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さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

豊橋番傘 令和5年8月号掲載句

2023-08-08 | 豊橋番傘

<近詠>

 イレギュラー続きの日々に対処する

 がんばりがむくわれずともくさらない

 どっちつかずは好まぬ人もお天気も

 リセットに欠かせぬ睡眠とお酒


<7月句会・課題句>

 「希望」(尾方静子選)

 希望した場所でなくても咲いた花


 「雲」(佐藤恭子選)

 いい風をいつでも雲は待っている

 追ううちに雲のかたちがまた変わる

 野心まだ捨ててはいないちぎれ雲


 「じわじわ」(鈴木順子選)

 じわじわと脅かされてゆく平和


<6月号(5月句会吟)から推薦句>

 居酒屋でふと耳にしたさと訛り
       (佐藤文児推薦)


<暑中見舞い広告に一句>

 カジュアルな浴衣でご近所の蕎麦屋




   
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豊橋番傘 令和5年7月号掲載句

2023-07-05 | 豊橋番傘

<近詠>

 早い初夏春の袷を着そこねる

 いかにして涼しく着るか夏着物

 不自由な目でも大事は見逃さぬ

 現状の維持の裏ではフル稼働


<6月句会・課題句>

 「和む」(池谷英子選)

 ぬる燗が張りつめた身を和ませる

 食べ慣れた母の煮付けにほっとする


 「効く」(来本芳子選)

 選外でした;;


 「委ねる」(寺部水川選)

 神の手にゆだねて軽くなるこの身


<5月号(4月句会吟)から推薦句> 尾方静子推薦
<各・地・句・報> 松本柾子抄

 まだ浅瀬ここから恋は深くなる




   
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豊橋番傘 令和5年6月号掲載句

2023-06-06 | 豊橋番傘

<好句往来> 4月号から・藤田武人
<推せん句> 4月号近詠より・鈴木順子

 駅までが遠くなったとこぼす足 


<近詠>

 桜も藤もひと月早い春でした

 何もせず過ごす贅沢五連休

 手間ひまをかければ安いおうち飲み

 出張の主人の帰り犬と待つ


<5月句会・課題句>

 「詰める」(戸沢ほたる選)

 ちまちまと詰めております知恵袋


 「里心」(山口タカシ選)

 居酒屋でふと耳にしたさと訛り


 「馬脚」(須﨑東山選)

 アリバイが崩れ犯人慌てだす


<各・地・句・報> 松本柾子抄

 口癖のでもねが運を遠ざける




   
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豊橋番傘 令和5年5月号掲載句

2023-05-02 | 豊橋番傘

<推せん句> 3月号近詠より 鈴木順子
 
 食べられる苗を植えよか物価高


<3月号(2月句会吟)作品から推薦句>

 スマートじゃないが優しいエスコート
        (桑山公一 推薦) 


<近詠>

 早すぎる開花桜よ急ぐなよ

 気まぐれな春に振り回されている

 着々と花のリレーが進む春

 お別れはしばしの間花吹雪


<4月句会・課題句>

 「呟く」(青嶋由紀美選)

 呟きにぽろり本音がこぼれ出る

 うっかりのツイートで炎上の刑


 「浅い」(佐藤恭子選)

 まだ浅瀬ここから恋は深くなる


 「ぶらり」(鈴木順子選)

 ぶらり来て見舞ってくれる友がいる




   
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豊橋番傘 令和5年4月号掲載句

2023-04-05 | 豊橋番傘

<2月号(1月句会吟)作品から推薦句>

 結び三つ葉雑煮に色と香を添える
        (山口タカシ 推薦) 


<近詠>

 駅までが遠くなったとこぼす足

 断捨離の最優先は負の記憶

 機嫌よく今日を過ごすという仕事

 日を浴びて老犬の背も少し伸び


<3月句会・課題句>

 「でもね」(尾方静子選)

 口癖のでもねが運を遠ざける

 言い訳のでもね一歩が踏みだせぬ


 「港」(波多野律子選)

 再会は口にせぬまま船が出る

 見も知らぬ魚漁港に揚がりだす


 「囲む」(寺部水川選)

 花マルで囲んだ春のカレンダー


<各・地・句・報> 松本柾子抄

 ハードルをぴょんと跳びたい兎年




   
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豊橋番傘 令和5年3月号掲載句

2023-03-10 | 豊橋番傘

<1月号(12月句会吟)作品から推薦句>

 ふたりのワルツぜんまいが切れるまで
        (須﨑東山 推薦)

