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さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

豊橋番傘 令和4年9・10月合併号掲載句

2022-10-06 | 豊橋番傘

<7月号(6月句会吟)から推薦句> 小松くみ子推薦
<各・地・句・報> 前中知栄抄 

 叩かれながら養ってきた底力
     

<近詠>

 熱中症予防は夏の大仕事

 猛暑日は言われなくても引きこもる

 台風とコロナが阻む里帰り

 老犬と留守番中の長い盆


<8月句会・課題句>

「友達」(青嶋由紀美選)

 一生の友達でいてほしい酒


「軽い」(来本芳子選)

 難病を軽い口調で告知され


「点」(須崎東山選)

 着地点さだまらぬまま踊る恋


<近詠>

 通勤道長い残暑に耐え歩く

 秋の花残暑のなかで咲きはじめ

 なだめたり抵抗したり不意の坂

 ふくよかになってようやく似合う服


<9月句会・課題句>

「透ける」(戸沢ほたる選)

 白衣から透けて落ち着かない肌着

 透けてきた本音黙って酒を注ぐ


「泥」(佐藤恭子選)

 泥んこで家族養う作業服


「抜け道」(寺部水川選)

 抜け道のつもりが闇に迷い込む




   
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豊橋番傘 令和4年8月号掲載句

2022-08-03 | 豊橋番傘

<好句往来> 6月号から・北山まみどり

 もう傘はいらないやがて晴れてゆく


<近詠>

 紫陽花はまだ雨が恋しい梅雨の明け

 熱中症に備え台風にも備え

 かんざしが似合う浴衣のまとめ髪

 アレンジで遊ぶ着物もお料理も


<課題句>

「曖昧」(尾方静子選)

 選外でした;


「折れる」(池谷英子選)

 日記帳折れた頁にある節目


「ワールド」(須崎東山選)

 ディズニーの世界で今日は姫になる




   
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豊橋番傘 令和4年7月号掲載句

2022-07-05 | 豊橋番傘

<推せん句> 5月号近詠より・鈴木順子

 散ることは次の春へと向かうこと


<5月号(4月句会吟)作品から推薦句> 

 もう引っ張らぬ鎖を外す老いた犬
       (尾方静子 推薦)


<近詠>

  ひとつ覚えひとつ忘れてまた稽古

  風通し良くして疲れない着物

  帯留めになってブローチ生き返る

  着くずれもあると着物の自然体


<課題句>

 「同期」(波多野律子選)

  初恋のあの子を探す同期会


 「養う」(戸沢ほたる選)

  叩かれながら養ってきた底力


 「やり手」(寺部水川選)

  やり手だが敵も多いと言う噂




   
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豊橋番傘 令和4年6月号掲載句

2022-06-07 | 豊橋番傘

<4月号(3月句会吟)作品から推薦句> 

  ことさらに笑うかなしい時のくせ
       (藤森ますみ 推薦)


<近詠>

  四季移るようにうつろう恋ごころ

  さばさばと秘密の箱を空にする

  もう傘はいらないやがて晴れてゆく

  再会の歌に優しく包まれる


<課題句>

 「見栄」(佐藤恭子選)

  見栄張らずマイブランドで生きてゆく


 「漏らす」(山口タカシ選)

  酒すすみ本音を漏らしそうになる


 「もっとも」(鈴木順子選)

  もっともな儲け話に裏がある




   
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豊橋番傘 令和4年5月号掲載句

2022-05-08 | 豊橋番傘

<2・3月号合併号(1・2月句会吟)作品から推薦句> 

  ふさがらぬ傷を庇って生きている
       (山口タカシ 推薦)

  いくつものまさかがあっていま夫婦
       (来本芳子 推薦)


<近詠>

  花冷えの寒さ毎年あなどれぬ

  散ることは次の春へと向かうこと

  舞い終えた春を去りゆく花筏

  忘れない今年あなたと見たさくら


<課題句>

 「大きい」(尾方静子選)

  子犬には大きいひと切れのお肉


 「鎖」(来本芳子選)

  トラウマで見えぬ鎖に縛られる

  もう引っ張らぬ鎖を外す老いた犬

  封印の鎖いくつもある歴史


 「巻く」(須崎東山選)

  巻き戻せないいのちいくつも散るいくさ


<各・地・句・報> 前中知栄 抄

  トラブルはいつもまさかのタイミング




   
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豊橋番傘 令和4年4月号掲載句

2022-04-05 | 豊橋番傘

<好句往来> 1月号から・原田多喜

  逢えずいる人の幸せ祈る暮れ


<1月号(12月句会吟)作品から推薦句> 

  まだ燃えていたくて残り火を煽る
       (須崎東山 推薦)


