さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

川柳すずか 369(6年9月)号掲載句

2024-09-19 | 川柳すずか

<すずか路>

 ベランダの鉢も酷暑にあえぎだす

 ささやかな風を扇子でおすそわけ

 夏酒を飲みくらべして暑気払い

 ちっぽけな石につまずくことが増え

 血の巡り良くするために飲むお酒


<8月句会>

「ひとり」(橋倉久美子選)

 つぶやきがひとり歩きをするこわさ


「アルバイト」(芦田敬子、加藤吉一共選)

 天職に会うかも知れぬアルバイト
      (芦田敬子選)

 少しだけ社会を知ったアルバイト
      (芦田敬子選)


<誌上互選> 

「日傘」

 できるだけ涼しい顔でさす日傘(11点)

 プードルと歩き絵になるレース傘(2点)


  

   
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川柳すずか 368(6年8月)号掲載句

2024-08-19 | 川柳すずか

<すずか路>

 手を引かれ背中を押され飛んだ空

 悔い抱え那覇空港に降りた夏

 懐かしいひとを見送るための旅

 母の名で私に呼びかけたオバア

 再会も別れもあった夏がゆく


<7月句会>

「包む」(𠮷崎柳歩選)

 万物を優しく包む月あかり

 春巻きに時々包むサプライズ


「駒」(毎熊伊佐男、橋倉久美子共選)

 持ち駒はあるが采配できぬ将
   (毎熊伊佐男選、橋倉久美子選)


<自由吟> (青砥たかこ選) 

 老犬のためにまだまだバテられぬ

 ひと夏ごとに殺人的になる暑さ

 身をくるむ夏のシーツは海の青


<すずか路前号鑑賞> 367号から・大島凪子

 いにしえの恋を着物が語りだす


<誌上互選> 

「トップ」

 トップより完走めざしマイペース(3点)

 トップギア落とし初めて見る景色(3点)


  

   
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川柳すずか 367(6年7月)号掲載句

2024-07-23 | 川柳すずか

<すずか路>

 紫陽花がほっとしている梅雨の入り

 程のよい降りなど雨は知らず降る

 ねじばなは自由にねじれ空を向く

 老犬と一緒に時を刻む日々

 いにしえの恋を着物が語りだす


<小休止> 前月号より推薦句

 良薬の範囲でしょうか今日の酒
       (福村まこと選)


<第20回鈴鹿市民川柳大会>

「渦」(𠮷道航太郎選)

 ヒロシマに渦巻く悲鳴今もなお


<すずか路前号鑑賞> 366号から・戴けいこ

 これしきの痛みに気力奪われる


<誌上互選> 

「受ける」

 不安げに揺れるプリンを受ける皿(4点)

 雨を受け陽を受け花はうれしそう(2点)


  

   
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川柳すずか 366(6年6月)号掲載句

2024-06-17 | 川柳すずか

<すずか路>

 今日咲いた花に励ましもらう朝

 ご機嫌はいかがと花に今朝の水

 これしきの痛みに気力奪われる

 不具合をなだめ笑って過ごす今日

 良薬の範囲でしょうか今日の酒


<課題句>

「薄い」(青砥たかこ選)

 薄味の恋にときどき唐辛子


「雨」(小出順子、樋口りゑ共選)

 雨予報着物選びをやり直す
   (小出順子選、樋口りゑ選)

 雨天でも延期しにくいお引越し
   (小出順子選)

 ベランダの水やり雨に頼れない
   (樋口りゑ選)


<自由吟> (橋倉久美子選) 

 しあわせとごちそう慣れてしまいがち


<すずか路前号鑑賞> 365号から・竹内ゆみこ

 遅咲きの桜見守るひとがいる


<誌上互選> 

「涙」

 悔いのない涙で送る家族葬(10点)

 自浄するために流している涙(5点)


  