 日記にも記せなかった恋がある
        (佐藤恭子 推薦) 


<近詠>

  ジャスミン茶母が愛した古伊万里で

  ヒートアップした話題とはおでんの具

  食べられる苗を植えよか物価高

  食事には文句を言わぬよい夫


<2月句会・課題句>

 「スマート」(山口タカシ選)

  スマートじゃないが優しいエスコート


 「乱」(池谷英子選)

  連れ合いは私の乱に慣れている

  ステップの乱れた恋が転びそう

  気の乱れ肌は素早く察知する


 「予約」(須﨑東山選)

  まだ生きるつもりで再診の予約


<各・地・句・報> 松本柾子抄

  不運みな笑い飛ばせる年の功




   
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豊橋番傘 令和5年2月号掲載句その1

2023-02-07 | 豊橋番傘

<12月号(11月句会吟)作品から推薦句>

 もう大人きずは自分で手当てする
        (寺部水川 推薦) 


<近詠>

  新年の客を迎える干支飾り

  好物をぎっしり詰めたミニおせち

  年賀状長らく会えぬ人ばかり

  ケガ癒えて歩けることのありがたさ


<1月句会・課題句>

 「淡い」(来本芳子選)

  約束はせぬまま旅の淡い縁


 「結ぶ」(戸沢ほたる選)

  結び三つ葉雑煮に色と香を添える


 「兎」(鈴木順子選)

  ハードルをぴょんと跳びたい兎年


<各・地・句・報> 松本柾子抄

  ローギアにシフト景色がよく見える


<各地句報秀吟200句>

  トラブルはいつもまさかのタイミング




   
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豊橋番傘 令和5年1月号掲載句

2023-01-04 | 豊橋番傘

 健やかにとよばん育ち200号


<11月号(10月句会吟)作品から推薦句>

 争いは起こる善人どうしでも
        (鈴木順子 推薦) 


<近詠>

  ケガの身の師走あせらずカタツムリ

  生きるためナマケモノにもある雑事

  オシドリがゆったり泳ぐ名古屋帯

  動くべき時をハシビロコウは待つ


<12月句会・課題句>

 「笑う」(佐藤恭子選)

  不運みな笑い飛ばせる年の功


 「ワルツ」(青嶋由紀美選)

  ふたりのワルツぜんまいが切れるまで


 「日記」(寺部水川選)

  日記にも記せなかった恋がある


<各・地・句・報> 前中知栄抄

  どきどきが伝わらぬようディスタンス




   
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豊橋番傘 令和4年12月号掲載句

2022-12-05 | 豊橋番傘

<好句往来>(10月号から・木村英昭)
<推せん句>(9・10月合併号10月近詠より・鈴木順子)

 ふくよかになってようやく似合う服


<9・10月合併号(9月句会吟)作品から推薦句>

 透けてきた本音黙って酒を注ぐ
        (桑山公一 推薦) 


<近詠>

  紅葉が一気に進む秋の筆

  もう袷まだ単衣かと悩む秋

  寒暖差上着いちまい持ち歩く

  明け方の毛布ぬくぬく二度寝する


<課題句>

 「シフト」(尾方静子選)

  ローギアにシフト景色がよく見える


 「袋」(山口タカシ選)

  つつましく入れる今年のポチ袋


 「大人」(須崎東山選)

  もう大人きずは自分で手当てする


<各・地・句・報> 前中知栄抄

  泥んこで家族養う作業服




   
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豊橋番傘 令和4年11月号掲載句

2022-11-10 | 豊橋番傘

<推せん句> 8月号近詠より・鈴木順子

 かんざしが似合う浴衣のまとめ髪


<8月号(7月句会吟)作品から推薦句> 

 ディズニーの世界で今日は姫になる
       (波多野律子 推薦)


<近詠>

  金木犀まだかと鼻でさがす秋

  いちにちで急に季節を変える風

  伝統と新風コラボする歌舞伎

  単衣から袷に替える風の冷え


<課題句>

 「伸びる」(池谷英子選)

  背伸びしたむかしを思うハイヒール


 「どきどき」(波多野律子選)

  どきどきが伝わらぬようディスタンス


 「善人」(鈴木順子選)

  争いは起こる善人どうしでも


<各・地・句・報> 前中知栄抄

  難病を軽い口調で告知され




   
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