さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

川柳マガジン2016年5月号・掲載句

2016-04-30 | 川柳マガジン

選者の先生がたおよび作者名の敬称略で失礼いたします。

<入選句>

  いちばんの奇跡あなたにあえたこと 
     (印象吟・坂下 清 選・佳作)

  疑似餌にも釣られるほかはない孤独  
     (前句付「溺れる者は藁をも掴む」みぎわ はな 選・佳作)

  さては母だな父の態度がやわらかい
     (読者柳壇「差し金」荒川 八洲雄・安藤 紀楽 選・佳作)

  泣きつつも電卓はじく赤い爪
     (第14期・12回 川柳マガジンクラブ誌上句会「魂胆」
      新家 完司 選・六十五秀)

  残り香が語るおんなのはかりごと
     (第14期・12回 川柳マガジンクラブ誌上句会「魂胆」
      前田 咲二 選・七客)


いつも楽しみな「柳豪のひとしずく」は鈴木 順子特集。
今月号の表紙の写真は、
きれいなお着物で笑顔いっぱいの順子さん。

  土下座した土の臭いを忘れない

  現実よ敵に抱かれてでも生きる

  気がつけば子に手加減をされている

  かくれんぼそれから母が見つからぬ

  約束の午後から雨になるという


  句に昇華するまで君と戯れる

  透明になれたら君にまといつく

  明日もまた生きる目覚ましセットする

  疑うのはやめたご飯が不味くなる  

  なかなかの鬼だ握手をしておこう


「川柳アンソロジー」は、
失明し、病のなかにあって句をつくり続けられた影山 晴美。
ご夫婦の深いつながりをも感じさせられる。

  眼が覚めて夢では見えた眼が見えぬ

  若い日に買った苦労で耐えている

  妻の手でようやく回る俺の独楽

  水清き故郷に住まぬ訳を持つ

  喜びは自分で出来た身繕い


  病室で残すご飯にそっと侘び

  灯を消せば妻の寝息とキリギリス

  もう会えぬ人のカルテが閉じられる

  遺影笑むあの世いったいどんなとこ 

  思い出があってよかった寝たっきり

 

みなさんの入選句ほか掲載句 より

  会場が手話と歌った「花は咲く」 (風間 なごみ)

  神のいる世界に同時多発テロ (西山 竹里)

  父叱り母は裏口開けて待つ (原 脩二)

  かあさんがいるんだ鬼もにんげんも (日谷 寛)

  洒落たやつ散りぎわまでも花がある (すずき 善作)


  風少し吹いて秘密がほどけだす (勝又 恭子)

  幸せが金で買えたら不幸です (呟 薫)

  ひどい目にあったと何かうれしそう (小林 ふく子)

  魂が呼び合ったのでしょうきっと (森吉 留里惠)

  二人だとこんなに水が透きとおる (米山 明日歌)


  ミサイルが次々落ちる水たまり (月波 与生)

  一人めしひとりの音の中で食う (小池 楽人)

  恋人が冥土喫茶で待ってます (斉尾 くにこ)

  気づかれぬようにわたしを消しておく (句ノ一)

  好き好きと言えたら世界ちがったか (松田 タ介)

  



   
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ごほうび

2016-04-26 | 大会

以前の記事で、
川柳で賞品は何もいただいたことがない などと、
いかにもほしがっているような??
お米やらお酒ならきっとすごくうれしいでしょうね とか、
いかにもいじましい…ことを書きましたが、
もちろん賞品めあてで句をつくっているのではありません。
けっして。。。

でも、

 いただけるなら、何でもうれしい!

というのは本当です。

モノをいただくのが、という意味ではなくて、
句をこころにとめていただけるのは大きな励みです。

めったに大会などにはお出かけしないのに、
思いきって出かけたら全ボツだった…

というような今のわたしには特に(笑)

こんなことを言いながら、大会では
よき人・佳き作品にであうという楽しみをたくさんいただいて帰ったので、
参加して本当によかったと思っているのです。

で、そんなわたしにうれしいごほうび♪が届きました。

届いた時ここでは書いていなかったのですが、
つい先日いただいたのは、図書カード。

中日川柳の、第117回中部地区誌上川柳大会のごほうびでした。
まだ使っておらず、たいせつにとってあります。
自分にとって記念となるものを買うのに、
使わせていただきたいと思います。
これが初めていただいた賞品です。
とてもうれしかったです。