<近詠>

  散歩道あちこち春がかくれんぼ

  くんくんと春を探して歩く鼻

  敏感な鼻が早春探しあて

  咲き初めた梅の香りよああ春だ


<課題句>

 「スタート」(波多野律子選)

  あたらしい恋が始まりそうな春

  スタートに後押しくれた手のぬくみ


 「笑う」(本多雅子選)

  ことさらに笑うかなしい時のくせ

  ぬくい陽にもうすぐ花も笑いだす

  マスクしていても笑顔が伝わる目


 「帳消し」(寺部水川選)

  親の苦労帳消しにする子の笑顔




   
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豊橋番傘 令和4年2・3月合併号掲載句

2022-03-11 | 豊橋番傘

<推せん句> 12月号近詠より・鈴木順子

  あり合わせ野菜のうまみラタトゥイユ

2月号

<近詠>

  除夜の鐘ついてそのまま初詣

  老犬も年越しできた初歩き

  つつがなく夫婦ふたりのミニおせち

  日めくりをゆっくりめくる三が日


<課題句>

 「迎える」(佐藤恭子選)

  もう木々は春を迎える支度中

  家族にと迎えた犬がくれる日々


 「アンテナ」(山口タカシ選)

  妻のアンテナは錆びても侮れぬ


 「庇う」(鈴木順子選)

  ふさがらぬ傷をかばって生きている


3月号

<近詠>

  モクレンのつぼみに春を見る二月

  わくわくと初めて歩く散歩道

  そろそろの春にそなえて磨く靴

  何もない日のしあわせがわかる今


<課題句>

 「口実」(池谷英子選)

  選外でした;


 「まさか」(戸沢ほたる選)

  トラブルはいつもまさかのタイミング

  いくつものまさかがあっていま夫婦


 「筒抜け」(須﨑東山選)

  ここだけの話たいてい漏れている


<各・地・句・報> 前中知栄 抄

  オープンと聞けばのぞいてみるパン屋




   
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豊橋番傘 令和4年1月号掲載句

2022-01-07 | 豊橋番傘

<11月号(10月句会吟)から推薦句>

  まぼろしのままでよかった青いバラ
      (伊藤 紀雍子 推薦)
<近詠>

  年ごとに四季の巡りが早くなる

  ポインセチア師走の街に灯をともす

  欠礼の知らせが増えた年賀状

  逢えずいる人の幸せ祈る暮れ


<課題句>

 「煽る」(戸沢 ほたる 選)

  まだ燃えていたくて残り火を煽る


 「律儀」(来本 芳子 選)

  葬儀まで自分で決めて逝った人

  気にかかる律儀な人の来ぬ返事

 
 「オープン」(寺部 水川 選)

  オープンと聞けばのぞいてみるパン屋


<各・地・句・報> 前中 知栄 抄

  幻想が果てなく続く雨しずく




   
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豊橋番傘 令和3年12月号掲載句

2021-12-01 | 豊橋番傘

<推せん句> 10月号近詠より・鈴木 順子

  いつも目の届くところに花を置く


<近詠>

  あり合わせ野菜のうまみラタトゥイユ

  宝石のようなカラフルミニトマト

  金木犀ようやく香りだした秋

  貯金箱あけておいしい秋を買う


<課題句>

 「秘密」 (波多野 律子 選)

  秘密ひとつ明かして肩の荷が下りる


 「翼」 (池谷 英子 選)

  持っている翼で飛べる空さがす

 
 「息抜き」 (須崎 東山 選)

  息抜きのおやつで育つ皮下脂肪


<各・地・句・報>  前中 知栄 抄

  受け皿を求めプリンが揺れている




   
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豊橋番傘 令和3年11月号掲載句

2021-11-09 | 豊橋番傘

<推せん句> 9月号近詠より・鈴木 順子

  ほめた芽がすくすく伸びるプランター


<9月号(8月句会吟)作品の中から推薦句> 彦坂 直政

  もう少しこの世で粘り見る景色


<近詠>

  半袖は仕舞えず進む温暖化

  夏と秋の花が並んで咲いている

  もう十月なのに熱中症予防

  気温差に応じてくれるカーディガン


<課題句>

 「テキパキ」 (尾方 静子 選)

  テキパキと動けば消えてゆく邪念

  テキパキとしたい自分の後始末


 「幻」 (佐藤 恭子 選)

  まぼろしのままでよかった青いバラ

  幻想が果てなく続く雨しずく

  まぼろしと消える約束した祭り

 
 「許す」 (鈴木 順子 選)

  コロナ禍の許容範囲を模索する




   
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