   
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川柳すずか 364・365(6年4・5月)号掲載句

2024-05-21 | 川柳すずか
4月号がアップできていないままだったようです^^;
5月号と併せて載せますね。

4月号
<すずか路>

 待ちかねたハルサザンカが咲き初める

 陽ざし浴び固い蕾がほころびる

 ヒートテック着込んで春のワンピース

 もう歳をとらない父の誕生日

 生きていればと今でも思う十年目


<課題句>

「デッサン」(𠮷崎柳歩選)

 才能の片鱗見えるデッサン画

 彩色に夢がひろがるデッサン画

 デッサンのままで終わった淡い恋


「荒い・粗い」(中川知子、毎熊伊佐男共選)

 半衿の見えぬところは粗く縫う
       (中川知子選、毎熊伊佐男選)

 花好きのあるじ世を去り荒れた庭
       (毎熊伊佐男選)

 荒波を越えた笑顔は凪いでいる
       (毎熊伊佐男選)


<自由吟> (青砥たかこ選) 

 選外でした;;


<誌上互選> 

「注意」

 注意してもつい飲み過ぎるうまい酒(2点)

 子を注意する大人がいなくなりました(1点)


<ポストイン> 

 いちねんの早さにあせるカレンダー
       (豊橋番傘に掲載)


5月号
<すずか路>

 あたらしい門出を祝う桜咲く

 お花見日雨に降られてランチ会

 夏日来て目に涼やかな白ツツジ

 友からの便りはいつも花ざかり

 遅咲きの桜見守るひとがいる


<小休止> 前月号より推薦句

 デッサンのままで終わった淡い恋
         (柴田比呂志選)


<課題句>

「キャンセル」(橋倉久美子選)

 キャンセルのきかぬボタンが増えてゆく


「迷う」(小川はつこ、西川幸子共選)

 咲く花が季節を迷う温暖化
    (小川はつこ選、西川幸子選) 


<自由吟> (𠮷崎柳歩選) 

 運転歴ないまま返す免許証

 どんな日も揃って食べる朝ごはん


<すずか路前号鑑賞> 364号から・ささきのりこ

 ヒートテック着込んで春のワンピース


<誌上互選> 

「喜ぶ」

 喜んでほしくて選ぶ贈りもの(4点)

 喜びの歌で最後を締めくくる(2点)


  


   
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川柳すずか 363(6年3月)号掲載句

2024-03-15 | 川柳すずか

<すずか路>

 菜の花も慌てて咲いた菜種梅雨

 梅柄の母の着物を着る二月

 難点は羽織にカバーしてもらう

 祈りこめ雨水に飾るおひなさま

 断水も改善できぬままの能登


<小休止> 前月号より推薦句

ワルグチを言うときなぜかみな元気
       (西岡ゆかり選)

<課題句>

「ぼちぼち」(青砥たかこ選)

 愚痴こぼしはじめた酒を切りあげる


「違う」(岩谷佳菜子、加藤吉一共選)

 選外でした;


<自由吟> (橋倉久美子選) 

 選外でした;;


<誌上互選> 

「雑煮」

 お雑煮に飽きたら探す餅レシピ(6点)

 お雑煮で揉めた結婚一年目(5点)


<ポストイン> 

 スイッチを切って無音の夜にする
       (三重番傘に掲載)


  

   
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川柳すずか 362(6年2月)号掲載句

2024-02-19 | 川柳すずか

<すずか路>

 ワルグチを言うときなぜかみな元気

 毒を吐きオンナが浄化されてゆく

 そうねとは言わず黙って聞くはなし

 今はもう笑いばなしになった傷

 デトックス身軽になった帰り道


<課題句>

「挟む」(橋倉久美子選)

 サンドイッチに挟む具いつもあり合わせ

 肉挟みグレードアップした茄子


「酒」(芦田敬子、樋口りゑ共選)

 こんなにも酒が恋しい休肝日
        (芦田敬子選、樋口りゑ選)