それから、
今日届いてびっくりのうれしいおどろきだったのは、
第16回春はくろぼこ川柳大会の賞品。
賞状と楯でした。

欠席投句での参加でしたが、
出したうちの1句が、10賞あるうちの
鳥取市議会議長賞というものをいただけたらしいです。

鳥取は、一昨年に亡くなった父のふるさとです。
八頭郡智頭町というところですが、
これまでほとんど訪ねる機会を持てないまま
今に至ります。

父にゆかりのある鳥取で賞をいただけるとは
思いがけぬ喜びでした。

発表誌は「川柳いのちの詩」6月号だそうで、
届くのはまだ先のようですが、
賞品に同封されておりました10賞の句をご紹介。
お名前敬称略で失礼いたします。


 犬笛か拉致の悲鳴か日本海 (丸橋 野蒜・岡山)川柳同友会みらい賞

 踏み出した一歩に明日という無限 (橋田 綾子・高知)気高町文化協会賞

 島はもう母の形になっている (平井 美智子・大阪)新日本海新聞社賞

 安心をしたくて列の中にいる (橋倉 久美子・三重)一般社団法人全日本川柳協会賞

 反戦を弓なりになり叫ぶ島 (渡辺 富子・奈良)鳥取市教育委員会教育長賞

 飛ぶ鳥はゆくべき空を迷わない (澁谷 さくら・兵庫)鳥取市議会議長賞

 日めくりの一枚ずつを的にする (両川 無限・鳥取)鳥取市長賞

 君はまだ海辺で笛を吹いてるか (久保田 半蔵門・大阪)鳥取県教育委員会教育長賞

 人間の列にいるぞとストレッチ (大前 安子・鳥取)鳥取県議会議長賞

 万が一はずれる的が恐ろしい (大杉 敏夫・岡山)鳥取県知事賞



いただいた楯は、ハガキより小さめで
ふつうの写真サイズくらい?
大きすぎなくて、仰々しくなくかわいらしく飾れそうです。



   
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第4回広島県川柳協会誌上大会

2016-04-25 | 誌上大会

 (このひとつ前の記事から読んで下さいね~
  まあ、ホントはどちらでもいいのですが)
 
第4回広島県川柳協会誌上大会に参加させていただきました。
選者の先生がた、作者の方々のお名前敬称略で失礼いたします。

お題「祈り」は2句とも選外…

「自由吟」の1句だけ、選んでいただけました。

 弱い群れ寄りそいあって生きのびる

   (福田 淳子選・新家 完司選)

これだけではなんともさびしいので、
わたしのすきな句をいくつかご紹介。


「祈り」

 抱卵の形になってゆく祈り (大森 昭恵)特選の句です

 病窓に平癒の祈り吊ってある (照沼 智)特選の句です

 もう二度と戦だけはという祈り (荷堂 てる子)

 敬虔にメッカへ祈るテロリスト (藤原 紘一)

 ごめんなさい祈ることしかできません (藤原 紘一)

 やることをやって静かに祈るだけ (大木 雅彦)


「自由吟」

 ほんのりでいい香水も優しさも (橋倉 久美子)

 よろよろによたよたが手を貸している (大久保 眞澄)

 本心を少し控えて和を保つ (多良間 典男)

 返せない恩を重ね着して老いる (久部 信子)

 今ここで言わねば僕が僕でない (吉兼 幸舟)

 生きている証拠夫が咳をする (藤井 幸子)




   
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展望大会

2016-04-25 | 大会

昨日、第20回川柳展望全国大会におでかけしてきました。

すずか川柳会のみなさまとご一緒させていただき、
とても心づよくまた楽しかったです。

そのすずかのみなさまは、大活躍。
今回の現代川柳大賞受賞のうえ選者さんまでおつとめになられた方あり、
秀句賞の方がふたりあり、
ほかの方々もたくさん入選されていました。

そしてわたしはというと、
いつも句や選、お写真などを、雑誌やブログなどで拝見している方々が

 (おおっ、動いてる!しゃべってはる~)

 (いいお声だわぁ)

 (うるわしい姿だわあ)

