選)
つぶやきがひとり歩きをするこわさ
「アルバイト」(芦田敬子、加藤吉一共選)
天職に会うかも知れぬアルバイト
(芦田敬子選)
少しだけ社会を知ったアルバイト
(芦田敬子選)
<誌上互選>
「日傘」
できるだけ涼しい顔でさす日傘(11点)
プードルと歩き絵になるレース傘(2点)
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今でも胸に秘めている恋
(十四字詩「秘」五十嵐淳隆選・佳作)
でこぼこの家族平らにならす母
(全国誌上句会「平ら」北出北朗選・佳作)
仕切らせておいて容赦のない文句
(マガジンクラブ誌上句会「仕切る」
八甲田さゆり選・70秀)
プロポーズ月の魔法を借りました
(川柳皐月賞「月」佳作9
吉道航太郎選・天
高橋みっちょ選・佳句
片野晃一選・佳句
冨田房成選・佳句)
わたしにも月にも秘めた顔がある
(川柳皐月賞「月」
鈴木英峰選・佳句)
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