<自由吟> (𠮷崎柳歩選) 

 窓ガラス拭けば景色が澄んでゆく


<誌上互選> 

「賭ける」

 新薬に賭けて病の治癒めざす(6点)

 命がけで産んだ我が子に背かれる(2点)


  

   
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川柳すずか 361(6年1月)号掲載句

2024-01-18 | 川柳すずか

<すずか路>

 歓迎はせぬがようやく来た寒波

 湯に浸かり酒もわたしも上機嫌

 大寒波レベルを上げる防寒着

 クリスマスカラーを着物にも添える

 うさぎ年ぴょんぴょん跳ねて去ってゆく


<小休止> 前月号より推薦句

 いい朝だカラダのどこも痛くない
         (奥田悦生選)


<課題句>

「故障」(𠮷崎柳歩選)

 がまんして着いたトイレが故障中

 故障する前にサインを出す身体


「飲む」(小出順子、毎熊伊佐男共選)

 飲み忘れも飲み過ぎもよくない薬
        (毎熊伊佐男選)


<自由吟> (青砥たかこ選) 

 特売日待って目当てのパンを買う


<誌上互選> 

「マニア」

 語りたいマニアと隠したいマニア(6点)

 熱すぎる語りでマニアだと知れる(6点)


<年賀広告の一句>

 わたくしの寿命をのばすうまい酒


  

   
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川柳すずか 360(5年12月)号掲載句

2023-12-18 | 川柳すずか

<すずか路>

 食卓を秋いろにする柿ひとつ

 襲来の冬に慌てる衣替え

 いい朝だカラダのどこも痛くない

 不調とも折り合いつけて暮らす知恵

 スイッチを切って無音の夜にする


<課題句>

「ほんのり」(青砥たかこ選)

 ほんのりと塩を効かせた白むすび

 追伸にほんのり滲ませる思い


「沈む」(鈴木裕子、𠮷崎柳歩共選)

 野の花が沈む心をなぐさめる
        (鈴木裕子、𠮷崎柳歩選)

 日が沈む前に下山を急ぐ足
        (𠮷崎柳歩選)

 文明がいくつも沈む海の底
        (𠮷崎柳歩選)


<自由吟> (橋倉久美子選) 

 ワクチンのあとは必ず腫れる腕


<誌上互選> 

「復活」

 土曜日の配達復活を望む(4点)




この12月号で、青砥たかこさんが
句集「さくらもよう」の紹介文を書いてくださいました。
私の句の中にある思いをくみとってくださる、
あたたかいお言葉がうれしかったです。
ありがとうございます^^

「さくらもよう」
読みたいと思ってくださるかたがおられましたら、
どうぞ遠慮なくメールででもコメントでも、
ご連絡くださいね。

  

   
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川柳すずか 359(5年11月)号掲載句

2023-11-17 | 川柳すずか

<すずか路>

 ようやくの秋に味わうひやおろし

 緊張をほっと解いてくれた酒

 おいしい秋食べ過ぎずにはいられない

 近松の里がにぎわうお祭り日

 インフルが流行りワクチン急がれる


<課題句>

「未練」(橋倉久美子選)

 選外でした;


「痒い」(中川知子、青砥たかこ共選)

 失恋も痒くなったら治りかけ
        (中川知子選、青砥たかこ選)

 かさぶたが剝がしてくれと出す痒み
        (中川知子選)


<自由吟> (𠮷崎柳歩選) 

 人名と地名は読みを確かめる


<すずか路前号鑑賞・358号から> ささきのりこ

 カゼよりもはるかに辛かったコロナ


<誌上互選> 

「下がる・下げる」

 お下がりの菓子が私を太らせる(3点)

 体温をアイスが下げてくれた夏(2点)


<ポストイン・各誌から> 青砥たかこ

 どこからかついにもらってきたコロナ


  

   
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