そんなことに感動しておりました。。。

憧れの方々ともお話できて、
ちゃっかりサインまでいただいたり♪
自分はミーハーの要素はないと思っていましたが、
隠れていただけのようです。

さて、
かんじんの成績?はというと、わたしは全滅…
同じテーブルのすずかの方々が元気よく呼名されているのを
うれしく誇らしく聴きながら

(なぜわたしが誇らしい??
 でも、ご一緒しているだけで勝手にそんな気分になって…)

そしてほかの方々の句を拝聴しながら、

ああ、こりゃしかたないよな~と。

何がどう足りないのかはよくわからないのですが、
ユーモアセンスとか、斬新な発想・表現みたいなものかなーと思いました。

 「川柳社によって、それぞれ句風のちがいがあるからね~」

と話して下さる方が何人もおられましたが、
そういうことは考えたこともなくて、いまだによくわかりません。

まあとにかくめげずに、
自分なりに自然体と思えるかたちでやっていきたいと思います。

ご一緒して下さったみなさん、
お声かけて下さったみなさん、
ありがとうございました。

またどこかでおあいできるのを楽しみにしております。


入選句がないので、
今日はご紹介できる句がない。。。あらら。

ということで、続きの記事をどうぞ。



   
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ふたつの大会予定

2016-04-23 | 大会

(このひとつ前の記事の続きとして、
 お読み下さいませ。。。)

なかなか出かけられない…のですが、
この近日中にはなんと、
ふたつの大会に出かける予定です。
自分でもびっくりなのです。

明日開催される、第20回川柳展望全国大会

と、

5月1日の、番傘わかくさ全国川柳大会。

どちらも、自分ではまったく考えてもみなかった大会参加ですが
お誘い下さったかたがおられたので、
思いきって行ってみようかなーと…。

大会に慣れていないわたしは、
挙動不審でうろうろ、おろおろしているかも知れませんが、
もしよろしければお声かけ下さい。

ひどい方向音痴なので、まずはぶじにたどりつくことが
第一ミッション??
どなたか、同じ会場に行かれるらしいかたを見かけたら
ついて行かせていただくかも知れませんが、
よろしくお願いいたします。

ああ、緊張してきました。。。



   
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WEB句会~川柳塔&おきなわ準備室

2016-04-23 | ネット句会

川柳塔WEB句会(4月)と、
川柳塔おきなわ準備室12,345アクセス記念句会に
参加させていただきました。
選者の先生がた、敬称略で失礼いたします。

・川柳塔WEB句会「似る」
  太田 紀伊子・新家 完司 共選
  参加は275句(140名)

 ヒトに似た猿が人より進化する
   (太田 紀伊子選・平抜き)


・川柳塔おきなわ準備室「順」
  門脇 かずお・木本 朱夏 共選
  参加は44名(88句)

 最後にはきっとわたしと踊ってね
   (門脇 かずお選・平抜き 木本 朱夏選・佳作)

 順序よくすすんだはずの恋でした
   (木本 朱夏選・平抜き)



WEB句会は、多大な費用をかけることなく、
なかなか出かけられない人でも自分の都合のよい日時で参加でき、
ネットを通じて全国の人が一堂に会することができるので、
ひとつのよいありかたですね。
今後さかんになっていくのではないでしょうか。

わたしも、実際の大会へはなかなか出かけられないので、
こういったWEB句会でみなさんとご一緒したいと思います。



   
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豊前境川柳会「恩」

2016-04-22 | ネット句会

豊前境川柳会のネット句会に
この3月はじめて参加させていただきました。

68名の参加で136句。

こちらも互選があり、
結果を待っているだけでなく、
自分でも秀句・佳句・前抜き句とを決められた数だけ
選ぶ必要があるのですが、それがとてもむずかしい…。
句をつくるより悩みます。

選者さんおふたりの選ばれた句と互選の句、
それぞれちがうものなのですね~
わたしの選もすこしずつちがっていたし…
そういうものだと思って、
選ばせていただいてもよいのかなあ。

載せていただいた入選句です。
選んで下さった盛田友子さん、みなさん
ありがとうございます。
あとおひとりの選者・茶っ茶さんの選では
2句とも選外でした。残念。
また目にとめていただけるようがんばりましょう。

          
「恩」

 ふえるのは返せぬ恩と年ばかり 
    (盛田 友子選・前抜き 互選45票・佳句)


 恩がえし望みはしない親の愛  
    (盛田 友子選・前抜き 互選31票・前抜き)


わたしが秀句に選ばせていただいた2句は、

 恩讐を越えて微笑む春の風 (葱坊主)

 親の恩子らに還して丸く老い (古俣 きそ)

でした。

お名前敬称略で失礼いたします。




   
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第19回全日本川柳誌上大会&検査のご報告

2016-04-20 | 誌上大会

「第19回全日本川柳誌上大会」に参加させていただきました。

入選句と自選1句が掲載された平成柳多留第19集が到着。

この大会、第15回に続いて2回目の参加です。
あのときは、
お元気に生きておられた豊橋番傘の岡部英夫さんが
すすめて下さったのでした。

「参加すると、入選句と自選の1句が掲載された、
 全国の川柳作家の作品が集まって読みごたえのある、
 平成柳多留という作品集がもらえますよ」

と。

もっと何度も、ご一緒に参加したかったですね。

今回の入選句です。

「賑やか」

 ヒョウ柄の服のおばちゃんこれなんぼ

 (佐藤 古拙・選)

「節目」

 節目ごとやわらかくなるわたしの絵

 (大野 征子・選)

 あの日から要るものだけをそばに置く

 (上野 多惠子・選)

「みごと」「導く」「視線」の句は選外でした。
気に入ったものもあったのですが、深みが足りなかったかな。
 
 
「自選句」

 事なきのありがたさしみじみと知る


ところで、
今日は予約していた大腸内視鏡の検査を受けてきました。

正式な結果をきくのは来週ですが、
どうやら心配なさそうでほっとしています。
ご心配下さった方々には、おさわがせいたしました。
はからずも、今回の自選句をまた実感したかたちになりました。
わたしに多い「そのまんまやないか句」ですが…
つくったそのときは、
親の病気続きだった日々を過ごしての句でした。
自然災害や事故の多さも、意識にありました。

今回の検査を受けたいきさつですが、
わたしは14年前に子宮体がんで手術を受けており、
以来ずっと異常なく過ごしていますが、
先日、排便時でもなく、痛みも覚えもないごく少量の下血が
拭けば付く程度にみられたのでした。

わたしは便秘もしないほうなので、切れたわけでもなかろうし…
さてはポリープか、新たな大腸がんが?と不安になり、
ちょうどその翌日が定期受診の予約日だったので、
婦人科の先生に告げると、
同じ院内の消化器センター受診を手配して下さったのでした。

昨日からの空腹感と、
(検査前の決められた食事で、ちゃんと仕事をして動くには
 カロリーもボリュームもちょっと不足した感じです)
当日朝に時間をかけて服用する腸管洗浄液が想像以上に苦痛で
たいへんでした。

くすりによる排便よりも、検査そのものよりも
そちらのほうがわたしにはつらかったようです。
ひとによっても違うでしょうが、
なにごとも経験してみないとわからないことがたくさんあるなあと
実感。

すべてを体験というのはむりでも、
せっかく何かを経験したなら、それを
より患者さんやそのご家族、
自分の家族・友人・知人の気持ちに寄り添えるかたちで
お返しができたらと思います。



   
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今年これからの歌の予定

2016-04-16 | つれづれに

川柳とは無関係ですが、
こちらで記事を更新しました。
 
近況(心境)のような内容ですが、
よかったら、どうぞおいで下さい。





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ちょっと困惑

2016-04-13 | つれづれに

ちょっと気になる体調の変化があり、
精密検査の予約を入れました。

実はわたしは14年前に良性ではない病気で手術を受け、
以来その病院で定期受診しています。

が、さすがに14年も経てば、
受診も年に1~2回ペースで、
何も異常のないことが前提となっており、
病気であったこともふだんは忘れているくらい。
もとの病気は完治していると言っていいと思います。

したがって、今回の変化というのも、
もともとの病気からの関連ではなく、
あらたなものといえるでしょうが、
今後治療が必要なものであれば、この病院がのぞましいので
検査もこちらで受けることにしました。

みてみぬふりをしても不安はつきまとうし、
よきにつけ、悪しきにつけ、
早くはっきりさせたほうがいい。
さいわい、今のところは
仕事や日常の生活をふつうにこなせる状態です。

今月中にははっきりするでしょう。

あとで笑いばなしになることを願いつつ。


  いいことを数え不安をふりはらう





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